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昇仙峡で見た野草



天神森バス停から昇仙峡ラインを奇岩などを見ながらゆっくりと登りながら撮った野草です。
道路脇から下に降りられる所は少ないので、撮影できた野草は少ないです。
時期的にタマアジサイの見頃だったようで、あちらこちらで可憐な花を咲かせていました。


ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キク目
キク科(ヒヨドリバナ)
キジカクシ目
ヒガンバナ科(キツネノカミソリ、ナツズイセン)
シソ目
シソ科(クサギ、クルマバナ、コムラサキ)
バラ目
バラ科(キンミズヒキ)
イラクサ科(クサコアカソ)
マメ目
マメ科(ヌスビトハギ)
ミズキ目
アジサイ科(タマアジサイ)
ミズキ科(クマノミズキ)
八ヶ岳山麓 原村近辺の野草
和名インデックス


タマアジサイ(Hydrangea involucrata)
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ族・アジサイ属・タマアジサイ亜節>
   
アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、在来種。
日本では東北地方南部(福島県)、関東地方、岐阜県までの中部地方に分布する。
山地の沢沿いや、湿り気のある林縁、道路の法面などに自生する。
装飾花は白色で大きさ30mm程、両性花は紫色で大きさ数mmで、花序は直径は15cmになる。
つぼみの大きさは直径15mm程で、開花に伴い包んでいた苞は、次々を落ちる。

2013/8/6
昇仙峡ラインの途中で見かけたタマアジサイです。
まだ、咲き始めたばかりですが、装飾花の白い萼片、両性花の淡い紫が、何とも上品です。
アジサイの園芸品種は実に多種多様で見栄えも良いですが、野生種の飾らない美しさも素晴らしいです。

   
2013/8/6
タマアジサイのつぼみから、開花したものまでいろいろな状態の花がありました。
それを時系列的に並べてみました。外側の苞からはがれて行くのが分かると思います。

クマノミズキ(Swida macrophylla)
<ミズキ目・ミズキ科・ミズキ亜科・ミズキ属>
   
ミズキ科ミズキ属の落葉高木で、樹高は10m程に達する。
日本では、本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ヒマラヤ、アフガニスタンに分布する。
枝先に、葉より高く散房花序を出し、小さな黄白色の花を密につける。
花弁は4枚で、長さ5mmほどの狭長楕円形をし、雄しべは4本、花柱は1本ある。
花序の枝は、花が咲く頃には緑色だが、果実が熟す頃になると赤くなる。
果実は核果で、直径5mm程になり、7〜10月に紫黒色に熟す。

2013/8/6
昇仙峡ラインの途中で、岸から張り出した枝にたくさんの果実を付けていました。
果実が熟し始めており、まだ若い果実から熟して黒く色付いたものまで、たくさん付けていました。

キツネノカミソリ(Lycoris sanguinea)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
   
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、在来種。明るい林床や林縁などに自生する。
日本では本州から四国、九州に、海外では朝鮮半島に分布する。
他の草が生えていない早春のうちに、葉を球根から直接出して球根を太らせ、夏には一旦葉を落とす。
8月の中旬頃に30cmほどの花茎を伸ばし、先端に幾つかの花を咲かせる。
赤橙色の花弁は6枚で、反り返るまでには開かない。オシベは花弁とほぼ同じ長さになる。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の方に降りて行く途中で見かけました。
周りに目立った花がなかったので、一際目を引きました。

ナツズイセン(Lycoris squamigera)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
 
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、有毒植物。
古い時代に中国から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。
和名の由来は、葉がスイセンに似ていて、花が夏に咲くことから付けられたもの。
花期に葉がないことから、別名「裸百合」とも呼ばれる。
日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布している。
秋から翌年の春にかけてスイセンに似た葉を出し、8月の地中旬から下旬に花を咲かせる。
地下に鱗茎を持ち、花期に鱗茎から60cmほどの花茎を1本伸ばす。
花茎の先に数輪のピンクの花を付け、6枚の花被片は反り返る。オシベは花弁より短い。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の近くで見かけました。大きな花なので目立ちます。
キツネノカミソリ同様、秋のヒガンバナより一足先に楽しめます。

ヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ属>
   
キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布する。
林道の脇、草原や渓流沿いなどの日当たりの良い場所に自生し、草丈は1m以上になる。
葉には短い柄があり、対生する。卵状長楕円形〜楕円形で、先は短くとがり、鋸歯がある。
上部の枝先に多数の頭花を付け、頭花は少数の白色の両性の筒状花からなる。
花冠の先は浅く5裂し、花柱の先が2分枝して長く伸びる。

