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湯田中温泉(2017/7/15〜17)



飯田を後にして、宿泊先の湯田中温泉まで中央自動車道、長野自動車道を北上です。
長野自動車道に入った頃には、すっかり日も傾き、着いたのは19時前でした。
湯田中温泉は、1350年前に僧智由が発見し、「養遐齢(ようかれい)」と名づけた事に始まるとか。
湯田中温泉の源湯は、他の温泉と異なり、地表近くからわき出しており、多くの源泉があります。
そのため、源泉毎に異なる様々な温泉を楽しむことができるそうです。

2日目の午後は自由時間なので、割安な湯めぐり手形を使って、3ヶ所の温泉を回ることにしました。
さらに、時間があれば、隣の渋温泉の金具屋にも行くことにしました。



湯田中温泉
インデックス


中央自動車道から長野自動車道へ

飯田市上田から湯田中温泉まで、この時刻から長野県を南北に210kmの大移動です。
飯田ICから中央自動車道に入り、宿泊先の湯田中温泉まで中央自動車道から長野自動車道を北上です。
長野自動車道に入った頃には、すっかり日も傾き、着いたのは19時過ぎでした。


2017/7/15 17:42
中央自動車道から見えた北アルプスの方に沈む太陽です。
太陽の前に雲があったので、放射状に天使の梯子(angel's ladder)が伸びています。


2017/7/15 18:05
長野自動車道から見えた北アルプスの方に沈む太陽です。
実際にはもっと明るいのですが、日没を強調するために露出をかなりアンダーにしています。
雨が降った影響でしょうか。大気中の塵が少ないようで、上空は白っぽくなっていません。


2017/7/15 18:26
長野自動車道小布施PAで最後の休息を取りましたが、この少し前から彩雲が見えていました。
小布施PAでバスから降りたときには、色が淡くなってしまっていましたが、まだ、少し見えていました。
二股に分かれた雲の付け根辺りに、うっすらと赤や青の色が見えていましたが、写真では微妙です。


2017/7/15 18:41
高速を降りる直前に見えた入道雲です。ソンブレロのような変わった形をしていました。
既に太陽は沈み、高高度の雲の一面だけが太陽光で見えています。
その太陽光も夕日と同じく、赤みの強い光なので、白ではなくオレンジ色がかっていました。
おそらく、上空にあった薄い高層雲を、下から入道雲が突き抜けたのではと思います。
この形は、下からの入道雲のために見ている内に崩れていきました。
湯田中温泉 夏まつり(2017/7/15)

高速を降り、湯田中のホテルに着いたのは、19時過ぎ。
部屋について直ぐに夕食となりました。かなり品数が多く、ボリューミーな夕食でした。
それで、腹ごなしも兼ねて、駅前で行われている夏まつりを見に行くことにしました。



湯田中駅に着くと、ちょうど、3500系の電車が発車待ちしていました。
営団 日比谷線を走っていた3000系を譲り受け、改造した車両です。
懐かしさを覚える方もいるのではないでしょうか。



夏まつり会場に着くと、ちょうど、地元の子供たちの和太鼓の演奏中でした。
良く練習しているのでしょう。息もよく合って、なかなかダイナミックな演奏です。
これが最後の演目だったらしく、終わると盆踊りとなり、その後、抽選会がありました。
その抽選会で、家内にサクランボが当たり、思わぬ所で長野産サクランボを楽しめました。



帰り道、湯田中駅の側を通りましたが、電車はなく、人も居ませんでした。
がらんとしたホームというのは、何となく物悲しい雰囲気が漂いますね。



夏まつりの会場を後にして、ホテルに戻る途中、角間川の橋の上から下流側を見たものです。
右手の繁華街の方は結構明るいのですが、左手の方は街灯はありますが、それ以外は少なく暗いです。
天気が良ければ、そこそこ星空も楽しめるのではないかと思えます。

湯田中温泉 散策(2017/7/16)

2日目、朝食を竜王マウンテンパークで取り、お昼前に湯田中に戻ってきました。午後は自由時間です。
そこで開催中の湯めぐり温泉手形(¥600と割安でした)で、3ヶ所の温泉を楽しむことにしました。
ただ、開始時刻が14時からと遅い所を選んだので、それまで時間つぶしに散策することにしました。
が、その前に、まずは腹ごしらえ。添乗員さんに教えてもらった古芳屋さんで蕎麦をいただきます。



