乗鞍高原で見た野草
和名インデックス |
アブラガヤ(Scirpus wichurae Boeklr.)
<イネ目・カヤツリグサ科・ホタルイ属> カヤツリグサ科ホタルイ属の多年草で、山野の湿地に生える。 日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国で見られる。 カンガレイと同属だが、花茎のみが発達するこれらと異なり、根出葉が発達する。 株立ちとなり、その中から花茎を伸ばし、先端の花序から柄が数本出て多数の小穂を付ける。 なお、花序は先端だけではなく、上の方の節からも出る。 非常に変異が多く、シデアブラガヤ、アイバソウ、エゾアブラガヤ、チュウゴクアブラガヤと呼ばれる。 各々特徴があり、分けて扱うとか、アブラガヤと一まとめにして扱う説など、定説がない。
2014/8/13
牛留池に立ち寄った際、池のほとりにたくさん生えていました。 その茎などにアオイトトンボがたくさん止まっていたのが印象的でした。 |
ヤマホタルブクロ(Campanula punctata Lam. var. hondoensis)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ホタルブクロ属> キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、日本固有種。 ホタルブクロの変種で、東北地方南部から近畿地方東部にかけて分布する。 ホタルブクロは、東北部を除く北海道から、本州、四国、九州に分布し、両者の分布域は重なる。 海外では、ホタルブクロが朝鮮半島から中国にかけて分布する。 草丈は、20〜50cmと幅があり、葉は互生する。 花は、長さ5cmほどの壺型で、先が浅く5裂する。 花色は、淡紅紫色で淡いものから濃いものまで変異がある。 |
タテヤマアザミ(Cirsium babanum var. otayae)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属> キク科アザミ属の多年草で、日本固有種。本州中部地方の亜高山や高山に分布する。 草丈は1.5m前後になり、葉は互生する。葉は長楕円形で先が尖り、鋸歯がある。 ただし、葉の変異は大きく、羽状に切れ込むものから鋸歯のないものもある。 茎の先に数輪の頭花を横向きから下向きに付け、頭花は多数の紅紫色の筒状花からなる。 総苞片は斜上するか反り返り、粘らない。
2014/8/13
三本滝への通路脇で、沢に張り出すように咲いていました。 ここで見かけた本種の葉は、ほぼ全縁で鋸歯がなく、棘も無いようでした。 |
ノアザミ(Cirsium japonicum)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属> キク科・アザミ属の多年草で、在来種。 日本では、本州から四国、九州と比較的広範囲に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国にかけて分布する。 草丈は1m程になり、葉は羽状に裂け、鋭いとげがある。茎葉は茎を抱く。 茎の先に頭花を上向きに付け、頭花は多くの筒状花からなる。 総苞片は凹凸する程度で突出せず、粘りがある。
2014/8/13
一の瀬園地で本種がたくさん花を付けていました。 セセリチョウやミドリヒョウモンなど、多くのチョウが訪花していました。 |
カニコウモリ(Parasenecio adenostyloides)
<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・コウモリソウ属> キク科コウモリソウ属の多年草で、在来種。 日本では、本州の近畿地方以北と四国の亜高山帯の針葉樹林内、林縁に自生する。 草丈は1m程になり、葉は互生し、下部の葉ほど葉柄が長い。 葉は、腎形で不規則な浅い鋸歯があり、カニの甲羅に似るのが和名の由来。 葉の間から花茎を伸ばし、円錐花序に多数の白い頭花を付ける。 頭花は、3〜5個の両性の筒状花からなり、総苞片は3個。 筒状花は、花冠の先が5裂し、オシベが外に飛び出し、メシベの花柱は先端が2裂する。
2014/8/13
三本滝へ向かう途中、通路脇に群生していました。 長い花茎にたくさんの白い頭花を付けていましたが、未開花でした。 右端の写真で、中央に見えているのがカニコウモリの葉ですが、確かにカニの甲羅に似ていますね。 なお、左上に見えているのは、ヤグルマソウの根生葉です。 |
オタカラコウ(Ligularia fischeri)
