ホーム旅の見聞録紅葉バスツアー【香嵐渓−京都−奈良】>京都


紅葉バスツアー<京都> 2015/11/23



1日目の工程が終わり、今日の宿泊場所である伊賀上野の旅館に向かいます。
旅館に到着後、近くを散策する時間はあったのですが、ゆっくりしたかったのでパス。
2日目、あわただしく朝食を済ませて、バスに乗り込み京都に向けて出発です。
最初に向かうのは東福寺です。
京都市内に入った途端、渋滞が始まりましたが、予定を若干オーバーして到着です。
駐車場がないので、九条通りにバスを止めて降り、ガイドさんに付いて路地をくねくねと曲がっていきます。


京都 インデックス


<臨済宗東福寺派大本山 東福寺>

奈良最大の寺院である東大寺、最も盛大を極めた興福寺、その「東」と「福」の字を取ったのが東福寺です。
嘉禎2年(1236年)より建長7年(1255年)まで、完成までに実に19年を費やしたとのこと。
その東福寺ですが、月下門に向かう辺りから人波で、前に進むのも四苦八苦する大渋滞です。
なんとか臥雲橋(がうんきょう)にたどり着きましたが、ここが難所でした。

臥雲橋(がうんきょう)より



臥雲橋から眺める通天橋、その間に見事に紅葉したモミジが見えるので、写真を撮るために人が動きません。
警備の人が前に進むようお願いしても、まったく、動かなくなってしまいました。
やっと動き始め、臥雲橋の中程から通天橋の方が望めました。
たしかに紅葉が見事で、臥雲橋と通天橋の間が紅葉で埋め尽くされ、写真を撮りたい気持ちが分かります。
ただ、スマホでは、動きながらの撮影はちょっと無理。そのため、立ち止まってしまうようです。
私は、大きめのデジ一ですので、シャッタースピードを速くして、ながら撮影でしのぎました。

通天橋(つうてんきょう)

臥雲橋から日下門をくぐり境内に入ります。そこから受付を通って、通天橋に向かいます。
その通天教に向かう通路も人でごった返していました。



通天橋から見た臥雲橋です。バックに緑の木々が多いです。
手前にある紅葉した木々の高さが低いこともあって、雰囲気が異なります。



通天橋から臥雲橋方向を撮る人で、通天橋の上は人がほとんど動きません。
止むなく、手前から撮ったのが上の写真です。右に写っているのが通天橋の屋根です。

 
通天橋の臥雲橋側      左の写真の反対側

通天橋の下を流れる洗玉澗(せんぎょくかん)。
太陽の向きの関係で手前に影ができ、洗玉澗が思いのほか深い谷のように見えます。
その反対側の苔むした斜面には、太陽の光が降り注ぎ、全く趣が異なります。
ただ、臥雲橋側が人気で、人が張り付いて動かないのに対して、反対側は人気がありません。
そのため、なんなく人が往来できていました。

東福寺開山堂(かいさんどう)【重文】

通天橋を通り抜け、右手に進んで門をくぐると正面に開山堂(常楽庵)が見えます。
開山堂とは、仏教寺院において開山の像を祀った堂のことです。
別名、常楽庵と言い、元の建物は文政2年(1819年)に焼失しています。
文政6年に、一条忠良によって再建されたのが、今の建物です。
昭堂の中央部分は2階建の楼閣になっていて、伝衣閣(でんねかく)と言われるそうです。



開山堂・昭堂は上部に楼閣風の伝衣閣(でんねかく)をもつ点が珍しく、他に例を見ない構造となっています。

   
池泉庭園        普門院前の白砂だけの庭       亀島

左端の写真は、正面に向かって右側に配されている池泉庭園です。
左側には白砂の庭がありますが、手前に亀島があるので、門側からは見えません。
開山堂(常楽庵)側から見ると中央の写真のように、白砂だけを使った庭が広がっています。
シンプルに白砂に描かれた正方形の砂紋が印象的ですね。なお、右側に少し見えているのが普門院です。
右端の写真は、亀島です。下部に洞窟のように穴が開いた岩が使われています。