古芳屋さんに着くと、既に満席でした。しばし空くのを待ちます。
その間にも、ツアーの同乗者や地元の方がみえて、数人待ちとなりました。
しばらく待つと、次々と空いて、全員入ることができました。
私は、天ぷら蕎麦の大盛りを頼み、出来上がりを待ちます。
ふっと見上げると、色紙が目に止まりました。
宍戸錠さん、小澤征爾さん、吉永小百合さんのものでした。
そうこうしていると、蕎麦が出来上がってきました。うまい。
気になってつなぎは何を使用しているのか聞くと、オヤマボクチとのこと。なるほど、旨い訳です。
小麦粉や山芋などのつなぎと違って、無味無臭のオヤマボクチは蕎麦の邪魔をしません。
そういった蕎麦屋さんは少なく、オヤマボクチを使った蕎麦は「幻の蕎麦」とも言われています。
美味しい蕎麦に舌鼓を打ち、お店を後にしました。



お店を後にして、踏切に差し掛かった時、湯田中駅にロマンスカーが止まっているのに気が付きました。
これも、長野電鉄が無償で譲り受けた小田急のロマンスカー10000形です。
11両編成(11車体12台車)であったものが、4両編成(4車体5台車)と短くなっています。
10000形は、車体と車体の間に台車がある変わった構造です(普通は車体の下に台車は2つです)。
短くなっても塗装は変わっていないので、小田急沿線の住民としては、とても懐かしい車両です。



最初に行ったのは、湯宮神社の裏にある動き岩。
神社裏から狭い山道を登ります。かなり急な所もあり、着くまでに息が切れました。
複数の巨岩が重なり合っていますが、一部の岩を押すとある支点を中心に動くとか。
しかし、しっかりとかみ合った岩は、びくともしませんでした。



その後、「よろづや」の前を通った時、家内がダメ元で入れるか聞きに行きました。
よろづやは、土日祭日は湯めぐりの対象外だったのですが、入れてもらえることになりました。
車での来訪ではなかったのが良かったようです。



 <大湯>                  <平和の湯>
湯田中の温泉街を歩いていると共同浴場が目につきます。
以前は、広く一般に開放されていたのが、今は大湯以外は一般開放されていないとのこと。



こちらは湯けぶり地蔵尊。梅翁寺の境内にある、片足を足湯に浸かったお地蔵さんです。
別名、ぴんしゃん地蔵で、専用の手ぬぐいを湯鉢の湯に浸し、良くしたい所をやさしくなでるとか。
梅翁寺境内には源湯があり、その湯に足を浸け、温泉の霊力と効用を全身に溜めているそうです。
優しくなでることで、その効用が伝わり、ぴんぴん・しゃんしゃんになれるとの言い伝えがあるそうです。
梅翁寺の横には、自由に浸かることができる足湯があります。浸かった人が、とても熱いと言っていました。



この梅翁寺の前にも一茶の句碑があり、「子ども等が 雪喰いながら 湯治哉」と刻まれています。

 

梅翁寺から少し渋温泉の方に進むと、平和の丘公園があり、長い階段があります。
ここを登っていくと世界平和聖観世音菩薩(通称 世界平和観音)が見えてきます。
現在の観音像(高さ約25m)は2代目で、初代は33mあったそうです。
重さも約22tあり、現存する金属製立像では、東洋一の大きさになるとか。
直ぐ横に大悲殿があり、入館すると台座の上から世界平和観音を見ることができます。
その他にも西国三十三番札所の観音の写し本尊も展示されているそうです。
今回は時間がなくてパス。横の方に出ることができたので、階段ではなく、坂道を下りました。
階段が苦手な方は、この坂道から上がった方がいいかもしれません。

この坂道の途中に、「延命煙草地蔵尊」がありました。
このお地蔵さん、お供えするのは線香ではなく、タバコだそうで、それが名前の由来のようです。
愛煙家や禁煙の願かけ、ガン封じ健康長寿のご利益があるそう。



坂道を下りたところに弥勒の湯がありました。
それを横目で見ながら、川縁に下り、いよいよ湯めぐりの開始です。

湯田中温泉 湯めぐり(2017/7/16)

湯めぐり手形(¥600)で3ヶ所の温泉を利用することができます。
選んだ3ヶ所の最初は、14時から利用可能な「一茶のこみち 美湯の宿」さん。
その後、2ヶ所目は15時から利用可能な「よろづや」さんです。
最後に選んだのは「ホテル白銀」さんです。
川縁から鈴虫坂を上り、湯田中駅の方に戻りながらの湯めぐりとなります。

14時になったので、最初の温泉「一茶のこみち 美湯の宿」さんへ向かいました。
露天風呂に期待したのですが、ベランダのような露天風呂で、今一つ解放感を得られませんでした。
場所の関係で、前面を大きく開放できないためのようです。




