ホーム旅の見聞録入笠山 ウォーキング>入笠山で見かけた野草(V)


入笠山で見かけた野草(V)



主に沢入駐車場から大阿原湿原への車道脇、入笠山の花畑で見かけた山野草です。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
フウロソウ目
フウロソウ科(ハクサンフウロ)
ブドウ目
ブドウ科(ヤマブドウ)
フトモモ目
アカバナ科(アカバナ、ヤナギラン)
マツムシソウ目
タニウツギ科(シロバナウツギ)
マメ目
マメ科(クサフジ)
ミズキ目
アジサイ科(ノリウツギ、ヤマアジサイ、ツルアジサイ、ウツギ)
ムラサキ目
ムラサキ科(オニルリソウ、ノハラムラサキ)
ユキノシタ目
ベンケイソウ科(キリンソウ)
ユキノシタ科(ハナチダケサシ)
ユリ目
ユリ科(ウバユリ)
リンドウ目
アカネ科(カワラマツバ)
キョウチクトウ科(イケマ)
 
−−−−−−−<シダ類>−−−−−−−
ウラボシ目
オシダ科(イノデ)
ヒカゲノカズラ目
ヒカゲノカズラ科(ヒカゲノカズラ)
 
−−−−−−−<コケ類>−−−−−−−
スギゴケ目
スギゴケ科(ウマスギゴケ)
ハイゴケ目
イワダレゴケ科(イワダレゴケ)
ミズゴケ目
ミズゴケ科(ホソバミズゴケ)
 
−−−−−−−<地衣類>−−−−−−−
チャシブゴケ目
サルオガセ科(ナガサルオガセ、ヤマヒコノリ)
ハナゴケ科(ハナゴケ)
ツメゴケ目
ツメゴケ亜科(ウスツメゴケ)
入笠山で見かけた野草(V)
和名インデックス


ハクサンフウロ(Geranium yesoemse var. nipponicum)
<フウロソウ目・フウロソウ科・フウロソウ属>
 
フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州の東北地方から中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の湿った草地に生える。
草丈は50cmを超えるものもあり、根際の葉は5〜7深裂し、掌状になる。茎に付く葉は対生。
花期は7月〜8月で、花色は白に近いものから濃いピンクまで個体差がある。
花径は30mmくらいで、花弁は5枚で付け根に白い軟毛がある。オシベは10本。

2019/8/1
入笠山の花畑で見かけたハクサンフウロで、花畑の下の方でちらほら見かけました。
雷雨があったので、花弁に水滴が付き、瑞々しい感じが出ています。

ヤマブドウ(Vitis coignetiae)
<ブドウ目・ブドウ科・ブドウ属>

ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木で、寒冷地に自生する野生種。
日本では、北海道、本州、四国に分布し、韓国の一部や、サハリン島、南千島に分布する。
樹皮は古くなると縦に裂け、薄く剥がれる。随は褐色で、若い枝や葉にはくも毛がある。
葉は互生し、葉身は直径30cm程の円心形で、3〜5残裂する。縁は浅い鋸歯がある。
新芽は淡紅色で、新葉も淡紅色の毛に覆われている。
表面は当初綿毛があるが、後に無毛になる。裏面には赤褐色の綿毛が密生する。
葉に対生して巻ひげを出すが、全節ではなく、2回出すと、次の節からは出ない。
花期は6月〜7月で、雌雄異株。葉に対生して円錐花序を出し、黄緑色の小花を多数付ける。
萼は輪形で、花弁およびオシベは5個、メシベは1個。
雌花のオシベには発芽能力のない花粉しか持たず、雄花のメシベは柱頭は花柱が退化している。
果実は液果で直径8o前後の球形。房になって垂れ下がり、秋には黒紫色に熟す。
生食可能であるが酸味が強く、果実酒に使われてきたが、近年はワインやジャムなどにも利用される。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇の所々で、見かけました。
車道脇の石垣の下で、大きな木などに絡みついて、蔓を四方八方に伸ばしていました。