三聖寺 愛染堂(さんしょうじ あいぜんどう)



開山堂を後にして、元来た通路を戻り、真っ直ぐに進んで外に出ると、右手に三聖寺愛染堂があります。
朱塗りで柿葺きの八角円堂です。南北朝時代の建築物で、愛染明王が祀られています。
この辺りには、紅葉する木々が少なく、朱塗りの建物が目立っています。

洗玉澗(せんぎょくかん)

愛染堂から洗玉澗を渡り、経蔵の横を通って、受付の方に戻ります。
ここには多くのモミジが植えられており、紅葉を存分に楽しめました。


洗玉澗


洗玉澗から見た通天橋

洗玉澗の両側には、多くのモミジが植えられており、それが臥雲橋や通天橋から見えています。
上からは紅葉した葉しか見えませんが、下から見ると、異なった趣がありますね。


洗玉澗         通天橋         経蔵         通天橋

洗玉澗を渡り、経蔵の横を通って受付の方に戻る際も、多くの紅葉があります。
洗玉澗には、あまり水は多くないですが、少ない水に紅葉が映り込んでいます。
洗玉澗を渡って左手を見ると、紅葉の下、遠くに通天橋に続く通路が見えます。
さらに進むと、白い壁の経蔵が見えてきます。
経蔵を過ぎると、受付のあった通天橋への入り口(出口)に着きます。

経蔵・三門・本堂


経蔵


三門【国宝】


本堂(仏殿)

受付を出て振り返ると経蔵と紅葉したモミジが見えますが、裏から見た印象とは異なります。
少し離れたところに三門や本堂がありますが、この辺りに紅葉した木々は見られません。



東福寺を後にして、人ごみの中を来た道を戻り、バスに戻りました。
本日の昼食を取る場所に移動し、昼食です。
その後、次の目的地である金戒光明寺に向けて北上しますが、やはり混んでいます。
道路に止まったバスを降り、ガイドさんに付いて、金戒光明寺に向かいます。



<紫雲山・くろ谷 金戒光明寺>

紫雲山・くろ谷 金戒光明寺(しうんざん・くろだに こんかいこうみょうじ)
「くろ谷(だに)さん」の名で親しまれている浄土宗の大本山です。
承安5年法然上人が比叡山の黒谷を下り、草庵を結ばれたのが浄土宗最初の寺院 のはじまりです。
西山連峰、京都御所、小倉山を眺み、山門、阿弥陀堂、本堂 など18もの塔頭寺院があります。
また、幕末に京都守護職会津藩一千名の本陣にもなった所です。

清和殿



道路でバスを降り、ガイドさんに付いて岡崎神社横の路地から、金戒光明寺に向かいます。
清和殿の方へ登って行く坂道、その途中に見事に紅葉したモミジがありました。

大方丈



大方丈とその手前の庭園の植栽です。紅葉の中に、フユザクラが花を付けていました。
金戒光明寺は、春の桜の季節も有名ですが、この季節の桜は意外な出会いでした。

紫雲庭園 池泉回遊庭園

 

大方丈の裏手にある紫雲庭園、その池泉回遊庭園に紅葉が彩りを添えていました。
ちょっと、撮影に失敗して露出オーバーになってしまいました。
そのため、明るい所が白く飛んでしまっていますが、実際はもっと真っ赤です。
右の写真は、逆光のため右上が白っぽくなっていますが、色合いは良く出ています。



金戒光明寺を後にして、元来た道を戻り、バスで次の目的地である南禅寺に向かいます。
比較的近い場所でしたので、ほどなく到着。
駐車場でバスを降り、ガイドさんに付いて、南禅寺に向かいます。



<臨済宗南禅寺派大本山 南禅寺>

南禅寺は、710年あまり前の正応4年(1291年)に開創されました。
禅宗とは、臨済宗・黄檗宗・曹洞宗の三宗の総称です。
臨済宗・黄檗宗には15の本山があり、南禅寺はそのうちの一つで、南禅寺派の大本山です。