さて、15時になったので、2ヶ所目の「よろづや」さんにお邪魔しました。
さすがに立派なお風呂で、男湯のしののめ風呂は今風の佇まいでした。
女湯の桃山風呂は、レトロ調の風呂だそうです。どちらにも立派な露天風呂が併設されています。
ロビーも立派で、天井は格天井になっていました。



最後は、ホテル白銀さんです。
湯田中駅から少し奥に行った所にあり、玄関に極楽の湯の看板がありました。
露天風呂は岩で囲われた開放感のあるものでした。

ここで、湯めぐりも終わり、夕食の時間が近づいてきたので、ホテルに戻りました。
戻ったところで少し時間があったので、川沿いに少し渋温泉側に散歩に出ました。
葉が白くなっている植物(ハンゲショウではない)が気になっていたので、見に行ったのです。
バスから見えていた所に行くと、かなり大きな蔓性の植物でした。
葉の基部から白くなるハンゲショウとは異なり、葉の先の方から白くなっています。
写真を撮って帰宅後に調べた結果、植物の正体はマタタビと分かりました。
マタタビが、花期に葉が白くなるとは知りませんでした。



目的を果たし、川縁から1本内側の道路を戻っていくと、元湯の立派な建物が目に止まりました。
ここ穂波温泉の共同浴場ですが、宿泊者と住民以外は利用できなくなっているみたいです。
女湯の入口の前に、昔懐かしの郵便ポストが置かれていました。
最近は、このタイプはほとんど見かけません。鎌倉の街中で見て以来、2つ目になります。


渋温泉 金具屋(2017/7/16)

ホテルでの夕食後、隣の渋温泉まで行くことにしました。
湯田中のホテルから渋温泉の金具屋までは約2km(30分ほど)の距離です。
バスでの移動を考えたのですが、夕食の時間を考えると時間的に無理と分かりました。
仕方がないので、歩いて行くことにしたのですが、後で行った人にタクシーを使ったと聞きました。
その手があったかと、考えの足りなさを大いに反省。
ただ、歩いて行ったことでラッキーな点もありました。




歩いて渋温泉の入り口までは、昼間の散策時に歩いたところです。
湯田中温泉と異なり、渋温泉は道路の両側に旅館が並んでおり、コンパクトな印象を受けます。
入口から金具屋までは直ぐの印象があったのですが、意外と距離がありました。
金具屋の入口横には、写真撮影用のお立ち台があり、多くの人が記念撮影をしていました。
左上の写真の植え込みの手前に台が置いてあります。
金具屋は4階まであるので、人と建物を一緒に写すには、台が必須のようです。
左下は金具屋の玄関です。なんとも重みのある、重厚な作りの玄関です。



左は歳月楼が国登録有形文化財であることを記した説明版、右は玄関脇にある金具屋の看板です。



左の写真は、「鎌倉風呂」の建物だそうです。右下にお立ち台が見えています。
右の写真は、玄関から見える金具屋の内部です。天井や照明器具も和風の作りになっていました。

帰りも歩いて帰ったのですが、川を渡った対岸を歩いて帰ることにしました。
これが大きな誤算で、実は渋温泉の入口の所で渋温泉に沿った横湯川と角間川が合流していたのです。
それを角間川だけだと思い込んでいたので、合流地点でどちらに行って良いのか分からなくなりました。
橋はあるが、それを渡ると元に戻るしとうろうろ。その時、家内がホタルに気が付きました。
木の葉の上で明滅していたので、それを取ろうとしたとき、ポロリと落ちました。
そして、あろうことか私の鼻の頭に止まり、明滅し始めたのです。それを見た家内は、大爆笑。
そのホタルには退散願って、河原の方をよく見ると、ホタルが数匹飛び交っていました。
カメラは持っていましたが、小型のヘイケボタルは光が弱いので、手持ちでの撮影は無理。
写真撮影はあきらめて、しばし、ホタルが飛び交うのを観賞しました。
そして、このとき2本の川が合流していることに気づき、無事、ホテルに帰り付きました。

※ ホタルの撮影には、三脚が必須です。数秒露出で飛び交っているホタルが点線状に写ります。
その写真を複数合成すると、ホタルが乱舞する眼で見たイメージの写真になります。
ちなみに、飛び交っているのはオスのホタルで、メスのホタルは葉の上でじっとしています。
この点から、私の鼻の頭に止まったのは、メスのヘイケボタルと思われます。









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