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更新:2017/6/1


町田ぼたん園 2017/6/25



町田ぼたん園、町田薬師池公園 四季彩の杜ぼたん園が正式名称です。
ぼたん園は民権の森公園の一部であり、隣接地に自由民権運動の指導者であった「石阪昌孝」氏の墓があります。
薬師池公園から徒歩で10分ほどの所にあり、約330種1,700株のボタンが植えられています。
また、約60種600株のシャクヤク植えられており、この時期、シャクナゲも見られます。

※ 町田えびね苑の入園券の半券で、ぼたん園の入園料が割引になりました。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キジカクシ目
ラン科(キンラン、ギンラン、ジエビネ)
キンポウゲ目
キンポウゲ科(オダマキ、セイヨウオダマキ)
ケシ科(ケマンソウ)
シソ目
シソ科(タツナミソウ)
モクセイ科(ライラック)
ツツジ目
ツツジ科(キレンゲツツジ、シャクナゲ、セイヨウシャクナゲ)
フウロソウ目
フウロソウ科(アメリカフウロ、ヒメフウロ)
マメ目
マメ科(スズメノエンドウ、ヤハズエンドウ、シロバナヤマフジ、フジ)
ユキノシタ目
ボタン科(シャクヤク、ボタン)
マンサク科(ベニバナトキワマンサク)
ユリ目
ユリ科(チューリップ)
 
ゼンマイ目
ゼンマイ科(ゼンマイ)
町田ぼたん園で見かけた野草など
和名インデックス


ボタン(Paeonia suffruticosa)
<ユキノシタ目・ボタン科・ボタン属>
 
<西の海>                   <長寿楽>
 
    <島根連鶴>              <島根長寿楽>
ボタン科ボタン属の落葉小低木。別名は「富貴草」を始め、たくさんある。原産地は中国北西部。
元は薬用として利用されていたが、盛唐期以降、「花の王」として他の花よりも愛好されるようになった。
樹高は原種では3m程になるが、接木で作られる園芸品種では1〜1.5mほどにしかならない。
従来は種からの栽培しかできなかったため、正に「高嶺の花」であったが、接ぎ木により急速に普及した。
ボタンには、概ね、下記の種類がある。                      .
春牡丹:4月〜5月に開花する一般的な品種。              .
寒牡丹:春と秋に花をつける二季咲きの変種。              .
   ※ 春のツボミは摘み取り、秋のツボミを11月〜1月に開花させる。
冬牡丹:春牡丹と同じ品種を1月〜2月に開花するよう調整したもの。

2017/5/3
園内には数えきれないほどのボタンが、これでもかと咲き誇っていました。
その中で、頭に「島根」と付く品種がいくつかあり、気になりました。
調べてみると、島根県大根島(だいこんじま)がボタンの生産地として国内最大規模であること。
そして、約300年前に最初にボタンが植えられ、以降、品種改良などが行われてきたこと。
最初に数種だったボタンが、現在では約300種にまで増えていることがわかりました。
島根〜 という品種名は、この大根島で生み出された品種に付けられた名前だったようです。


ボタン園内で見られたボタンの品種の一部です。

   
  <オーロラ>       <ゴーギャン>      <恵比寿(えびす)>
   
<御国の曙(みくにのあけぼの)>  <黄冠(おうかん)>   <麒麟獅子(きりんしし)> .