中門まで





南禅寺に入る手前、石垣で囲まれたところに見事に紅葉したモミジが見られ、この後に期待が高まります。
中門の手前では、紅葉したモミジと黄葉のコントラストが印象的でした。

三門【重文】

南禅寺の三門。五間三戸の三門は、高さが22mあります。
別名「天下龍門」と呼ばれる日本三大門の1つに数えられます。



中門を入り、三門までの間に多くの紅葉が見られました。
上に登ることもできますが、今回はパス。山門を通って水路閣に向かいます。

水路閣(すいろかく)

南禅寺水路閣は、琵琶湖疏水の分線にある水路橋で1888年(明治21)完成。
南禅寺境内を通過するため、周辺の景観に配慮して田辺朔郎が設計、デザインしたものです。
全長93.2メートル(幅4メートル、高9メートル)レンガ、花崗岩造り、アーチ型橋脚の風格ある構造物です。



レンガ、花崗岩造りのアーチ橋で、TVドラマなどでも時々見かけますね



水路閣の上部です。勢いよく水が流れていきます

   

水路閣の周りに、紅葉する木々はそれほど多くなく、赤レンガの水路閣のアクセントになっています。



南禅寺を後にし、歩いて永観堂に向かいます。
モミジの永観堂といわれるだけに、わくわくしながらの移動です。
さほど歩くことなく、永観堂に到着。見事な紅葉が見えてきました。



<聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺 永観堂>

聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺(しょうじゅらいごうさん むりょうじゅいん ぜんりんじ)。
永観堂(えいかんどう)は、第七世法主永観律師(ようかんりっし)にちなむ通称で、上記が正式名称です。
浄土宗西山禅林寺派の総本山で、仁寿三年(853年)の草創以来、もみじの永観堂として知られています。
また、御本尊の「みかえり阿弥陀」像も有名ですね。

総門(そうもん)



総門を入ると紅葉したモミジ続き、3000本といわれるモミジの多さを実感できました。
受付のある大玄関まで、紅葉したモミジが続きます。

釈迦堂(しゃかどう)

 

大玄関から入って釈迦堂の方に進むと、右手に白砂の庭園が見えてきます。
釈迦堂の濡れ縁には、庭を観賞したり写真を撮ったりしている人がずらりと並んでいました。
さらに進むと右手に唐門が見えてきます。
唐門の前は、方丈(釈迦堂)前庭となっており、小判形に白砂が盛られています。

 
   唐門         枯山水庭園(苔庭)

正面から見た唐門と、その前の小判形盛られた白砂です。
均された上面には、市松模様が描かれています。
天皇の勅使は、この盛り砂を踏んで身を清め、入堂したと伝えられています。
さらに進むと苔庭の枯山水があり、苔の緑、白砂、紅葉のコントラストが良いですね。

御影堂(ごえいどう)

 
御影堂への渡り廊下より   御影堂から見た多宝塔

釈迦堂から御影堂へ続く廊下から、御影堂側から伸びる紅葉したモミジが日を受けて輝いていました。
御影堂の外廊下から振り返ると紅葉の後に開山堂と多宝塔が顔を覗かせていました。



みかえり阿弥陀像など、見たい所は多々ありましたが、時間が押しているので、パス。
御影堂を後にし、外に出たのですが、その出口にあるモミジも見事に紅葉していました。
この後、庭を通って放生池の方に周ります。

放生池(ほうじょういけ)

 

放生池の方に行く途中、そこここにモミジがあり、紅葉の状態もまちまち。
緑から黄色、赤と多彩なグラデーションを見せていました。

 

放生池ですが、池の前には人だかりができていて、なかなか前に進めません。
池を見渡せる開けた場所が狭いので、写真を撮る人がそこに群がっていました。
なんとか、入れ替わってもらって撮ったのが、この写真です。
風がなく水面への写り込みも綺麗でした。左端の方に弁天社が見えています。



