新宿御苑で見られた植物
和名インデックス |
アオキ(Aucuba japonica)
<ガリア目・ガリア科・アオキ属> ガリア科アオキ属の常緑低木で、日本固有種。 日本では、北海道南部から本州、四国、九州、南西諸島の森林に自生し、日陰でも良く育つ。 樹高は、2m程で、常緑で枝も青い。それが和名の由来ともなっている。 雌雄異株で、花期は3月〜5月。枝先に円形花序をだし、紫褐色の花弁は4枚。 雄花は、雌花より多く付き、4本のオシベが特徴。雌花には下部に子房があり、オシベが退化してない。 果実は楕円形で、秋頃から赤く熟し(黄色や白に熟すものもある)、翌年の5月頃まで付いている。
2016/4/3
下の池近くで見かけたアオキの雌株です。 果実が見られるので、どこかに雄株もあるはずですが、近くには見当たりませんでした。 | |
シャガ(Iris japonica)
<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属> アヤメ科アヤメ属の多年草で、中国原産であるが、かなり古い時代に日本に入ってきた帰化植物。 アヤメの仲間では咲きだすのが早い方で、アヤメやハナショウブより早く咲きだす。 日本では本州から四国、九州に分布するが、結実しないので、人為的に植栽されたものと思われる。 根茎は短く横に這い、群落を形成する。葉は光沢のある緑色で、長さ40〜60cmほどの剣型の単面葉。 花期は4月〜5月で、長さ30〜60cm程の花茎を立ち上げ、先で分枝して淡紫色の花を付ける。 花は直径5cm程で、倒卵形の外花被片、少し小さいへら型の内花被片は各々3個で、平開する。 外花被片には中央に橙色の斑と鶏冠状の突起、それを囲むような青色の斑があり、縁は細かく切れ込む。 内花被片の先は、浅く2裂する。オシベは3個、メシベの花柱の陰に隠れている。 メシベの花柱の裂片は先が2裂し、さらに細かく裂けて、中央に立ち上がっているので花弁のように見える。 花は1日花で、開花翌日にはしぼんでしまう。日本のシャガは三倍体のため結実することはない。
2007/4/1
新宿門に向かう途中、通路脇で見かけたシャガです。 アヤメの仲間では早く咲きだしますので、この時期でも花が楽しめます。 | |
ゲッケイジュ(Laurus nobilis)
<クスノキ目・クスノキ科・ゲッケイジュ属> クスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木で、雌雄異株。 地中海沿岸が原産地で、日本には明治時代に移入されたとされている。 葉にはシネオールと呼ばれる芳香成分が含まれ、葉を乾燥させたものは香辛料のローリエである。 地中海沿岸の乾燥気候に適応して葉は硬く丈夫で、普通、葉の周辺は規則正しく波打つ。 4月〜5月に、葉腋に小さな黄白色の花を付ける。花被片は4個。 雄花のオシベは8〜12個あり、雌花にはメシベと仮オシベが4個ある。 雄花の内側のオシベと、雌花の仮メシベの内側に、黄色い腺体が付く。 古代ギリシアでは若枝を編んで「月桂冠」とし、勝利と栄光のシンボルとして勝者等の頭に被せた。
2016/4/3
ゲッケイジュの雄株が花をたくさん付けていました。 ここなら雌株に会えるかと近くを探したのですが、会えませんでした。 ゲッケイジュの雌株はあまり見られないので、期待したのですが残念でした。 | |
ハチジョウキブシ(Stachyurus praecox var. matsuzakii)
<クロッソソマ目・キブシ科・キブシ属> 2016/4/3 2015/4/4 2015/4/4 .