アカバナ(Epilobium pyrricholophum)
<フトモモ目・アカバナ科・アカバナ属>
   
アカバナ科アカバナ属の多年草。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布し、湿地などで生育する。
海外では、朝鮮半島や中国に分布する。
草丈は30〜70cmで、茎は上部でよく分枝し、細かい毛がある。
葉は上部を除いて対生し、葉身は長さ2〜6cmの卵状楕円形で、基部は茎を抱くことがある。
なお、茎や葉は赤みを帯びることが多い。
花期は7月〜9月で、葉腋に直径10mmほどの紅紫色の花を付ける。
花弁は4個で浅く2裂する。オシベは8個あり、内4個が長い。メシベの柱頭は根棒状。
花の基部には長さ3〜8cmの子房があり、4稜で、腺毛がある。
果実は刮ハで、長さ3〜8cmの4稜形で細長く、熟すと4裂する。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、アカバナが可愛らしい花を付けていました。
長い子房の先に4花弁のピンクの花が付いています。
花後、花の落ちた子房が長く伸びて細長い刮ハ(右端の写真で上に伸びた細い棒状の物)になります。

ヤナギラン(Chamerion angustifolium)
<フトモモ目・アカバナ科・ヤナギラン属>
 

   
アカバナ科ヤナギラン属の多年草で、在来種。
日本では、北海道、本州の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に分布する。
海外では、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの北半球の冷温帯に広く分布する。
草丈は1m以上になり、ほとんど分枝しない。葉は互生する。
枝先に総状花序を付け、紅紫色の花が咲き上っていく。
花弁、萼片とも4枚で、オシベは8本、メシベの柱頭は4裂する。
山火事の跡地や、伐採跡地に群落を作るパイオニア植物で、英名の「Fireweed」もそのことを示しています。

2019/8/1
入笠山の花畑で見かけたヤナギランで、花畑の下の方でちらほら見かけました。
下から咲き上って行くので、下段の写真のように、いろいろな段階の花が見られます。

シロバナウツギ(Weigela hortensis)
<マツムシソウ目・タニウツギ科・タニウツギ属>
   
タニウツギ科タニウツギ属の落葉小高木で、日本固有種。タニウツギの白花品種。
日本では、北海道西部、本州の東北地方、北陸地方、山陰地方に分布する。
日本海型気候の山地の谷沿いや斜面などで、日当たりの良い所に多い。
樹高は2〜5mで、下部からよく分枝して株立ちになる。樹皮は灰褐色で縦に裂ける。
新しい枝は茶褐色〜紫褐色で、ほぼ無毛。新枝は長く伸びるが、やがて上部は枯れる。
葉は対生し、長さ4〜10cmの卵状楕円形で、基部は円形で先は尾状に尖る。縁には鋸歯がある。
葉柄は長さ3〜10mmで、葉裏には全体に白毛があるが、特に葉脈の両側に多く、脈状は少ない。
花期は5月〜6月で、枝先や上部の葉腋に白色の花を数個付ける。
花冠は漏斗状で、長さ25〜35mm、直径20oで、先は5裂する。
萼は5深裂し、裂片は長さ4〜7mmで、その下部に長さ8〜10mmの筒状の子房がある。
オシベは5個で、花筒とほぼ同じ長さがあり、メシベの花柱はそれより長く、花筒から飛び出る。
果実は刮ハで、長さ12〜18oの細い筒状で硬く、10月頃に熟す。
熟すと上部が2裂して、長さ1mmほどの楕円形の種子を多数出す。種子の周囲には翼がある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、シロバナウツギの花がまだ残っていました。
赤い花のタニウツギは何度か見かけたことはあるのですが、白花品種は初めて見ました。

クサフジ(Vicia cracca)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>


 
マメ科ソラマメ属の蔓性多年草で、北半球の温帯から亜寒帯に広く分布している。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布する。
和名の由来は、葉と花がフジに似ていることに由来する。
草丈は80〜150cmで、茎は角張り、細かい毛がある。
葉は互生し、偶数羽状複葉で、葉先は枝分かれして巻ひげとなる。小葉は5〜12対。
花期は5月〜9月と長く、上部の葉腋から10p程の総状花序には数十個の蝶形花を付ける。
花冠は長さ10o前後で、紫色から赤紫色。下向きに垂れ下って咲く。
翼弁は竜骨弁と同長かそれ以上ある。旗弁の筒状部はその先の舷部と同じかそれより短い。
萼は5裂し、下部の1歯が特に長い。花柄は萼筒の先、やや下側に付く。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、沢入駐車場にほど近い場所で見かけました。
道路脇に生えていた他の枯れ枝に絡みついて立ち上がり、多くの花を付けていました。