園内には、もっとたくさんの品種が植えられています。
全てではありませんが、分かった範囲内で一覧にしたものは、こちらをご覧ください。

シャクヤク(Paeonia lactiflora)
<ユキノシタ目・ボタン科・ボタン属>

 <ポーラフェイ>
   
 <サンクタス>     <ピンクハワイアンコーラル>    <レッドローズ>
ボタン科ボタン属の多年草で、中国原産の帰化植物。
日本に自生しているのはヤマシャクヤクとベニヤマシャクヤクの2種のみで、それ以外は移入種。
現在栽培されているシャクヤクの原種は、中国からシベリアにかけて分布しているものとされる。
草丈は60pほどになり、根は太い塊根状で、茎は直立し、先で分枝して数輪の花を付ける。
ボタンは分枝して横に広がる樹形となるのに対し、シャクヤクは分枝せずにまっすぐに立ち上がる。
葉は2回3出複葉で互生する。小葉は卵形で先が尖り、縁は全縁。
花期は5月〜6月で、ボタンと入れ替わるように咲き出す。
日本では、江戸時代に「茶花」として鑑賞され、育種された古典園芸植物である。
この時できた品種は、一重咲きでオシベが大きく発達して中心を飾る品種が多い。
シャクヤクは、オシベの花弁化の程度や形から、以下の7種類に大別される。
     一重咲き
     一重咲き:花弁が8枚程度の一重咲きの品種
     金しべ咲き:一重咲きで、オシベが太くなり、金色に盛り上がった品種
     オシベが花弁とは別の色と形に花弁化
     翁咲き:一重咲きで、オシベが葯と花糸が区別できないまでに花弁化して中心に集まった品種
     冠咲き:内側のオシベの花弁化が進んで幅広になるが、外側のオシベはそのまま残る品種
     手まり咲き:オシベが完全に花弁化して、本来の外側の花弁と同じようになった品種。
     オシベが花弁と同じ色と形に花弁化
     半八重咲き:中心部にオシベが残り、外側のオシベが花弁化した品種。
     バラ咲き:オシベが完全に花弁化して、バラのようになった品種
2017/5/3
園内の所々に、ボタンに混じってシャクヤクが植えられていました。
まだ、ボタンが盛りの頃でしたので、開花しているシャクヤクはそう多くはありませんでした。
それでも、いろいろなシャクヤクがボタンに劣らず、目を楽しませてくれました。

全てではありませんが、分かった範囲内で一覧にしたものは、こちらをご覧ください。

キンラン(Cephalanthera falcata)
<キジカクシ目・ラン科・エピデンドルム亜科・キンラン属>
 
ラン科キンラン属の地生の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布し、明るい林内に自生する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は30〜70pほどになり、茎は直立して、葉は6〜8個が互生する。
葉は、長さ10p前後の先の尖った長楕円形で、基部は茎を抱く。
葉の葉脈ははっきりしていて、縦方向のひだがある。
花期は4月〜6月で、茎先に総状花序を出し、数輪〜10輪ほどの黄色い花を付ける。
花は全開することはなく、半開きのまま、順次上に咲き上る。
2個の側萼片と背萼片は、2個の側花弁よりいく分大きく、唇弁が見える程度にしか開かない。
唇弁には短い距があり、3裂する。中央の裂片には赤褐色の隆起がある。
キンランは菌根への依存性が高く、それも他のランのような腐生菌ではない。
樹木の根に外菌根を形成する外菌根菌で、根と外菌根に割り込んで成長する。
理論上、これら3者の共生系を作れれば栽培可能であるが、実際問題、簡単ではない。

2017/5/3
通路脇にキンランが所々で見られ、黄色い花が目につきました。
この写真の株は比較的大きく、3本の茎を立ち上げていました。

ギンラン(Cephalanthera erecta)
<キジカクシ目・ラン科・エピデンドルム亜科・キンラン属>

ラン科キンラン属の地生の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、明るい林内に自生する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
草丈は30pほどになり、茎は直立して無毛。葉は3〜6個が互生する。
葉は、先の尖った長楕円形で、基部は茎を抱く。葉にも毛はない。
花期は5月〜6月で、茎先に数個、純白の花を付ける。
下の萼片2個は左右に開くが、上の萼片と側花弁は開かず、唇弁に覆いかぶさる。
唇弁には短い距があり、中は見えずらいが、5本の黄褐色の隆起線がある。

