早春の利尻島と礼文島を巡る旅
1日目 インデックス |
宗谷岬へ
最終日は、鴛泊港からフェリーで稚内に戻り、最北の地、宗谷岬に向かいます。
昨日はよく見えていた利尻岳ですが、今日はすっかり雲の中で、全く見えません。 稚内港について、直ぐ近くにある稚泊航路記念碑へ。樺太との定期航路の後だそうです。 この後、港近くで早めの昼食を取り、一路、宗谷岬に向けて出発しました。 フェリーから見た利尻島ですが、見えているのは標高数十mまでで、それ以上は霧の中でした。 バスガイドさんが言っていた、「利尻岳が良く見えるのはラッキー」の意味を改めて実感した次第。 稚内港の直ぐ近くにある稚泊航路記念碑、その側にある特異な形状の北防波堤ドームです。 外からはギリシャ風の柱列にしか見えませんが、内部は右の写真の通り、ドーム状になっています。 これは、波が荒く、防波堤に打ち寄せる波に飲まれる人がいたため、その対策として造られた形状とのこと。 夏には、風雨がしのぐため、バイクなどで旅をする人たちの寝泊まりする場所になっているとのこと。 このとき、北防波堤ドームの側には、2隻の巡視船が停泊していました。 稚内海上保安部に所属する巡視船「りしり(PL11)」と「もとうら(PM12)」です。 港に戻って、その近くにある北市場の2階で昼食。 昼食場所の裏手には稚内駅があり、最北端の線路の碑が、外部と内部にありました。 そうこうしている内に出発の時間となり、宗谷岬に向けて出発です。 稚内から宗谷岬へは海沿いを走りますので、左手には稚内、右手には宗谷岬が見えます。 この辺りはまだ日本海で、宗谷岬でオホーツク海に変わります。 ※ 正確には、サハリン南端のクリリオン岬と北海道北端の宗谷岬とを結ぶ線が境界線 宗谷岬に近づいたところで、時間があるとかで新しくできた脇道に寄ってくれました。 登る途中には、笹などが生い茂る丘陵が見られ、登りきると遠くに残雪の残る丘と風力発電機が見えます。 さらに進むと残雪が所々に残る広大な草原に出ました。この付近で見られる普通の風景とのこと。 牧草地になっていて、5月末くらいから放牧が始まるそうです。 そして、宗谷岬の道標で左折して、海岸に下っていきました。 宗谷岬では、いろいろなモニュメントが見られます。 駐車場より一段高くなっている宗谷丘陵にあるモニュメント群で、バスが坂を下る途中で見られました。 左端の写真の左に見えているのは「ラペルーズ顕彰記念碑」です。 日本では、宗谷海峡と言いますが、世界的にはラペルーズ海峡というのが一般的な呼称です。 1787年にフランス海軍士官ラペルーズ伯爵が、初めて宗谷海峡を通過してから220年が経った記念だそうです。 その右と、中央の写真の中央に見えている人物像は「あけぼの像」で、天北酪農の夜明けを象徴しているとのこと。 中央の写真の右に見えているのは「世界各都市までの方角と距離を示した道標」で、石垣島までは2,849kmだそう。 左端の写真の左に見える建屋のようなものは「大岬旧海軍望楼」で、ここで海峡の監視をしていたそうです。 中央に見えているのが「平和の碑」で、太平洋戦争の犠牲者を慰霊するため、日米合同で建立されたものです。 右端に見えているのが「宗谷海域海軍戦没者慰霊碑」で、宗谷防備にあたり殉職した人々の慰霊碑です。 駐車場を降りて、最初に訪れる場所になるのが、このモニュメントでしょう。 宗谷岬が日本最北端の地であることを示していますが、実際の最北の地は、その先に見えている島のようです。 右は、宗谷岬とサハリンの位置関係を示したもので、その距離は43kmしかありません。 残念ながら、この日は海上に雲が広がっていて、その姿は見えませんでした。 「宗谷岬」の歌碑と、間宮林蔵の銅像、土産物屋さんの正面玄関です。 この土産物屋さんの奥の方に、流氷の保存されている流氷記念館があります。 流氷の実物は見たことがないので、保存されている流氷を見に行ってきました。 流氷が溶けないようにするため、室温は氷点下12.5℃。久しぶりに味わう寒さです。 TVでしか見たことがなかった流氷ですが、実物を初めて見た印象は、想像以上に分厚いでした。 |
旭川空港へ
宗谷岬を出発すると、後は、来た道を戻って旭川空港に戻るだけです。