2013/8/6
昇仙峡ラインの途中にあった、小さな草地で見かけました。
他に目立つ花もないので、地味な花ですが、それなりに気を引きます。

クサギ(Clerodendrum trichotomum)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・クサギ属>
   
シソ科クサギ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州のに分布し、日当たりのよい原野などに生える。
葉は大きく、葉柄も含めると30cmほどにもなり、柔らかくて薄く、毛が密集する。
シソ科の植物なので、葉に触ると一種独特な臭いがする。
白い花弁は、萼から長く突き出して、その先で開く。オシベとメシベはさらに突き出す。

2013/8/6
昇仙峡ラインの途中の道端で見かけました。
日の当たらない道路脇から川の方にせり出すように咲いていました。
花自体はそれほど大きくはありませんが、まとまって咲いているので目に付きます。

クルマバナ(Clinopodium chinense)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・トウバナ属>
   
シソ科トウバナ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。
海外では、朝鮮半島にも広く分布している。
茎は四角形で、草丈は数十cmに達し、葉は対生する。
茎の上部に数段にわたって輪状に密集して花を付けるので、これが名前の由来。
花は唇形で長さ10o程。上唇は小さくて浅い切れ込みがあり、下唇は大きく3裂する。
雄しべは4本で、下の2本は長く斜上する。萼は長さ8oほどで、紅紫色を帯びることが多い。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の方に降りて行く途中で見かけました。
小さな花ですが、咲いている花が少ないので、気を引きます。

コムラサキ(Callicarpa dichotoma)
<シソ目・シソ科・ムラサキシキブ属>
 
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
自生しているものは少なく、公園や庭などに植生されているものが多い。
樹高は2m程になり、枝先は垂れ下る。葉は対生し、その葉腋上部から集散花序を出す。
淡紅紫色の花冠は長さ3mmほどで、上部は4裂し、裂片は平開する。
果実は3mm程の球形で、初め緑色であるが、熟すに従い鮮やかな紫色になる。

2013/8/6
昇仙峡ラインの終点近くの民家の脇で見かけました。
おそらく観賞用に植えられたものだと思われます。
コムラサキといえば紫色の果実が思いだされますが、ピンクの花もきれいです。

キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・ワレモコウ連・キンミズヒキ属>
   
バラ科キンミズヒキ属の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山野に自生する。
草丈は50cm以上で、1mを超える場合もある。葉は互生し、奇数羽状複葉。
茎の上部は枝分かれし、花柄の短い総状花序を付ける。
花は直径10mmほどで、黄色の5花弁。オシベは10本前後あり、メシベは2個ある。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の方に降りて行く途中で見かけました。
小さな花ですが、咲いている花が少なく、他に黄色い花はなかったので、目に付きます。

クサコアカソ(Boehmeria tricuspis var. unicuspis)
<バラ目・イラクサ科・カラムシ連・カラムシ属>
   
イラクサ科カラムシ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と各地に分布する。
海外では、中国に自生する。
道や林縁のやや湿った所に生育し、草丈は1m前後になる。
アカソに似て葉柄は赤いが、葉が小さく、葉先は3裂せず、尾状に尖る。
葉腋から長い花柄を伸ばし、上部の葉腋に球状にまとまった赤褐色の雌花序を穂状に付ける。
下部の葉腋には黄白色を帯びた穂状の雄花序をつける。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の方に降りて行く途中で見かけました。
花らしい花ではないのですが、赤みを帯びた長い尾状の雄花序が目に止まりました。
左端は雄花序を拡大したもので、中央の写真の左上の細いのが雌花序、右下の太いのが雄花序です。

ヌスビトハギ(Desmodium podocarpum subsp. Oxyphyllum)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ヌスビトハギ亜連・ヌスビトハギ属>
 
マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布している。
草丈は1m前後になり、根元はやや木質化する。葉は、3小葉からなる。
淡紅色の花は、細長い花序にまばらに付き、花期は7〜9月。
節果は、2個の小節果よりなり、半円形。
その形が盗人の抜き足差し足の足跡に似るのが、和名の由来。

2013/8/6
「昇仙峡園地」の方に降りて行く途中で見かけました。
通路脇から撮ってくれと言わんばかりに、花茎を突き出していましたので、撮ってしまいました。
節果は、いわゆるくっ付き虫で、秋には側を通る人にくっ付いて運ばれていくのでしょう。











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