キブシ科キブシ属の落葉低木で、日本固有種。日本全国に分布するキブシの地域変種とされる。
本州の関東地方南部、東海地方、伊豆諸島の海岸線近傍の山野に分布する。 樹高は3〜5mで、株立ちで細い幹が叢生し、よく分枝する。樹皮は褐色だが、皮目が白い斑点状になる。 葉は互生し、長さ6〜12cmの卵状楕円形で、先は鋭く尖り、基部は円形。 葉の表面は濃緑色で、裏面は淡緑色をしており、葉の縁には鋸歯がある。 ハチジョウキブシの葉は、キブシより大きくて厚く、毛がないのが特徴。 雌雄異株で、花期は3月〜4月。葉の展開に先立ち、前年枝の葉腋から、穂状花序を下垂させる。 花は長さ6〜9mmの釣鐘型の4弁花。萼片は4個で、外側の2個は小さく、内側の2個は花弁状大きい。 雄株の雄花序には、淡黄色の花を多数付け、オシベ8個、オシベより短いメシベは1個。 雌株の雌花序には、淡黄緑色の花を多数付け、メシベが花弁より突き出て、オシベは退化している。 花序は、キブシよりも長くなり、雄花序では倍近い20cm超になる。雌花序は雄花序より短い。 果実は直径10mm前後の液果で、総状に付き、秋に黄褐色に熟す。 キブシの果実は楕円形であるが、ハチジョウキブシは更に細長い長楕円形で、大きい。
2016/4/3
新宿門を入って少し進んだところで、ハチジョウキブシが長い花序をたくさん垂れ下げていました。 この木は雄株のようで、花の中にオシベの葯とメシベの柱頭が確認できます。
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セントウソウ(Chamaele decumbens)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・セントウソウ属> セリ科セントウソウ属の多年草で、日本固有種。 国内では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 草丈は10〜20cmほどで、根茎は短く分枝して株立ちとなる。 根生葉を多数出し、葉柄は紫色を帯びる。葉身は1〜3回3出羽状複葉で、細かく裂ける。 花期は4月〜5月で、花茎を伸ばして複散形花序を付ける。苞葉はない。 個々の花は小さく、直径3oほどの白花。花弁は5個で、白いオシベも5本で、外に突き出る。
2016/4/3
下の池の辺にある通路脇で見かけたセントウソウの花です。 草丈も低く、極小さな花で目立たないので、足を止める人は見当たりませんでした。 | |
ミツバツツジ(Rhododendron dilatatum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・ツツジ亜属・ミツバツツジ節・ミツバツツジ列> ツツジ科ツツジ属の落葉低木で、在来種。 日本では、関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布する。 樹高は1〜3mで幹は灰褐色。葉は長さ5p前後の菱状広卵形で、枝先に3枚輪生する。 花期は4〜5月で、他のツツジより花期は速く、花後に葉が展開する。 紅紫色の花は、直径4cmほどあり、オシベは5本と、他のミツバツツジ類の10本より少ない。 自然分布では、主にやせた尾根や岩場、里山の雑木林などに自生するが、その数は少ない。 ただ、古くから庭木として植栽され、身近で見られものの多くは植栽されたもの。
2016/4/3
ツツジ山の近くで、紅紫色のミツバツツジが満開になっていました。 他のツツジより早咲きのミツバツツジは、ちょうどこの桜の頃に見頃を迎えます。
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ヒサカキ(Eurya japonica)
<ツツジ目・モッコク科・ヒサカキ属> モッコク科ヒサカキ属の常緑低木で、在来種。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に、海外では朝鮮半島から中国に分布する。 樹高は4〜8mで、樹皮は灰褐色。浅く縦裂する。 葉は互生し、長さ3〜8pの長楕円形で先が尖り、光沢があって、縁には鈍鋸歯がある。 花期は3月〜4月で、雌雄異株とされるが、両性花を付けるものもあり、明確ではない。 葉腋に花を下向きに1〜5個束生するが、雄花、雌花、両性花が混在することも多いらしい。 つぼみの内は、萼と同じ黒紫色で、開花すると花弁は淡黄白色か淡紅色になる。 雄花は、直径5mm前後で、オシベは12〜15個ある。 雌花は、直径3o前後の先の広がったカップ状で、花柱は先が3裂する。 果実は液果で、直径5mmほどの球形で、熟すと黒くなる。
2016/4/3
新宿門を入って少し進んだところで、通路脇にヒサカキがたくさん花を付けていました。 この花は雄花ですが、花期は終わりに近いようで、大半の花の花弁は茶色く枯れかけていました。 | |
クサイチゴ(Rubus hirsutus)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・キイチゴ属> 2007/4/1 2016/4/3 .