<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・メタカラコウ属> キク科メタカラコウ属の多年草で、在来種。 日本では、本州福島県以南、四国、九州に分布し、山地から亜高山帯にかけての湿地に自生する。 海外では、朝鮮半島から中国、シベリア東部などに分布する。 草丈(花茎)は2mに達することもあり、根出葉はフキのように長い葉柄がある。 根出葉は心円形で50cm程になり、鋸歯がある。茎葉の葉柄は茎を抱く。 上部に総状花序を付け、多数の黄色い頭花を付ける。頭花の舌状花は、8個程ある。 メタカラコウに似るが、根出葉の基部が本種は丸いが、メタカラコウは尖る。 また、頭花の舌状花の数が、本種は8個ほどあるのに対し、メタカラコウは3個ほどしかない。
2014/8/13
三本滝からの帰路、通路脇の沢の斜面に群生していました。 舌状花の数にはかなりのばらつきがありますが、根出葉の形から本種としました。 |
マルバダケブキ(Ligularia dentata)
<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・メタカラコウ属> キク科メタカラコウ属の多年草で、在来種。 日本では、本州の中部地方から東北地方、四国では稀に見られる。 海外では、中国で広く分布する。 草丈(花茎)は1mを超え、根出葉はフキのように長い葉柄がある。 根出葉は心円形で40cm程になり、鋸歯がある。茎葉の葉柄は茎を抱く。 上部に散房花序を付け、10個程の黄色い頭花を付ける。頭花の舌状花は、10個程ある。 似たトウゲブキにある総苞や花柄の基部の苞は、本種にはない。
2014/8/13
一の瀬園地を散策中、木道脇の所々で見かけました。 周りに花がなかったので、遠くからでも黄色い花が目立っていました。 |
アキノキリンソウ(Solidago virgaurea var. asiatica)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・アキノキリンソウ属> <三本滝にて> <一の瀬園地にて> キク科アキノキリンソウ属の多年草。別名アワダチソウ(泡立草)。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。海外では、朝鮮半島に自生する。 草丈は80cm程になり、葉は互生する。基部の葉は先の尖った長楕円形で、茎頂では披針形となる。 茎頂に円錐花序を付け、黄色い頭花を多数付ける。 頭花は、中央の両性筒状花と周辺の雌性舌状花からなる。 総苞片は、ほぼ4列に並び、外片は短い。 和名は、秋にキリンソウに似た花を咲かせる事に由来する。別名は、花が泡立つように咲くことによる。
2014/8/13
三本滝からの帰路、駐車場の手前で何株か花を付けているのを見かけました。 後、一の瀬園地でも見かけましたが、こちらは大きく育ち、ちょっとした群落になっていました。 生育場所によって、同じ花とは思えないほど見かけが異なりますね。 |
カワラハハコ(Anaphalis margaritacea ssp. yedoensis)
<キク目・キク科・キク亜科・ヤマハハコ属> キク科ヤマハハコ属の多年草で、雌雄異株。 日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の河原などに分布する。 草丈は30cm以上になり、全体に細い毛が多いので、白っぽく見える。 葉は、細長く、裏面に巻き込むように丸くなり、裏面には白い綿毛が密生する。 枝先に小さな頭花を多数付け、総苞片は白色で薄く、花弁のように見える。
2014/8/13
一の瀬園地で見かけました。最初、乗鞍高原ということで、ヤマハハコだと思いました。 しかし、千畳敷きカールで見かけたものと比較すると、葉の表面が白っぽく見えます。 ヤマハハコの葉の表面は艶のある緑色で、カワラハハコは細い毛が多く、白っぽく見えます。 そのため、本種は、カワラハハコと判断しました。 |
ミツガシワ(Menyanthes trifoliata)
<キク目・ミツガシワ科・ミツガシワ属> ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布する。 海外では、北半球に広く分布し、「極地周辺植物」といわれるものの1つ。 山地や低地の沼地や湿地の水中に群生する事が多い。 草丈は数十cmで、葉は互生。葉は、3出複葉で、長い葉柄がある。 茎先に総状花序を付け、小さな白花を十数輪付ける。 花冠は5深裂し、裂片の内側に縮れ毛がたくさん付く。萼片は5本、オシベも5本。 メシベの花柱がオシベより長い長花柱花と、逆の短花柱花があり、結実するのは長花柱花である。 和名は、カシワ(柏)の葉に似た小葉が3枚あることに由来する。
2014/8/13
牛留池の休息所の前には、ミツガシワの大きな群落がありました。 既に花は終わり、葉もかなり傷んできていますが、オオルリボシヤンマの良い産卵場になっているようです。 |