2017/5/3
通路脇にギンランが1株だけ、花を付けていましたが、まだ、つぼみに近い状態でした。
林内の暗い場所でしたので、手ぶれしてしまいました。
開花状態のものは、薬師池公園で見かけたので、そちらに掲載しています。

ジエビネ(Calanthe discolor Lindl.)
<キジカクシ目・ラン科・セッコク亜科・エビネ属>
   
ジエビネは、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで、広範囲に自生していた原種で、極普通の品種でした。
分布域が広いため、自生地の環境などの違いで変異が大きい品種でもある。
多くは、萼片3個と側花弁2個は褐色から紫褐色で、唇弁が淡紅白色である。
ただ、変異が多く、萼片と側花弁が緑や赤、淡黄色で、唇弁が淡赤紫色、淡黄色のものもある。

2017/5/3
ハス田の近くに細葉のモミジが植えられています。
新葉を展開するときから赤っぽい色で、夏でも赤味の差した緑色の葉になる品種です。
右の写真では、同じような葉の緑色の新葉を展開する品種と寄せ植えになっています。

エビネについて

エビネ属の多くは地生であるが、まれに着生する。
茎が短く、基部が肥大して根茎となり、短い匍匐系で連なる。
この根茎の形が海老に似ているのが和名の由来となっている。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島にかけて約20種が分布する。
海外では、インド、中国からミクロネシア、オーストラリア北部、東アフリカの広範囲に分布する。
分布の中心は東南アジアで、約200種が分布する。ただ、メキシコからコロンビアに別に1種が分布する。
日本に分布する約20種のエビネは、全て常緑性で、花序は総状で直立する。
花色は非常に多彩で、美しい花も多いことから、観賞用に栽培されることが多い。

日本に自生するエビネの原種は、下記の5種とされており、その自然交配、人工交配で多くの品種がある。
●ジエビネ (Calanthe discolor)
●キエビネ (Calanthe storiata)
●サルメンエビネ (Calanthe tricarinata)
●ニオイエビネ (Calanthe izu-insularis)
●キリシマエビネ (Calanthe aristulifera)

※ エビネに関しては、えびね苑のページにもう少し詳しく掲載させていただいています。

オダマキ(Aquilegia flabellata)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・オダマキ属>
 
キンポウゲ科オダマキ属の多年草で、在来種。
ミヤマオダマキを園芸化したもので、日本では単にオダマキというとこの種を指すことが多い。
それ以外のものはセイヨウ〜やミヤマ〜のように頭になにか付く。
草丈は20〜30cmほどで、原種のミヤマオダマキより大きくなる。
根は太くてまっすぐに下に伸び、葉は根際に数枚出る。
葉は、2回3出複葉で、根際の葉には長い葉柄がある。
小葉は扇形で、表面は粉を吹いたような淡緑色になる。
花期は4月〜6月で、茎先に数輪の花を下向きに付ける。
萼片が平開し、花弁は円筒状に付いて、長い距が萼片の間から後ろに伸びる。
花色は青紫から白まで幅があり、花弁の先は白くなる。
果実は袋果で、先の尖った筒を5本束ねたような形で、上向きになる。

2017/5/3
園内の売店近くの花壇に寄せ植えになっているオダマキを見かけました。
姿形は、ミヤマオダマキにそっくりで、その園芸品種であることを思い起こさせます。

セイヨウオダマキ(Aquilegia vulgarii)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・オダマキ属>
   

   
キンポウゲ科オダマキ属の多年草で、アメリカオダマキの園芸品種。
草丈は30〜90pと大きく、株の中心から茎をまっすぐに立ち上げる。
葉は根際に付き、3回3出複葉で長い葉柄がある。花期は5月〜6月。
で距が長いものや無いもの、八重咲の品種など、花色も含めて変異が多い。

2017/5/3
園内には八重咲のセイヨウオダマキが、ところどころに植えられていました。
八重咲があることは知っていましたが、実物を見るのは初めてでした。
前述のシンプルなオダマキと比べ、かなり豪華な造りの花です。