バラ科キイチゴ属の落葉小低木で、在来種。
日本では、本州から四国、九州の山野に普通に自生している。 海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 草丈は高くても50cm程度で、それほど高くならない。 茎や枝には短い軟毛や腺毛があり、細かい棘がまばらにある。 葉は互生し、長さ15cmほどの奇数羽状複葉で、小葉は1対か2対。 頂小葉は、長さ5p前後の卵形で、小葉の縁には細かい重鋸歯がある。 葉の表面には軟毛が、裏面の葉脈上には軟毛と細かい棘がある。 葉柄には、軟毛と腺毛が混生し、細かい棘がある。 花期は4〜5月で、直径4cmほどの白い花を付ける。 花柄や萼の外側にも軟毛と腺毛が混生する。 果実は、直径1p程の球形の集合果で、1ヶ月ほどで赤く熟す。
2016/4/3
レストハウスに向かう途中、通路脇で見かけたクサイチゴです。 ちょっとした群落を作っていて、あまり目立ちませんが白い花をたくさん付けていました。 | |
ゲンペイモモ(Prunes persica 'Genpei')
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・サクラ属> 2005/4/10 2004/3/28 2006/4/1 2008/3/30
バラ科サクラ属の落葉性低木で、中国北部が原産地。
モモが渡来したのは弥生時代と言われ、観賞花木として普及したのは江戸時代である。 現在栽培されている園芸品種の多くが、江戸時代に作出されたものである。 観賞樹として改良されたハナモモには、立木性、枝垂れ性、ほうき立ち性、矮性などがある。 花には、桃色、赤色、白色、紅白咲き分けがあり、一重咲き、八重咲きがある。 ゲンペイモモ(源平桃)はその1種で、八重咲きの咲き分け品種である。 樹高は、1〜8mであるが、栽培品は高さを数mに抑えているものが多い。 葉は互生し、長さ7〜16cmの長楕円形で先が尖り、粗い鋸歯がある。 花期は3月〜4月で、3〜5cmの花を多数付け、本種は紅、白、絞り咲きの3色咲き。
新宿御苑に行く度、毎回のように立ち寄るレストハウスのテラスで、ゲンペイモモを見ています。
1本の木に、白、ピンク、紅に白と紅の絞り咲きが、枝毎や花毎に混在しています。 これを源平咲きというそうですが、梅と桃にはありますが、桜にはないそうです。 | |
サクラ(Cerasus)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・スモモ属・サクラ亜属> 2008/3/30 <ソメイヨシノ> <オオシマザクラ> <八重オオシマザクラ> <シダレソメイヨシノ> <アメリカ> <ヨウコウ> . <ウコン> <ヤエザクラ> <?> . <シダレザクラ> <ヤエベニシダレ> バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、日本では観賞用として多くの品種が作出された。 日本には、固有種、交配種を含め、おおよそ600種の品種が確認されている。 その花は、白色や淡紅色から濃紅色と多彩な花色があり、各々一重や八重のものがある。 そのため、花から品種を確認するのは、特徴のあるもの以外は、困難である。 果実を食用とするほか、花や葉の塩漬けも食品などに利用される。 とくに江戸末期に出現したソメイヨシノ(染井吉野)は、明治以降、日本全国各地に広まった。 開花期は種により、また地域によるばらつきが大きい。 1月の沖縄のカンヒザクラに始まり、ヤエザクラやカスミザクラが5月上旬まで花を咲かせる。 北海道では、さらに遅く咲くものもある。また、フユザクラなど冬に咲くものもある。
新宿御苑には多くの種類の桜が植えられており、その咲く時期もバラバラです。
もちろん、ソメイヨシノも多くあるので、その咲く時期にお花見客が殺到します。 この時期には早咲きの緋寒桜や河津桜などは終わっていますし、遅咲きの桜はまだツボミです。 それでも、白いオオシマザクラや濃いピンクの陽光など、いろとりどりの桜を楽しむことができます。 ゆっくり鑑賞したいと思ったら、ソメイヨシノの開花時期を外すのも良いかもしれません。 遅い時期だと、遅咲きのヤエザクラの仲間が楽しませてくれるのではないでしょうか。 | |
リキュウバイ(Exochorda racemosa)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ヤナギザクラ属> バラ科ヤナギザクラ属の落葉低木で、中国の中南部が原産地。 葉は互生し、楕円形。薄目の葉で、裏面は白っぽい。 花期は4月〜5月で、枝先に総状花序を付け、直径3cm程の白い花を付ける。 花弁は5枚で、オシベはたくさんあり、メシベの花柱の先は5裂する。 庭や公園に植栽されることが多く、茶花としても利用される。