ヤマオダマキ(Aquilegia buergeriana)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・オダマキ属> キンポウゲ科オダマキ属の多年草。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。 世界的には、温帯から亜寒帯の山地や林縁、草にに自生する。 萼片が赤褐色のヤマオダマキが最も広範囲に分布するが、本州中部にはキバナノヤマオダマキが多い。 5個の萼片は、先の尖った細長い花弁状で、その内側に5個の花弁が付く。 この花弁の基部は後に細長く伸び、やや内側に湾曲する。その先端は昇球状になる。 この距が長く伸びている様が苧環(麻糸などを巻く管)に似ていることが和名の由来である。 なお、ヤマオダマキは花弁が黄色で、萼片や距が赤紫色であるが、 萼片や距も黄色いものがキバナノヤマオダマキで、ヤマオダマキの変種とされている。
2014/8/13
一の瀬園地を散策中に見かけました。 ただ、距は赤褐色を帯びていますが、萼片は黄色(といっても花弁ほどではないが)です。 キバナノヤマオダマキとヤマオダマキの中間型といえる配色になっています。 距の色でヤマオダマキとしましたが、色の変異が多いので区別するのは難しいです。 |
ツクバトリカブト(Aconitum japonicum subsp. maritimum)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・トリカブト属> キンポウゲ科トリカブト属の多年草。本種は日本固有種で、ヤマトリカブトの亜種。 日本では、本州の東北地方南部から中部地方にかけて太平洋側に分布する。 草丈は1mを超え、茎は斜上する事が多い。葉は互生する。 葉は、3全裂し、さらに裂片には粗い鋸歯がある重鋸歯になる。 花茎の上部に散房花序をなし、青紫色をした兜形の花を付ける。 この花弁に見えるのは5枚の萼片(頂萼片、側萼片2枚、下萼片2枚)である。 膨らみのある2枚の側萼片は、オシベとメシベを抱くように付いている。 このオシベの基部から頂萼片の中に、2枚の花弁が伸び、丸まった距の中に蜜を分泌する。 そのため、花弁は外部から見ることはできない。 本種の特徴は、葉が3全裂することと、花柄に曲がった毛が密生する事である。 ドクウツギ、ドクゼリと並んで、日本三大有毒植物の1つで、全草にアコニチンなどを含む。 若芽が山菜のニリンソウと瓜二つで、混生する事があるので、誤食が起きやすい。
2014/8/13
三本滝からの帰路、沢沿いで花を付けている本種を見かけました。 ご覧の通り、まだ、ツボミの状態で、開花しているものはありませんでした。 葉が3全裂していること、花柄に屈毛が密生していることから本種としました。 ただ、トリカブト属は区別するのが難しいので、間違っている可能性はあります。 |
クガイソウ(Veronicastrum japonicum)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クガイソウ属> オオバコ科クガイソウ属の大型の多年草で、日本固有種。 日本では本州近畿地方以東に分布している。 近畿地方以西、四国、九州には、変種のナンゴククガイソウが分布する。 山地や高原の日当たりの良い草地に生育し、草丈は1m前後になる。 茎は円形で直立し、葉が輪生して何段にも付くことから「九蓋草」あるいは「九階草」の名がある。 茎の先に数十cmの細長い円錐状の花穂を付け、淡紫色の小花がたくさん付く。 花冠の先は4残裂し、裂片の先は尖る。オシベは2本で、花冠から長く飛び出る。 花と花序をつなぐ花序軸には短毛があるが、ナンゴククガイソウは無毛。
2014/8/13
一の瀬園地を散策虫、本種を見つけました。 花はほとんど咲き終わり、花穂の先端部分にいくらか花が残っている程度でした。 |
クルマバナ(Clinopodium chinense)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・トウバナ属> シソ科トウバナ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。 海外では、朝鮮半島にも広く分布している。 茎は四角形で、草丈は数十cmに達し、葉は対生する。 茎の上部に数段にわたって輪状に密集して花を付けるので、これが名前の由来。 花は唇形で長さ10o程。上唇は小さくて浅い切れ込みがあり、下唇は大きく3裂する。 雄しべは4本で、下の2本は長く斜上する。萼は長さ8oほどで、紅紫色を帯びることが多い。
2014/8/13
一の瀬園地を散策中、本種を見つけました。 数はそう多くはありませんでしたが、草原では良く目立ちます。 |
オカトラノオ(Lysimachia clethroides)
<ツツジ目・サクラソウ科・オカトラノオ属> サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全土に広く分布する。 海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 草丈は50〜100cm。葉は互生し、先の尖った長楕円形で、葉柄があって全縁。 茎先に総状花序を出し、白い小花を多数付ける。花冠は5深裂し、オシベは5本。 花穂は垂れ下がり、先の方で持ちあがる。この花穂の形状が虎の尾に似ているのが和名の由来。 なお、湿地に生えるヌマトラノオに対して、草原に生える本種に"オカ"が付けられた。