ケマンソウ(Lamprocapnos spectabilis)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケマンソウ亜科・ケマンソウ属>


   
ケシ科ケマンソウ属の多年草で、中国東北部原産の帰化植物。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
日本での栽培は古く、室町時代に渡来したと言われている。
草丈は30〜60pほどになり、茎は直立して分枝する。
葉は対生し、2回3出羽状複葉で、長さは10〜30pになる。
小葉は扇形で、縁は深裂したり粗い鋸歯になる。葉裏は白っぽくなる。
花期は4月〜6月で、茎頂や上部の葉腋から長い花茎を出し、花を一列に吊り下げる。
花は独特の形状をしていて、外側の2個の花弁は紅紫色か白色で、対になった形がハート形。
内側の2個の花弁は白色で、淡紫色と黄色の斑紋があり、外側の花弁から突き出す。
この形状が、仏堂における荘厳具のひとつ「華鬘」に似ているのが和名の由来。
また、釣り竿に鯛がぶら下がっているように見えるので、タイツリソウの別名がある。
英語では、花の形を心臓に見立て、bleeding heart(血を流す心臓)と呼ばれている。
オシベは舌状で、3個づつ葯の下で融合し、長楕円形の柱頭は、基部で2裂する。
9月頃には、地上部は枯れてしまい、翌春まで休眠に入る。

2017/5/3
園内のボタンの脇などに赤紫色と白色のケマンソウが花を付けていました。
以前、見に来た時には白色のものはなかったように思います。
花の形状がとても変わった形なので、一度見たら忘れることはないでしょう。

タツナミソウ(Scutellaria indica)
<シソ目・シソ科・タツナミソウ亜科・タツナミソウ属>
   
シソ科タツナミソウ属の多年草で在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では、アジアの東部や南部に分布する。
草丈は20〜40pほどになり、茎は四角形で白い軟毛が密生する。
葉は対生し、葉身は3pほどの広卵形で、基部は心形。縁には鋸歯があり、両面に軟毛がある。
花期は5〜6月で、茎頂に数pの花穂を出し、一方向に偏って花を付ける。
花色は、青紫色が多いが、淡紅紫色や白色のものもある。
花冠は唇型で、20o前後と筒部が長く、基部で急に曲がって立ち上がる。
上唇は盛り上がり、下唇は3裂して、中央部に濃紫色の斑紋がある。
萼も唇型で、上下に分かれ、上唇の背の部分が丸く立ち上がる。

2017/5/3
ぼたん園からの帰り道、道路わきで真っ白なタツナミソウを見かけました。
直ぐ側の民家の庭から逸出(いっしゅつ)したもののようで、斑紋もない純白の花でした。


いろいろなタツナミソウ

       .
2013/4/23         2014/4/14         2017/5/3
赤紫色、青紫色のタツナミソウは、多摩川の近くで見かけたものです。
白いタツナミソウは、今回、初めて見ましたが、下唇も真っ白でした。

ライラック(Syringa vulgaris)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・ハシドイ属>
   
モクセイ科ハシドイ属の落葉樹で、ヨーロッパ原産の移入種。
フランス語のリラ(Lilas)とも呼ばれ、標準和名はムラサキハシドイ(紫丁香花)。
樹高は4〜8mになり、耐寒性があるので寒冷地でも育ち、札幌のライラックまつりは有名。
葉は対生し、葉身は長さ4〜8pの広卵形で全縁。
花期は4月〜5月で、枝先に大きな円錐花序を出し、直径10o程の花を多数付ける。
花冠は漏斗形で4裂し、花色は紫、白、赤、青などがあり、芳香があって香水の原料にもなる。

2017/5/3
園内に何本かライラックが植えられていて、ちょうど花を咲かせていました。
手の届くような場所に花がなかったので、芳香は確認できませんでした。

キレンゲツツジ(Rhododendron molle subsp. japonicum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・無鱗片シャクナゲ亜属・レンゲツツジ節>
 