ノリウツギ(Hydrangea paniculata )
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ属>
   
アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに自生する。
花はよく目立ち、ハナカミキリなどの訪花性の昆虫がたくさん集まる。
和名の由来は樹皮に含まれる粘液を和紙製造の糊に用いたことに由来する。
樹高は数mになり、幹は灰褐色で、樹皮は縦にうすくはがれる。
葉は、対生または輪生し、長さ5〜15pほどの細長い卵形で、縁に細かい鋸歯がある。
花期は7月〜9月で、長さ10〜30cmの円錐花序に白い花を多数付ける。
装飾花の萼片は長さ15o前後の楕円形で、3〜5個ある。
両性花の花弁は長さ数oで、4〜5個あり、平開する。オシベは10個、メシベの花柱は3個ある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々でノリウツギが花を咲かせていました。
ノリウツギの花には、ハナカミキリなどの昆虫が集まるので、良い昆虫の撮影ポイントになります。

ヤマアジサイ(Hydrangea serrata/Hydrangea macrophylla subsp. serrata)
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ属・アジサイ節・アジサイ亜節>
   
アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、在来種。別名はサワアジサイ。
別種とする説と亜種とする説がある。そのため、2つのが学名が使われている。
日本では、本州関東以西、四国、九州などの山地に分布する。
千島列島、台湾、中国南部、朝鮮南部の山地にもみられる。
ガクアジサイと比べ、花色が多様性に富む。花序は直径7〜18p、装飾花は直径2p前後。
葉質は薄くて光沢がなく、10p前後と小さい。形は長楕円形、楕円形、円形など多様性に富む。
枝は細く、樹高は1m程度と低い。分布域が広いこともあり、いくつかの亜種がある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇の沢、その縁でヤマアジサイが咲いていました。
最初に見たときはノリウツギかと思ったのですが、花や葉の形などが異なっていました。
後で、いろいろ調べた結果、花や葉の特徴からヤマアジサイの1種であろうと判断しました。

ツルアジサイ(Hydrangea petiolaris)
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ属・アジサイ節・ツルアジサイ亜節>
 
アジサイ科アジサイ属の落葉つる性木本で、在来種。別名はゴトウヅル。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地の岩崖や林縁に自生する。
海外では、朝鮮半島やサハリンに分布する。
蔓は褐色で、絡み付くものがあると気根を出して這い登り、高さ15〜20mになる。
葉は対生し、樹上の葉は広卵形で長さは10cm前後、葉先が尖り、基部は円形〜浅い心形。
縁には細かい鋸歯が片側だけで30個以上ある。長さ3〜9cmの葉柄がある。
一方、地上を這う蔓に付く葉は、葉身が円形で、長さは数cmと小さい。
花期は6月〜7月で、枝先に直径10〜18cmの花序を付ける。
装飾花は白色で、3〜7個が両性花をとり囲む。萼片は3〜5個で、長さ2〜3cmの広卵形。
両性花は、花弁が黄白色で、5個の花弁は先がくっ付いたまま開かず、開花時に脱落する。
オシベは20個前後と、他のアジサイ属と比較すると多い。花柱は2個で、果時にも残る。
果実は刮ハで、直径3〜4mmの球形。秋に熟して乾燥すると脈が見え、頂部が裂開する。
種子は褐色で、長さ1mm前後の扁平な卵形。縁には不定形な翼がある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、斜面に生える樹に絡みついていました。
距離があって望遠でしか撮れなかったのですが、花や葉の特徴からツルアジサイと判断しました。