2016/4/3
ツツジ山の近くで、リキュウバイが満開になっていました。 ツツジはまだツボミが固い状態でしたが、紅紫色のミツバツツジと白い本種が一際目を引きます。 | |
シロヤマブキ(Rhodotypos scandens)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ヤマブキ連・シロヤマブキ属> バラ科シロヤマブキ属の落葉低木で、在来種。 自生するものは少なく、絶滅危惧種種に指定されている。 日本では、中国地方にのみ自生しているが、観賞用に全国の公園や庭木として植栽されている。 海外では、朝鮮半島から中国に分布している。北アメリカ東部に帰化して、増えている。 草丈は1〜2mになり、幹は褐色で、若い枝は緑色で無毛。 葉は対生し、長さ10p前後の長卵形で、基部はやや心形で、先は鋭く尖る。 葉の縁には鋭い重鋸歯があり、若い葉の裏には絹毛がある。古くなると脈上のみに残る。 葉表にも毛があるが、古くなると無くなる。葉柄は有毛で、長さは数o。 花期は4月〜5月で、新しい側枝の先に直径4cm前後の白花を付ける。 花弁は4個で広円形。花柱は4個で、オシベは多数ある。 萼片は長さ15oほどの狭卵形で、萼片の間には小さな副萼片があり、線形で長さは数oほど。 萼片の縁には鋸歯があり、萼片や副萼片、花柄には白い軟毛がある。 果実は痩果で、長さ7o前後の楕円体。4個が集まって付き、秋に黒く熟して光沢がある。
2015/4/4
そろそろ花が咲いていてもおかしくない時期ですが、開花はもう少し先のようです。 右の写真の右下に白いものが見えていますが、ほころび始めたツボミで、白い花弁が覗いています。 それ以外は、真っ黒に熟した昨年の果実ばかりが目立ちます。 | |
ヤマブキ(Kerria japonica)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ヤマブキ連・ヤマブキ属> バラ科ヤマブキ属の落葉低木で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の山地や谷川沿いなど、湿った所に自生する。 海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 樹高は1〜2mになり、株立ちになり、新枝は緑色で稜がある。 茎や枝は時間と共に褐色となり、数年で枯れる。 葉は互生し、長さ6cm前後で1cmほどの葉柄がある。長卵形で、先は鋭く尖り、縁には重鋸歯がある。 花期は4〜5月で、新しく出た短い側枝の先に、黄色い花を1個付ける。花には一重と八重がある。 花は直径4cm前後で、倒卵形の花弁の先はわずかに凹む。オシベは多数あり、花柱は5〜8個ある。 萼筒は杯型で、萼片は4mmほどの楕円形。 萼筒は果期にも残り、その中に痩果が数個付く。9月頃に暗褐色に熟す。 一重のものは結実するが、オシベが変化して花弁になった八重咲きは結実しない。
2007/4/1
ヤマブキが黄色い花をたくさん咲かせていました。 目立つ色なので、遠目でも咲いていることが良く分かります。 | |
カヤ(Torreya nucifera)
<マツ目・イチイ科・カヤ属> イチイ科カヤ属の常緑針葉樹で、在来種。雌雄異株。 日本では東北地方から屋久島にかけての分布し、群馬県、福島県あたりが北限となる。 海外では、朝鮮半島に分布する。これらの地域では、暖帯林や山地に散生する。 樹高は15〜35m、周囲は3mほどになり、幹は直立して樹冠は幅の広い円錐形になる。 耐陰性が強く、日当たりの悪い樹林内部でも育つ。成長は極めて遅いが寿命は長い。 枝は対生し、側枝は三叉状に伸びる。樹皮は灰褐色から褐色で縦に裂ける。 葉は枝に2列に付き、長さ2〜3cm、幅2〜3oの線形で、先は鋭く刺状に尖る。 葉は革質で硬く、表面は濃緑色で光沢があり、裏面には白い気孔帯が2本ある。 花期は4月〜5月で、雄花は長さ1cmほどの楕円形で、前年に出た葉の付け根に付く。 雄花は淡黄緑色をしているが、花期になると白褐色になって花粉を出す。 通常、雌花は緑色をした球形で、新枝の基部、葉の付け根に2個付く。 しかし、結実するのはそのうち1個のみである。種子は青い仮種皮で覆われている。 成熟するには1年半かかり、受粉した翌年の秋に成熟し、仮種皮が割れて茶褐色の核が出てくる。
2016/4/3
カヤの葉の裏側に、淡黄褐色の花がびっしりと付き、咲いていました。 このカヤは雄株のようで、咲いているのは雄花です。 | |
ニワトコ(Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta)