ツツジ科ツツジ属の落葉広葉低木で、日本固有種。
日本では、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する。
樹高は1〜2mほどになり、幹は灰褐色で、分枝して横に円形に広がる。
葉は互生し、葉身は5〜10pの倒披針形。枝先に輪生状に集まって付く。
葉の縁は全縁で、多少波打ち、葉裏や葉柄には毛が生える。
花期は4月〜5月で、茎先に数個集まって付き、葉の展開と同時に開花する。
花冠は直径は5p前後の漏斗型で5裂し、上弁に濃色の斑紋がある。オシベ5本。
花色は、朱橙色のものが多いが、黄色もあり、キレンゲツツジという。
全木有毒で、花蜜にも含まれるため、注意が必要。養蜂家はレンゲツツジの咲く場所、時期は避ける。

2017/5/3
園内で何本かキレンゲツツジが植えられており、黄色い花を咲かせていました。
黄色いツツジの仲間は少ないので、妙に気になってしまいました。
和名のレンゲは「蓮華」の意で、葉や花が輪生しているのが由来とか。
私見ですが、受け口状のツボミ(右の写真)が輪生している様の方が、蓮の花に近い気がします。

シャクナゲ(Rhododendron)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・無鱗片シャクナゲ亜属・無鱗片シャクナゲ節>
   
   
ツツジ科ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属無鱗片シャクナゲ節の総称。
多くは低木であるが、高木になる種類もある。
北半球の亜寒帯から熱帯の山地まで、広範囲に分布し、ニューギニア、オスーストラリアにも分布する。
特にヒマラヤ周辺には多くの種が分布する。
日本には、ハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲ、ツクシシャクナゲなどが自生している。
多くの園芸品種があり、花色は赤や白系統が多いが黄色もあり、各地で植栽されている。
シャクナゲの葉には、ケイレン毒が含まれるので、注意が必要。

2017/5/3
園内のあちらこちらにシャクナゲが植えられ、いろいろな花を咲かせていました。
花期のセイヨウシャクナゲと分ける必要はないのかもしれませんが、小型の花のものを集めました。

セイヨウシャクナゲ(Rhododendron hybridum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・無鱗片シャクナゲ亜属・無鱗片シャクナゲ節>
 
 
ヒマラヤ地方やその周辺部に自生した原種を西欧で育種したものをセイヨウシャクナゲと呼ぶ。
日本には1930年代以降に渡来し、日本に自生するものより花が大きく、カラフルなのが特徴。
樹高は1〜4mになる常緑低木で、花期は4月〜5月。耐寒性はあるが、耐暑性は弱く、日蔭でも育つ。

2017/5/3
園内のあちらこちらにシャクナゲが植えられ、いろいろな花を咲かせていました。
明らかに大輪のシャクナゲを、セイヨウシャクナゲとしたものです。
花の大きさとしては二回りは大きく、1.5倍くらいはあります。

アメリカフウロ(Geranium carolinianum)
<フウロソウ目・フウロソウ科・フウロソウ属>
 
フウロソウ科フウロソウ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
最近では、広く日本全体に分布しており、道端などでよく見かける。
草丈は、30〜40cm程度で、茎、葉柄、花柄と全体に白い軟毛がある。
葉は円形で5深裂し、裂片はさらに細かく分裂する。
花期は4月〜6月で、花は、葉腋から花柄を伸ばし数個付く。
花径は8mm前後で、花弁と萼片は5個で、オシベは10本で、メシベを囲むように付く。