ウツギ(Deutzia crenata)
<ミズキ目・アジサイ科・ウツギ属>
 
アジサイ科ウツギ属の落葉低木で、在来種。ウノハナ(卯の花)とも呼ばれる。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州と全国に分布し、海外では中国に分布する。
日当たりの良い場所を好み、山野の川沿いや林縁に自生する。
樹高は数mになり、よく分枝する。樹皮は灰褐色で、新枝は赤褐色を帯びる。
葉は対生し、葉身は長さ5〜8pほどの楕円形〜卵状披針形で、縁に微細な鋸歯がある。
新枝や葉柄、葉の両面には星状毛があり、葉柄や葉裏の星状毛は密度が高い。
花期は5月〜7月で、枝先に円錐花序を付け、白花を多数付ける。
花弁は5個で、長さ10oほどの倒披針形で、外側には星状毛がある。
オシベは10個で、花弁より少し短めで、花糸の両側に狭い翼がある。
花柱は3〜4個で、花弁とほぼ同じ長さになる。萼片は5個で、丸みのある三角形。
なお、八重咲のものもあり、サラサウツギ(ヤエウツギ)と呼ばれ、花弁の外側に紅色が入る。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、ウツギの花が辛うじて咲き残っていました。
花には、ハナカミキリなどがたくさん訪花していました。

オニルリソウ(Cynoglossum asperrimum)
<ムラサキ目・ムラサキ科・オオルリソウ属>
   

   
ムラサキ科オオルリソウ属の越年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、海外では朝鮮半島に分布する。
草丈は40〜120cmで、全体に粗い開出毛が多く、よく分枝する。
根生葉は長い葉柄があり、その状態で越冬するが、開花時には無くなる。
茎葉は互生し、長さ5〜20cmの長楕円披針形で、葉柄は短いか無い。
葉身は、基部は楔型で、先は鋭く尖り、疎らに細かい伏し毛があって、縁は全縁である。
花期は6月〜8月で、茎上部でよく分枝し、サソリ型花序(ぐるっと巻いた花序)を付ける。
花は花序にまばらに付き、下から咲き上りながら花序を伸ばし、斜上する。
花冠は淡青紫色〜青色で、直径4〜5mm。花冠は5裂して、裂片は卵円形で濃色の筋模様がある。
裂片の喉部に鱗片状の付属体がある。オシベは5個、メシベ1個である。
萼も5深裂して、裂片は長三角状楕円形で、果期には大きく反り返る。
果実は4分果で、分果は長さ3〜4mmのほぼ球形、表面に鉤(かぎ)状毛が密生する。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、ムラサキ科であろう花を見つけました。
といっても、上の写真のように極小さな花で、良く見ないと花が咲いているように見えません。
近くでじっくり見ると、青いきれいな花です。イガイガの果実も見られ、4個が固まって付いています。
後で調べると、花や果実の特徴から直ぐにオニルリソウと分かりました。
それにしても、ムラサキ科には小さな花が多く、草丈や葉の大きさとのアンバランスさは特筆ものです。

ノハラムラサキ(Myosotis arvensis)
<ムラサキ目・ムラサキ科・ワスレナグサ属>
   
ムラサキ科ワスレナグサ属の1年草、越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、1936年に千葉県で発見され、現在、本州と北海道の冷温帯、暖温帯に広がっている。
草丈は10〜50cmで、茎は直立して上部でよく分岐し、全体に白い軟毛がある。
葉は根生葉と茎葉があり、茎葉は互生し、根生葉は花期には枯れる。
葉身は長さ2〜4cmの長楕円形で、先は尖り基部はやや細くなって、全縁。
根生葉や下部の茎葉には葉柄があるが、上部の茎葉には葉柄はない。
花期は4月〜8月で、茎頂にサソリ型花序を付け、咲き進むにつれて真っすぐに伸びる。
花序に淡青色の花が互生して付き、次々と咲き進む。
花冠は直径3〜3.5oで、先が5深裂して平開し、中心の円形の部分は黄色い。
萼は5裂し、萼筒部には先の曲がった鉤状の毛が密生する。
花柄は萼よりも長くなり、花にも花序にも苞は付かない。

ノハラムラサキには似たものがあるが、花の大きさなどに違いがあり、下記の順になる。
ワスレナグサ>ノハラムラサキ>キュウリグサ>ハマワスレナグサ
6〜9mm  2〜3mm   2〜2.5o  2〜2.5o

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で、ムラサキ科であろう花を見つけました。
花の形や色彩、サソリ型の花序など、キュウリグサにそっくっりですが、一回り大きく、ごつい感じです。
後で調べると、ノハラムラサキと分かりました。花の大きさは上記のような順序だそうです。

