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早春の利尻島と礼文島を巡る旅
1日目(2018/5/10)



出発日はあいにくの天気で、離陸後はずっと雲海の上を飛び、到着後のバス移動時も曇り空でした。

旭川の近くではアキタブキの巨大なフキノトウがあちらこちらで見られ、
田んぼの畔などに黄色いセイヨウタンポポの群生が見られました。
山間部に入ると、湿地に白いミズバショウと黄色いエゾノリュウキンカが所々で見られ、
一般道に出ると、道路脇などでエゾエンゴサクの青紫色の花が目につき始めました。

北上の途中に稲作の北限地があり、その辺りを境に田んぼが無くなり、広大な牧草地に変わります。
その牧草地にエゾジカがいました。牧草地の外れでは、エゾジカの群れがのんびりと食んでいました。

サロベツ湿原に着いたときも曇り空で、利尻島を姿を見せず、広大な湿原が延々と続いているのみでした。
その湿原も、雪解け水で増水して遊歩道が水没し、展望台までの行き来しかできませんでした。
そのような状態でしたので、時期的にミズバショウが点々と咲いているのが見られるのみでした。

サロベツ湿原を後にして、宿泊先の稚内市の外れのホテルに向かいました。
ホテルの周りは湿地が広がり、そこここにミズバショウが咲き、コバイケイソウの若葉が見られます。
道路沿いなどでアキタブキのフキノトウが大きく立ち上がり、存在感を示していました。
夕食後、部屋に戻ると稚内港の夜景が部屋から望めました。空が暗いです。



早春の利尻島と礼文島を巡る旅
1日目 インデックス


一路 サロベツ湿原へ

出発日はあいにくの天気で、離陸後はずっと雲海の上を飛び、到着後のバス移動時も曇り空でした。
旭川の近くではアキタブキの巨大なフキノトウがあちらこちらで見られました。
また、田んぼの畔などに黄色い花が群生している所もあります。セイヨウタンポポの群生でした。
なお、ちょうど桜前線が北上中だそうで、時折、山肌の一部をエゾヤマザクラがピンクに染めていました。
山間部では、路肩の湿地に白いミズバショウと黄色いエゾノリュウキンカが所々で見られ、
平地では、道路脇などでエゾエンゴサクの青紫色の花が目につきました。
サロベツ湿原は、まだ、雪解けして間もないようで、一面が枯草色で覆われていました。
そして、所々にミズバショウの白い苞が顔を出し、春の訪れを告げているようでした。





旭川空港を出て間もない田んぼの畦道などには、アキタブキやセイヨウタンポポが群生していました。
アキタブキのフキノトウは灰汁が強く、北海道の方はフキノトウを食べる習慣はないそうです。

 

 

関東ではとっくに通り過ぎた桜前線ですが、今、ここを北上中ということ。
北海道では、桜と言えばエゾヤマザクラだそうで、一回り花が大きく、色も濃いのが特徴だそうです。
そのエゾヤマザクラが、所々で山肌の一部をがピンクに染めていました。

 

高速道路に入ると遠くの山並みに白い残雪が目立ち始め、天塩川は雪解け水で水位が上がっていました。
天塩川は、北見山地天塩岳付近を源流とする1級河川で、稚内に着くまでに何度か横切ることになります。

 

山間部に入ると、路肩の湿地などに白いミズバショウと黄色いエゾノリュウキンカが所々で見られました。

 

道央自動車道を降りて一般道に出ると、道路脇などでエゾエンゴサクの青紫色の花が目につき始めました。
場所によっては、エゾエンゴサクが群生していて、青紫色の絨毯を敷いたようでした。
右の写真は、バスの車窓から撮ったものですが、手前側が被写体ブレで横に流れています。

 

途中、北海道らしいと思ったのがこの景色です。林を切り開いたような真っ直ぐな道路が伸びています。
どれくらい真っ直ぐな道路が続くのかは分かりませんが、路肩を示す矢印もずっと続いています。
遠くに見えていた標識には、稚内まで78kmと出ていました。その先で曲がっているようです。

 

途中に稲作の北限地があり、その辺りを境に田んぼが無くなり、広大な牧草地に変わります。

 



べこちちFACTORYの牧草地にエゾジカがいました。通り過ぎるバスの方をじっと見ていました。
ふと遠くを見ると、牧草地の外れでエゾジカの群れがのんびりとしています。
色が黒褐色のエゾジカには角があるのでオス、淡褐色のエゾジカには角がないのでメスのようです。
その手前の方では、十数頭の乳牛の群れが牧草地の座り込んで、こちらものんびりとしていました。