2017/5/3
最近は、どこに行っても見かけるようになったアメリカフウロです。
フウロソウの仲間なので、花自体はきれいなのですが、小さいので目立ちません。

ヒメフウロ(Geranium robertianum L.)
<フウロソウ目・フウロソウ科・フウロソウ属>
 
フウロソウ科フウロソウ属の一年草で、在来種。
日本では、伊吹山など限られた地域に分布する。
海外では、アジア、ヨーロッパ、北アメリカなどの北半球の温帯域に広く分布する。
しかし、近年、観賞用のものが、北海道や本州で帰化している。
草丈は40cm程前後で、茎や葉柄には腺毛がある。
全体に特有の匂いがあり、これが塩を焼いたときの匂いに似ていることから、シオヤキソウの別名がある。
葉幅は7cmほどになり、3全裂し、裂片は細かく分裂する。葉は対生し、花期が終わると紅葉する。
花期は5月〜8月で、花径は15mmくらい、花弁は5枚、オシベは5本。
花色は淡紅紫色から赤紫色で、花弁に濃い2本のすじがある。
また、葯の色には、赤、淡紅紫色、黄の3種類がある。

2017/5/3
本来、ヒメフウロは極限られた所に分布するものですが、最近は、よく見かけます。
北半球に広く分布しているので、海外から園芸品種として移入され、逸出したものでしょうか。

スズメノエンドウ(Vicia hirsuta)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>


   
マメ科ソラマメ属の越年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、ユーラシア大陸などの温暖帯に広く分布する。
葉は、12〜14枚の小葉からなり、先端は巻ひげになる。
花は、葉腋から伸びた花柄の先に4個前後付き、花色は、白に近い淡青色。
豆果は、長さ1cm程で短毛があり、下向きに付く。豆は2個入っていることが多い。

2017/5/3
ぼたん園からの帰り道、道路脇の法面にちょっとした群落を作っていました。
以前は、ヤハズエンドウ以外目に付かなかったのですが、最近は目に止まるようになりました。

ヤハズエンドウ(Vicia sativa subsp. nigra)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>
 
 <ヤハズエンドウ>    <スズメノエンドウ>
マメ科ソラマメ属の越年草で、地中海沿岸が原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国的に分布している。
標準和名は「ヤハズエンドウ」であるが、「カラスノエンドウ」という名前が一般には知られている。
いたるところで極普通に見られる雑草であるが、古代には食用にされていたとか。
草丈は1m以上に達することがある。巻きひげで絡みつくこともあるが、自立することもできる。
茎は四角形で、全体に毛がある。葉は偶数羽状複葉で、小葉は8〜16枚で、先端が浅く凹む。
花期は3月〜6月で、紅紫色の花で、旗弁の裏側は淡紅紫色になる。

2017/5/3
上記のスズメノエンドウに混じって、1本だけヤハズエンドウが花を付けていました。
花の大きさの比較のために撮ったものですが、上記の通り、4倍くらいの差があります。

シロバナヤマフジ(Wisteria brachybotrys f. alba)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・フジ連・フジ属>

マメ科フジ属の落葉つる性木で、日本固有種。
日本では、本州の近畿地方以西から四国、九州に分布する。
本来の分布域外で見かけるものは、植栽されたものか、それが逸出したもの。
ツルの巻き方は左巻で、フジ(ノダフジ)の右巻きとは逆になる。
葉は互生し、長さ15〜25pの奇数羽状複葉で、小葉は4〜6対ある。
花期は4月〜5月で、枝先に10〜20pの総状花序を付け、フジのそれよりも短い。
花は長さ数pの蝶形花で、花は程一斉に咲く(フジは基部から順次咲き下る)。
花色は、通常は淡紫色ですが、白花の品種もある。
花後、長さ10〜20pほどの細長い豆果となる。さやの表面には短毛が密生する。

2017/5/3
園内には藤棚が2ヶ所あり、下の藤棚の横に白花のヤマフジがありました。
少しピークを過ぎ、白い花に褐色の部分が出来始めていました。
直ぐ横のフジの花とは、花序の長さがまったく異なり、見た目、寸詰まりに見えます。

フジ(Wisteria floribunda)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・フジ連・フジ属>
 