2014/8/13
善五郎の滝からの帰路、通路脇で見かけました。 花穂はあまり長くなく、虎の尾のように垂れ下るまでにはなっていませんでした。 |
ヤドリギ(Viscum album subsp. coloratum)
<ビャクダン目・ビャクダン科・ヤドリギ属> ビャクダン科ヤドリギ属の半寄生の小低木で、常緑樹。 日本では、北海道から本州、四国、九州で見られる。海外では朝鮮半島から中国に分布する。 本種の基亜種は、セイヨウヤドリギで、基亜種の果実が白く熟すのに対し、淡黄色に熟す。 宿主は、エノキ、ブナ、クリ、ヤナギ、サクラなど幅広い落葉高木。 葉は肉厚で対生し、茎は二股に分かれて伸びるので、先ほど枝数が多くなり、球状になる。 花は、目立たない黄緑色で、直径は数cmほどある。果実は液果で、種子は粘液に包まれている。 鳥に食べられた後、糞と共に放出されたとき、この粘液が枝にひっついて、その場で発芽する。 発芽したヤドリギは、茎に根を食いこませて、水分や養分を吸収する。
2014/8/13
一の瀬園地の散策からの帰路、木道脇の木で見かけました。 この季節、ヤドリギはあまり目立たないのですが、周りに葉がないので良く分かりました。 |
ヤグルマソウ(Rodgersia podophylla)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ヤグルマソウ属> ユキノシタ科ヤグルマソウ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する。海外では朝鮮半島に分布する。 草丈は1m程になり、根出葉は掌状複葉で5枚の小葉からなる。葉柄は長く、50cmに達する。 小葉は、逆三角形で、底辺に当たる部分が3〜5残裂する。茎葉は数個が互生し、短い葉柄がある。 1m程の花茎を伸ばし、先に円錐花序を付け、小花をたくさん付ける。 小花には花弁はなく、花弁に見えるのは萼片で、最初緑白色であるが、徐々に白色になる。 和名は、根生葉の形が、鯉のぼりの先に付ける「矢車」に似ていることに由来する。
2014/8/13
三本滝に向かう途中、通路脇で本種の根生葉を見かけました。 まだ、株が若いのか、根生葉が1枚のみ出ているものばかりで、花茎は見かけませんでした。 右側に見えているのはカニコウモリで、左下に見えているのはゴゼンタチバナです。 |
クルマバツクバネソウ(Paris verticillata)
<ユリ目・メランチウム科・ツクバネソウ属> メランチウム科ツクバネソウ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州の山地から亜高山帯の林下に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、カラフト、シベリアに分布する。 草丈は50cm以上になり、葉は、先の尖った長楕円形で全縁、6〜8枚が輪生する。 花は直径5cm程あり、緑色の外花被片(萼片)は4個。披針形で長さ数cmある。 内花被片(花弁)も4個あり、糸状で黄色を帯びる。 オシベは8〜10個で、葯は5mm以上あり、葯隔長く突き出す。 メシベの花柱は4深裂する。
2014/8/13
三本滝に向かう途中、通路脇で本種を見かけました。 このときはじめて見たのですが、これが花とは思えませんでした。 後で調べて、本種と分かったのですが、残念ながら、花後のようです。 黒い子房が大きくなり、オシベは茶色く変色していました。 しかし、外花被片、内花被片、オシベは原形を留めており、花の雰囲気は残っていました。 |
オオバタケシマラン(Streptopus amplexifolius)
<ユリ目・ユリ科・タケシマラン属> ユリ科タケシマラン属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州中部以北の亜高山帯から高山帯の林内に自生している。 海外では朝鮮半島から中国、アムール、カムチャッカ、シベリア東部から北アメリカに分布している。 茎は1mくらいにまでなり、途中で数度分枝してジグザグに伸びる。 葉は互生し、10cm程の長楕円形で、先端は尖る。葉柄はなく、全縁で基部は茎を抱く。 葉腋から花柄を伸ばし、花を1個付ける。花柄には関節があり、ねじれて下向きに淡緑色の花を付ける。 6個の花被片は、広鐘形で先は反り返る。花被片の内側には赤い模様がある。 オシベは6本で、メシベは花被片より飛び出す。 楕円形の果実は、熟すと真っ赤になりよく目立つ。
2014/8/13
三本滝からの帰路、通路脇に赤い果実が目に付きました。 名前が分からなかったので、後で調べると、果実の形や葉の形状から本種と分かりました。 |