<マツムシソウ目・レンプクソウ科・ニワトコ属> レンプクソウ科ニワトコ属の落葉小高木で、在来種。 日本では、本州から四国、九州、奄美大島に分布する。 海外では、朝鮮半島南部、中国に分布する。 樹高は2〜6mで、下部からよく分枝し、枝は独特な弧を描く。 幹は黒褐色で、古い樹皮には厚いコルク質があり、深いひび割れが入る。 若枝は緑色で、2年枝になると灰褐色になり、褐色の丸い皮目がある。枝には太い髄がある。 葉は対生し、奇数羽状複葉で長さが10〜30cm、花の付かない枝ではさらに長くなる。 小葉は、花の付く枝では2〜3対、花の付かない枝では3〜6対となる。 小葉は長さ3〜10cmの楕円形で、先が鋭く尖り、基部は円形。短い葉柄があり、縁は細鋸歯。 花期は4月〜5月で、今年枝の先に長さ10cm、直径10cmほどの円錐花序を付け、多数の小花を付ける。 花冠は直径3〜5oで5深裂して反り返り、黄白色のものが多いが淡紫色のものもある。 オシベは5個で、花弁より短い。メシベの柱頭は暗赤色で3裂し、子房は鐘状。 果実は長さ3〜4oの卵形の核果で、熟すと暗赤色になる。
2016/4/3
新宿門を入って少し進んだ所で、ニワトコが花序を立ち上げ、花をたくさん付けていました。 アップで撮影していなかったので、花の部分を強拡大しました。そのため、ちょっと不鮮明です。 花はちょっと地味ですが、その果実は赤く熟し、花の頃とは違った印象を受けます。
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ユリノキ(Liriodendron tulipifera)
<モクレン目・モクレン科・ユリノキ亜科・ユリノキ属> 2015/4/4 2016/4/3
クレン科ユリノキ属の落葉高木で、北アメリカ中部原産。
日本へは明治時代初期に渡来し、公園樹、街路樹として全国で利用されている。 原産地では、樹高は60mを超える大型種だが、日本では多くは20〜30m程度。 花は両性花で、開花期は5〜6月。 花弁は9弁、花径は5〜6センチでクリーム色にオレンジの斑が入り、形はチューリップに似る。 外側の3枚の萼片(花被片との記載もある)は花の下まで反り返り、内側の6枚の花被片がチューリップ状になる。 その中央に、らせん状に付いたメシベと、それを取り囲むように多数のオシベが付く。 なお、ユリノキは重要な蜜源植物であり、良質の蜂蜜が採れる。 東京国立博物館本館前庭に巨木があり、そこに下記のように記されている。 「明治8、9年頃渡来した30粒の種から育った一本の苗木から明治14年に現在地に植えられた」 同じ時期に新宿御苑にも植えられたようで、樹齢100年を超える巨木になっています。
2016/4/3
ユリノキの巨木に今年のツボミが大きく膨らんできていました。後1ヶ月ほどで開花するでしょう。 そのツボミの側には、昨年の果実の残骸(種子が飛んで最外部のみ残る)がたくさん残っています。
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モミジバスズカケノキ(Platanus x acerifolia)
<ヤマモガシ目・スズカケノキ科・スズカケノキ属> スズカケノキ科スズカケノキ属の落葉高木で、スズカケノキとアメリカスズカケノキとの交配種。 樹高は10〜35mで、幹の直径は1m以上になる。 樹皮は、淡灰褐色あるいは灰緑色で、大きく不規則に剥がれ、その跡が淡緑灰色の不規則な模様となる。 幹は直立するが、主幹と枝の区別が明瞭でなく、卵型の樹形となる。 葉は互生し、葉身は長さ10〜20cm、葉幅はそれ以上で、掌状に3〜7裂し、縁に粗い鋸歯がある。 なお、葉の切れ込み深さは、スズカケノキ>モミジバスズカケノキ>アメリカスズカケノキの順に深い。 新枝の葉には托葉がよく発育し、枝を取り巻いて鞘状になる。 花期は4月〜5月で、雌雄同株、雌雄異花。枝先に長い柄のある球状花序が1〜2個下垂する。 萼片、花弁(雌花のみ)、オシベ(雌花は仮オシベ)は、各々3〜4個のものが多い。 メシベは先が赤褐色で、5〜8個が離生し、花柱の内側が長い柱頭となる。雌花の球状花序は赤みを帯びる。 オシベは葯の先が有毛のため、全体が毛玉のように見える。 なお、雌花の球状花序は枝先側に付き、雄花の球状花序は、雌花より基部側に付く。 果実は閉果が多数集まった集合果で、直径は4cm前後になり、1つの花柄に1〜2個付く。 なお、スズカケノキでは集合果が3〜5個、アメリカスズカケノキでは1個である。
2015/4/4
モミジバスズカケノキがたくさんの球状花序をぶら下げていました。 モミジバスズカケノキというよりは、プラタナスの名前の方が馴染みがあるかもしれませんね。 上段左側の写真で、左下の褐色の球状花序が雌花で、それ以外の緑色がかったものは雄花と思われます。 下段左側の写真は、中央の写真の一部を拡大したものですが、髭状のものは葯の先の毛だと思われます。 下段右側の写真は、上段の写真の一部を拡大したもので、昨年の果実がまだぶら下がっていました。 |