日本の固有種で、本州から四国、九州に分布し、山野に普通に見られる。
公園などで植栽として利用される場合は、藤棚を作って這わせることが多い。
別名、ノダフジ(野田藤)ともいう。
ツルの巻き方は右巻(上から見て時計回り)で、ヤマフジの左巻とは真逆。
4月から5月にかけて咲き、花序は長く、20cmから長いものでは80cmに達し、花は順次咲き下る。
夏になると新しい枝先から、また、少し花が咲くことがある。

2017/5/3
園内にある2ヶ所の藤棚のフジです。左側が上にある藤棚で、右側が下の方の藤棚です。
どちらもほぼ満開の状態で、数十pの花序が垂れ下がり、風に揺らめいていました。
見てわかる通り、下の方のフジの花の方が、花色は少し淡いようです。

ベニバナトキワマンサク(Loropetalum chinense var. rubrum)
<ユキノシタ目・マンサク科・トキワマンサク属>

マンサク科トキワマンサク属の耐寒性常緑小高木で、トキワマンサクの紅花変種で中国原産の帰化植物。
なお、トキワマンサク(白花)は国内に3ヶ所の自生が確認されている。
本種は、中国南東部からインド北東部に分布する。
樹高はは4〜5mほどになり、良く分枝するので、生け垣などに使用される。
葉は互生し、葉身は長さ5p程の卵形で、全縁。若葉の葉裏には星状毛がある。
若葉は赤紫色で、成長とともに緑色に変わるものと、成長しても赤紫色のままの品種がある。
花期は3月〜5月で、枝先に数個〜十数個の花を付ける。花は、葉が展開する前に咲く。
萼片は長さ数o。紅紫色の花弁は4個で長さ20oほど、オシベも4本。
まとまって咲くので、見た目はたくさんの花弁があるように見える。

2017/5/3
ぼたん園の所々に、ベニバナトキワマンサクが植えられており、紅紫色の花を咲かせていました。
ぼたん園の手前に植木屋さんの畑があり、そこにも大量のベニバナトキワマンサクが育成されていました。
最近、人気が出てきた樹種とのことなので、引き合いが多いのでしょう。

チューリップ(Tulipa L.)
<ユリ目・ユリ科・チューリップ属>
 
ユリ科チューリップ属の球根植物で、多種多様な園芸品種が出回っている。
原山地は、アナトリア、イランからパミール高原、ヒンドゥークシュ山脈、カザフスタンのステップ地帯。
両性花であり、他のユリ科植物同様、雌雄異熟によって自家受粉を防いでいる。
外観は、ごく一般的なものから、尖ったもの、フリル状のもの、一重、八重など変異に富む。

2017/5/3
園内の鉢植えのボタンに混じって、チューリップらしからぬチューリップが植えられていました。
花弁にフリルがある八重咲のもの、細く尖った花弁が大きく開いたものなどです。
この花だけ見せられたら、チューリップかどうか、とても分かりそうにないです。

ゼンマイ(Osmunda japonica)
<ゼンマイ目・ゼンマイ科・ゼンマイ属>
 
ゼンマイ科ゼンマイ属の夏緑性多年生シダ植物で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、渓流や水路の脇などによく生える。
海外では、樺太、朝鮮半島から中国、ヒマラヤまで分布する。
草丈は1mほどになり、葉は2回羽状複葉。小葉は披針形で先が丸い。
新芽は渦巻き状で、表面を綿毛に覆われているが、成長すると毛はなくなる。
春に栄養葉と共に胞子葉を出す。栄養葉は1つの株から数枚の大きな葉を出す。
胞子葉は、独立してまっすぐに立ち上がり、棒状の小葉が並ぶ。胞子葉は短期間で消滅する。

2017/5/3
園内の裏の斜面で、茶色っぽい見慣れない葉を出しているシダ植物に気が付きました。
なんだか分からなかったので、後で調べ、ゼンマイの胞子葉と分かりました。
渦を巻いたゼンマイの新芽しかイメージがなかったのですが、胞子葉が見られてよかったです。









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