タケシマラン(Streptopus streptopoides subsp. japonicus)
<ユリ目・ユリ科・タケシマラン属> ユリ科タケシマラン属の多年草で、日本固有種。 日本では、北海道から本州中部以北の亜高山帯から高山帯の新葉樹林内に自生している。 草丈は50cm以下で、概ね2本に分枝する。 葉は互生し、10cm以下の卵状披針形で、先端は尖る。葉柄はなく、全縁で基部は茎を抱かない。 葉腋から真っ直ぐな花柄を伸ばし、花を1個付ける。花柄には淡紅色の花を1個付ける。 6個の花被片は、基部から反り返り平開する。花被片の内側には赤い模様がある。 オシベは6本で、メシベは花被片より飛び出さないbr> 球形の果実は、熟すと真っ赤になりよく目立つ。
2014/8/13
三本滝からの帰路、通路脇でオオバタケシマランを見かけましたが、本種も直ぐ側にありました。 どちらも赤い果実をぶら下げていましたが、本種の果実は球形に近い形です。 名前が分からなかったので後で調べ、果実の形、葉の基部が茎を抱いていないことから本種としました。 |
コオニユリ(Lilium leichtlinii)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属> ユリ科ユリ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。 現在、市販されている「ゆり根」は、このコオニユリの栽培品種「白銀」がほとんどとのこと。 草丈は100〜150cmで、茎は直立する。茎には若い時には綿毛があるが、後に無くなる。 葉は互生し、長さ8〜15cmの狭披針形で、先は尖り、葉柄はない。 花期は7月〜9月で、茎の上部に数個〜10個ほどの花を下向きに付ける。 花の直径は10cmくらいまでで、花被片は6個。橙色の地に黒紫色の濃斑が多数ある。 花被片は大きく反り返り、長いオシベ6個とメシベ1個が突き出す。葯は黒紫色で大きい。 刮ハは、長さ3〜4cm程の円柱状で、6稜があり、熟すと3裂する。 良く似た花には、オニユリとクルマユリがあり、植物体の形状はオニユリとそっくりである。 ただ、大きな違いがあり、オニユリには暗紫色のムカゴがあるが、コオニユリにはない。 逆にオニユリは種子を作らないが、コオニユリは上記の通り種子を付ける。 そのため、コオニユリは実生から開花までに6〜8年を要し、オニユリは3年ほどで開花する。 クルマユリは花こそ似ているが、その葉が輪生しているので、植物体の見た目は大きく異なる。
2014/8/13
一の瀬園地を散策した帰路、木道脇で本種を見かけました。 オニユリに似ていますが、ムカゴが全くないので本種としました。 |
ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)
<ヒカゲノカズラ目・ヒカゲノカズラ科・ヒカゲノカズラ属> ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の多年草で、在来種。 日本では、沖縄以外の全国に広く分布する。 海外では、北半球の温帯から熱帯域の高山にまで広く分布し、変異が多い。 広義のシダ植物で、地表を這いまわるように広がり、針状の細い葉が、茎全体を覆うように付く。 茎には主茎と側枝の別があり、主茎は固く、匍匐茎となって2分枝しながら地を這う。 一方、側枝は短く、数回枝分かれし、主茎よりも葉を密に付ける。 夏、茎の所々から垂直に立ち上がる枝を出し、数回分枝して、先に胞子のう穂を付ける。 胞子のう穂は、長いもので10cmに達する円柱形で、胞子葉が密生したもので、淡黄色。
2014/8/13
あざみ池の周りをまわっているとき、岸近くを這っている本種を見かけました。 見たことがあるような、ないようなで、後で調べて本種と分かりました。 見た目、杉の枝が地面に落ちているような感じです。 ニョキニョキと立ち上がっている胞子のう穂は、まだ、胞子嚢は開いていませんでした。 中央写真の下部に見えているが側枝で、右端の写真で岩の上を這っているのが主茎です。 |
キンチャヤマイグチ(Leccinum versipelle (Fr.) Snell)
<イグチ目・イグチ科・ヤマイグチ属> イグチ科ヤマイグチ属のキノコで、夏から秋にかけてカバノキ科の樹木の下に発生する。 傘の表面は明るい茶色で、柄は白色で表面に黒色の鱗片が多数付く。 傘は、明るい茶色の半球形から、平らに開き、色も黄橙色に変わる。 イグチの仲間なので、傘裏がヒダではなく管孔であり、灰白色をしている。 ヨーロッパでは代表的な食用きのこ。日本でも、イグチの仲間は食用になるものが多い。
2014/8/13
善五郎の滝からの帰路、通路脇で見かけました。 傘の色が印象的なキノコですが、キノコには疎いので、後で調べました。 傘の色や柄の特徴から本種としましたが、食用になるとは思いませんでした。 |