キリンソウ(Phedimus aizoon var. floribundus)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・ウムビリクス連・キリンソウ属>
   
<沢入駐車場に近い路傍にて>
   
<沢入駐車場〜大阿原湿原の中間付近の路傍にて>
   
<入笠山の花畑にて>
ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の日当たりの良い岩場などに分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、シベリア東部に分布する。
草丈は30cmくらいまでで、葉は互生し、肉厚。
葉の長さ5p前後で、長楕円形。葉の中央から先端にかけて鋸歯がある。
花期は5月〜8月で、茎頂に平らな集散花序を付け、直径10mm強の黄色い花を多数付ける。
花弁は披針形で、花弁、萼片とも5枚、オシベは10本ある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇の沢入駐車場に近い路傍で見かけたキリンソウです。
花としては咲き終わりに近く、オシベが萎びて子房が目立ち始めたり、子房が大きくなっています。
中間地点で見かけたキリンソウは、日当たりが悪いのか、まだ、ツボミが多く、咲き始めたばかりでした。
入笠山の花畑で見かけたキリンソウは、ちょうど花の盛りで、きれいに咲いていました。

ハナチダケサシ(Astibe thunbergii var. formosa)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・チダケサシ属>
   
ユキノシタ科・チダケサシ属の多年草で、日本固有種。
本州中部地方の山地や亜高山帯の草地に分布している。
草丈は50cmを超え、茎は直立します。
葉は互生し、長さ10cmほどで、3回奇数羽状複葉。小葉は卵形で重鋸歯がある。
花期は7月〜8月で、茎先に円錐花序を出し、小さな白花をたくさん付ける。
花の直径は10mm弱で、花弁は5枚、オシベは10本ある。オシベは、花弁の半分ほどの長さ。
良く似たチダケサシは、花色が淡紅紫色で、花弁はオシベと同程度か少し長い程度しかない。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々でポツリポツリと咲いていました。
この辺りにはアワモリショウマが見られると聞いていたので、そうであろうと思っていました。
しかし、後で調べてみると、花も葉の形もアワモリショウマではなく、ハナチダケサシのものでした。
アワモリショウマの花は、花弁がさじ型で幅も広く、このような細長い花弁ではありません。
葉の形に関しても、アワモリショウマの小葉は基部が楔型で、幅も狭く、細いです。

ウバユリ(Cardiocrinum cordatum)
<ユリ目・ユリ科・ウバユリ属>
 
ユリ科ウバユリ属の多年草で、日本固有種。
関東以西の太平洋側および長野県、四国、九州に分布する。
草丈は60〜100cmで、鱗茎があり、茎は直立しする。
下部(基部ではない)に、長い葉柄のある葉を5〜6個輪生する。
葉身は長さ20cm前後、網状脈の卵状楕円形で、基部は心形で先は鈍形。
花期は7月〜8月で、十分に大きな鱗茎の場合、中心から中空の茎を真っすぐに立ち上げる。
茎葉は小さく、中ほどに数個付く。茎の頂部に花を数個〜8個ほど、横向きに付ける。
花色は緑白色で、長さは12〜17cmの細長い6個の花被片が、筒状に付き、先が少し開く程度。
6個のオシベの花糸は長さが少しずつ異なる。メシベの花柱は長く、柱頭は三角状。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々でポツリポツリと茎を伸ばしていました。
残念ながら、まだ、ツボミは硬く、花が咲くのはもう少し先になるようです。


ウバユリの花

   .
2013/8/3
八ヶ岳自然文化園の林内で見かけたウバユリです。この時はきれいに咲いていました。
毎年、8月の初旬に出かけるのですが、ツボミの事もあれば、咲いていることもあります。
年によって、同じ頃でも開花状況がかなり異なるのは、気象条件の違いが影響しているようです。


カワラマツバ(Galium verum var. asiaticum f. nikkoense)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヤエムグラ属>
   