極楽橋の上の混雑を抜けると人の往来もスムーズになりました。
弁天島の手前にも開けたスペースがあったのですが、こちらは人もまばらでした。



永観堂を後にして、バスの待つ駐車場まで、哲学の道を歩きます。



<哲学の道>

哲学の道は、琵琶湖疏水と並行して、若王子神社から法然院下を銀閣寺に至る約1.8kmの道です。
その名前は、哲学者西田幾多郎が思案しながら歩いた事に由来するとか。
春は、京都でも屈指の桜の名所で、葯450本の桜が植えられ、関雪桜とも呼ばれます。

 

哲学の道沿いの桜は、既に紅葉が終わり、ほとんど落葉していました。
しかし、疏水脇には紅葉や黄葉した木々が多く見られます。
また、大きなサザンカの木が白やピンクの花をたくさん咲かせており、紅葉とコラボしていました。



哲学の道から駐車場に入り、バスで今日の最終目的地である嵐山に向かいます。
京都の街を東から西にほぼ水平に移動することになるのですが、大渋滞で遅々として進みません。
陸橋上から嵐山が見える頃には、既に日が落ちてしまいました。



<嵯峨野・嵐山>

日は落ちても、人出はまったく減らず、渡月橋を渡って並ばないと中にも入れません。
渡月橋を渡って最後尾に並び、渡月橋をUターンして商店街の方へ入りました。
真っ暗になってしまったため、紅葉はあきらめ、竹林の小径を見に行くことにしました。

野宮神社(ののみやじんじゃ)

野宮神社は、学問・恋愛成就・子宝安産等の祭神を祀り、多くの参拝者が訪れる。
天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王が、伊勢へ行かれる前に身を清められたところだそうです。
嵯峨野の清らかな場所を選んで建てられ、天皇の御即位毎に定められたとのこと。
黒木鳥居と小柴垣に囲まれた聖地で、源氏物語「賢木の巻」に出てきます。



商店街の先を、竹林の小径の方に曲がり、しばらく進むと野宮神社があります。
真っ暗なのでフラッシュを使いましたが、左手に少しだけ小柴垣が写っています。
また、黒木鳥居が樹皮の付いた無垢のクヌギで作られているのも分かりますね。



野宮神社の境内です。正面に見えているのが本殿です。
紅葉した木々があるようですが、フラッシュの当たっていない所は良く見えていません。
昼間であれば、もっと紅葉が綺麗に見えるのではないでしょうか。

竹林の小径

竹林の小径は、野宮神社から天龍寺の北側を通って大河内山荘庭園へ通じる長さ400mほどの道です。
京を代表する風景であり、テレビドラマなどにもよく登場しますね。

 

日が落ちてしまって、青々とした竹が両側から覆いかぶさるような所は見れませんでした。
ただ、真っ直ぐに立ち上がる竹林の様子は分かりました。

桂川・渡月橋(とげつきょう)

竹林の小径からの戻り、途中の土産物屋でお土産を買ってから駐車場に戻りました。
駐車場から桂川が見え、対岸の明かりが水面に反射しているのを見て、撮ることにしました。
三脚がないので、撮影には四苦八苦しましたが、なんとか撮れました。



岩田山の方向を、桂川に反射する対岸の街明かりを取り込んで撮影したものです。
小さな堰を流れ落ちる水と、月(といっても点にしか見えませんが)がアクセントです。

※ 空が青く写っていますが、ISO2500で1秒も露出しているからで、人の目では真っ暗でした。



同じように桂川に反射する街明かりやライトアップされた渡月橋を撮影したものです。
分かりづらいですが、中央付近に見えているのが渡月橋です。その部分を拡大したのが下記の写真です。



橋脚がずらりと並び、橋脚上部がライトアップされています。
橋の上で止まっている車のライトが、欄干越しに点々と見えています。

この後、バスで今日の宿泊先である大阪市内に向かいました。
みなさん、お疲れモードのようで、寝ている方が多かったです。
かく言う私も、寝ていたようで、気が付けばホテルの近くに来ていました。








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