来た時には日本海側へ抜けたのですが、帰りはオホーツク海側から日本海側へ曲がった所へ戻ります。 宗谷岬を出発後、間もなく出くわしたキタキツネです。前席の方が見つけて、バスガイドさんからアナウンス。 アナウンスされた頃には横を通過していたので、前席の方以外は見られなかったかもしれません。 幸い、私は最後尾の席に居たので、後ろの窓越しに撮影できました。 以前、一度見かけたことがあるのですが、今回見たキタキツネは、以前見たものより大きいと感じました。 キタキツネを見かけた少し後、今度はエゾジカがミズバショウの咲いている湿地にたたずんでいました。 その後、海岸線を走っていると、波打ち際にカモメの大きな群れを見かけました。 100羽以上いるのではと思えるほどで、この大群で何を狙っているのでしょう。 後で拡大してみると、ウミネコとオオセグロカモメが混じっているようでした。 その先で、海岸沿いにあるホタテの加工場脇を通過しました。 そこには、高さが10m前後はありそうな巨大なホタテ貝の貝殻塚が出来ていました。 いったいどれくらいのホタテガイの貝殻が捨てられているのでしょう。 その数は、間違いなく途方もない数になりそうな気がします。 この辺りには、海岸沿いにサルコツ沼からクッチャロ湖まで、いくつかの湖沼が点在しています。 左の写真奥に見えるのが、猿払村の近くにあるサルコツ沼(猿骨沼)です。 右の写真はポロ沼で、サルコツ沼と比較すると10倍近い大きさの沼です。 オホーツクラインは、クッチャロ湖の近くも通っているのですが、道路から湖は見えませんでした。 海岸線を離れ、内陸部に入ってくると、北海道らしい広大な牧草地が広がっていました。 ただ、放牧を行うには時期が早いのか、牧草地には牛などは全く見当たりませんでした。 さらに、山間部に入ってくると多くの残雪が見られ、牧草地もこじんまりとしたものになってきました。 行きに乳牛が見られたべこちちFACTORYでは、同じように、乳牛とエゾジカが草を食んでいるのが見られました。 <ミズバショウ> <エゾノエンゴサク> <エゾノリュウキンカ> <キクザキイチゲ> 山間部では、路傍の湿地に白いミズバショウや、黄色いエゾノリュウキンカの群落が良く見られます。 また、草地などには紫のエゾノエンゴサクや、白いキクザキイチゲの群落がみられました。 エゾノリュウキンカの手前には、コバイケイソウの若葉が見えています。 キクザキイチゲの奥の方には、茶褐色のザゼンソウが見えていますね。 いずれもバスの車窓からの撮影なので被写体ブレで不明瞭な所があります。 自分の車で、ゆっくりと写真を撮りながら、北海道を周れたらと思う、今日この頃です。 行きに見かけた巨大な雪捨て場です。車が止まっていたので、その巨大さが分かると思い、撮り直しました。 大きなスリットが作られているのが分かるともいますが、これは雪解けを促進するためのものだそうです。 ここを曲がると、高速道路の入り口までは、もう一息です。 名寄市辺りで天塩川を渡りました。川面は穏やかに見えますが、雪解け水でかなり水量は増えているようです。 その後、下士別町辺りでも天塩川を渡りました。この辺りは河川敷が公園に整備され、桜が見頃になっていました。 日本最北の料金所である「士別剣淵」料金所です。北海道には"最北"と付く所があちこちにあります。 道央自動車道に入ってしばらくすると、法面に生えいるシラカバがご覧のような状態になっていました。 雪の重みで根元から倒れ、その後上向きに成長した結果で、雪の多い所で見られます。 さらに少し進んだ所では、田んぼには水が張られていて、日没前の陽光が反射していました。 逆光での撮影になるので、明暗差が大きく、モノトーン調の写真になりました。 <大雪山> <十勝岳> <十勝岳の西方の山々> 高速に入ってからは、行きは雲の中で全く見えなかった大雪山系の山々が、遠くに姿を現しました。 さらに進むと、大雪山系から十勝岳、さらにその西方奥の山々まで見えてきました。ここまで見えるのは珍しいそうです。 高速を降りると空港まではあと一息。大雪山系がより大きく、近く見えてきました。 ただ、日没まではカウントダウン状態で、空港に着く頃にちょうど日没となりました。 ただ、低空に雲があるようで、きれいな夕日は見られず、山体が赤く染まることはありませんでした。 飛行機に乗る頃には、すっかり暗くなっており、羽田に着いたのは深夜となりました。 |