サロベツ湿原に着いたときも曇り空で、利尻島は姿を見せず、広大な湿原が延々と続いているのみでした。
雪解け間もないため、融水で遊歩道が水没して一部が通行止めとなっていました。





湿原は雪解け水で増水して遊歩道が水没し、展望台までの行き来しかできませんでした。
その展望台からの眺めはご覧の通りで、まだ、枯葉色一色といった所です。
なお、上段が視界の左半分、下段が視界の右半分で、両方でほぼ180°の視界となっています。

 

そのような状態でしたが、遊歩道の周りなどでミズバショウが咲き始め、若葉と白い苞が目を引きます。
それを見ていると、春の訪れを告げているようで、間もなく、花の季節が始まるんだなと感じました。

   
    <エゾカンゾウ>        <コバイケイソウ>     <オオバナノエンレイソウ>

   
<ヤチヤナギ>          <ヤチヤナギ>          <タチヤナギ>

エゾカンゾウ(ニッコウキスゲの名前の方が有名かな)やコバイケイソウなどは若葉の状態でした。
オオバナノエンレイソウも見られましたが、ツボミの状態で、咲くのはもう少し先になるようでした。
それ以外では、枯れ枝と見間違うほど地味なヤチヤナギの花が見られ、タチヤナギも咲いていました。
次は、エゾカンゾウが咲き誇る時期に、また、来てみたいですね。
きっと、橙色の絨毯を敷き詰めたような広大な景色が見られるのではと思います。尾瀬沼の比ではないでしょう。

※ これらの花の詳細については、こちらを参照ください。

 

現在、この辺りは国立公園となっていますが、以前は湿原に堆積した泥炭の採掘が行われていたそうです。
その名残である浚渫(しゅんせつ)船が、ビジターセンターの近くに置かれていました。


稚内にて

サロベツ湿原を後にして、宿泊先の稚内市の外れのホテルに向かいました。
途中の海沿いの広大な湿地は、エゾカンゾウ(ニッコウキスゲ)の大群生地とのこと。
この荒涼とした景色が、開花時には花で埋め尽くされ、一面が橙色に染め上げられるそうです。

ホテルの周りにも湿地が広がり、そこここにミズバショウが咲き、コバイケイソウの若葉が見られました。
道路沿いなどでは、アキタブキのフキノトウが大きく立ち上がり、その存在感を示しています。
夕食後、部屋に戻ると稚内港の夜景が部屋から望めました。
曇天であることもありますが、空は真っ暗で、外灯があっても晴れていたら星がきれいに見えそうです。



サロベツ湿原を後にして、海岸沿いのオロロンラインを一路、稚内に向かった北上しました。
このオロロンライン沿いの景色が上記の写真です。今の時期は、笹が一面を覆い尽くしています。
しかし、エゾカンゾウやエゾスカシユリの開花時には、この辺り一面が橙色の花で埋め尽くされるそうです。

 

途中、道路脇の湿地で、エゾノリュウキンカが群生している所がありました。黄色い花が目を引きます。
本州のリュウキンカと比べかなり大型で、そのためヤチブキの異名が示す通り、山菜として利用されます。

※ エゾノリュウキンカは、バスの車窓からはあちらこちらで見かけるのですが、素通りばかりです。
そのため、花の拡大写真は、ホテルめぐまに置かれていたものを撮ったものです。

 

 

   
 <雄花>        <雄花(花後)>       <雌花(花後)>

ホテルの周りは湿地が広がり、そこここにミズバショウが咲き、コバイケイソウの若葉が見られました。
後で気が付いたのですが、ミズバショウの手前にザゼンソウの苞が見えています。混在しているようです。
また、道路脇にはアキタブキが群生し、フキノトウが大きく伸びていました。
ちなみに、左の背の低いのが雄花で、右の背が高くなっているのが雌花です。
下段はその拡大ですが、雄花も雌花も花は咲き終わっていました。
ただ、帰り道で、1本だけ雄花がきれいに咲いているのを見つけました。かなりの遅咲きです(下段左)。

シシウドやオオハナウド、オオイタドリも見られましたが、若葉が伸び出したところでした。
全て大型の雑草で、大きくなったらどのような景色になるのか、転がる枯れ枝を見るとゾッとします。

※ これらの花の詳細については、こちらを参照ください。



夕食後、ホテルの窓から稚内港の夜景が見られました。
外灯はありますが、空が暗く、晴れていたら星空が楽しめたのではと、ちょっぴり残念でした。









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