アカネ科ヤエムグラ属の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。海外では朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
草丈は60〜80cmで、茎は丸くて硬い。冬季は葉と葉の間(節間)は短く、初夏に節間が伸びて花序を形成する。
葉は長さ1〜4cmの披針形で、上部の葉は小さくなる。6〜12個の葉が輪生しているように見える。
この輪生した葉は、このうち2枚のみが葉で、後は托葉が深裂して、葉のようになったものである。
花期は7月〜8月で、葉腋に円錐花序を付け、たくさんの白花を付ける。
花冠は直径2.5mmほどの4弁花が基本であるが、5弁花も混じる。オシベも同数。
平開した花冠の下部に、2個の球が接したような丸い子房がある。

2019/8/1
入笠山の花畑で見かけたカワラマツバで、花畑の下の方でちらほら見かけました。
小さな白花を鈴なりに付けていましたが、5分咲きといったところでしょうか。
5時過ぎですが、雷雨の影響で薄暗かったため、フラッシュを使っています。夜の写真みたいですね。

イケマ(Cynanchum caudatum)
<リンドウ目・キョウチクトウ科・ガガイモ亜科・イケマ属>
   
キョウチクトウ科イケマ属のつる性多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と広く分布する。
日本以外では、サハリンに分布する。
葉は長い柄があって対生し、葉腋から長い柄を出し、小さな花を多数つける。
黄緑色の花冠は深く5裂して反り返り、白い副花冠が花冠のように見える。
ガガイモ科特有の袋果を付け、秋には割れて長い種髭(白毛)を付けた種子が風で運ばれる。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々で蔓を這わせて花を付けていました。
5分咲き程度のものが多かったのですが、いろいろな昆虫が訪花していました。

イノデ(Polystichum polyblepharum)
<ウラボシ目・オシダ科・イノデ属>
 
オシダ科イノデ属の常緑のシダ植物で、在来種。
属名は、毛が密生する芽の様子が、イノシシの手のように見える事に由来する。
日本では本州の東北地方中部以西から四国、九州に分布する。
日本以外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は40〜80cmで、根茎は塊状、葉状体を放射状に斜上する。
葉柄は14〜22cmで葉身より短く、基部に茶色から茶褐色の鱗片を密生する。
葉柄基部の鱗片は幅が広く、広披針形で、縁に不規則な鋸歯がある。
中軸にも鱗片が密生し、上部になるほど鱗片の幅は狭くなる。
葉身は光沢があり、長さは40〜70cmの披針形で、2回羽状複葉。
上部の羽片は上向きになるが、下部羽片の数対が下向きになる。
なお、この数対が稀に3回羽状複葉になっているものがある。
小羽片は、先端が芒状に尖り、後側の鋸歯は明瞭だが前側は不明瞭である。
また、前側の基部は耳状に突き出ている。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々で斜面にちょっとした群落を作っていました。
少し大型のシダなので、連なって生えていると南国っぽい雰囲気になりますね。

ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)
<ヒカゲノカズラ目・ヒカゲノカズラ科・ヒカゲノカズラ属>
   
ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の多年草で、在来種。
日本では、沖縄以外の全国に広く分布する。
海外では、北半球の温帯から熱帯域の高山にまで広く分布し、変異が多い。
広義のシダ植物で、地表を這いまわるように広がり、針状の細い葉が、茎全体を覆うように付く。
茎には主茎と側枝の別があり、主茎は固く、匍匐茎となって2分枝しながら地を這う。
一方、側枝は短く、数回枝分かれし、主茎よりも葉を密に付ける。
夏、茎の所々から垂直に立ち上がる枝を出し、数回分枝して、先に胞子嚢穂を付ける。
胞子嚢穂は、長いもので10cmに達する円柱形で、胞子葉が密生したもので、淡黄色。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、石垣の上などで枝を伸ばし、胞子嚢穂を立ち上げていました。
右端の写真は、石垣に垂れ去ったもので、まっ直ぐに伸びているのが主茎です。
そこから左右に出ている短い枝が側枝で、針状の細い葉が密に付き、杉の小枝によく似ています。


ウマスギゴケ(Polytrichum commune Hedw.)
<スギゴケ目・スギゴケ科・スギゴケ属>
 
スギゴケ科スギゴケ属のコケで、在来種。雌雄異株。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、世界各地に広く分布する。
草丈は高さ5〜20cmと大型で、茎は直立して、枝分かれはしない。
葉は長さ6〜12mmの披針形で、乾くと葉は茎に沿うようにたたまれ、巻縮することはない。
葉の基部は鞘となり、葉鞘部は長さ6〜12mmの卵形。中肋(ちゅうろく)は葉先から短く突出する。
葉の縁は透明で、上向きの鋭い歯がある。薄板は腹面全体を覆う。
雌株からは長さ5〜10cmの剳ソが伸び、(さく)は帽の密生した毛にすっぽりと覆われている。
帽の毛の下に蓋のある凾ェあり、凾ノは稜がある。頸部のくびれは、帽の毛で見えない。
この凾フ頸部のくびれが、よく似たオオスギゴケとの識別点で、このくびれが深いのが特徴。

2019/8/1
大阿原湿原の木道脇で見かけた大型のコケで、剳ソをたくさん出していました。
凾ヘたくさん出していましたが、密生した毛で覆われ、頸部が見えません。
後で、写真を拡大して凾丹念に調べた所、1つだけ毛の隙間から頸部が見えていました。
頸部が大きくくびれていることが確認できましたので、ウマスギゴケとしました。

イワダレゴケ(Hylocomium splendens (Hedw.) Schimp.)
<ハイゴケ目・イワダレゴケ科・イワダレゴケ属>
 

 
イワダレゴケ科イワダレゴケ属の蘚類で、在来種。亜高山の林床、岩上、腐木上に生える。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、北半球全体とオーストラリア、ニュージーランドに分布する。
大型で長さは10〜20cm。茎は2〜3回羽状に分枝し、さらに不規則に羽状に分枝する。
前年度に成長した茎の途中から今年度の茎が出るので、植物体は全体として階段状になる。
年次の成長が明瞭で、1年に一段ずつ段を重ねるので、段を数えると成長年数が分かる。
枝は長さ8oほどで、葉を含めた幅は1〜3o。茎に中心束はない。
毛葉は密生して枝分かれし、茎葉は長さ2.5mm前後の楕円状卵形で、先は急に細くなって屈曲する。
葉の縁には、全周に細かい歯牙があり、中肋2本は短い。
雌雄異株。剳ソは長さ5〜25o。凾ヘ長さ2o前後で、卵形〜楕円形。
水平に付き、やや曲がる。蓋には嘴があり、口環もある。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々の石垣の上で群生していました。
場所によって、緑色で瑞々しい色のものと、褐色味を帯びたものが見られました。

ホソバミズゴケ(Sphagnum girgensohnii Russow)
<ミズゴケ目・ミズゴケ科・ミズゴケ属>
 
ミズゴケ科ミズゴケ属の蘚類で、在来種。海抜の高い湿地で多く見られる。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、インド、ネパール、ヨーロッパ、北アメリカ、グリーンランドに分布する。
比較的大型で、長さは15〜20cmで、黄緑色〜葉緑色で、淡褐色を帯び、赤くはならない。
茎は細く、茎の表層は3〜4個の細胞層からなり、薄くて透明。糸状の枝根はない。
枝は細く、開出枝より下に垂れる枝の方がかなり長くなり、先は細い。
茎葉は長さ1mm前後で、広舌形〜楕円状舌形。上半分に舷があり、基部は広くさび形。
枝葉は長さ1mm前後の卵状披針形で、覆瓦状に密に付き、上半部が強く反り返る。
雌雄同株異苞又は異株。造精器の枝は淡褐色で、造卵器の蕾は扁球形。雄苞葉は小さく、雌苞葉は大きい。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々の石垣の上で群生していました。
大型のミズゴケで、上部で多数の枝を出し、下に垂れる枝が横や上方の枝より長い。

コケ(不明種1)
<?>
 

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、石垣の上で群生し、たくさんの剳ソを出していました。
この写真の範囲内に2種類の形状が見られるので、2種のコケが混生しているのかもしれません。

コケ(不明種2)
<?>
 

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々の石垣の上で群生していました。
ミズゴケの仲間かもしれませんが、種類の特定には至りませんでした。

コケ(不明種3)
<?>
 

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々の石垣の上で群生していました。
特徴として、上部で幅広の葉を開いたように付けているので、直ぐに特定できるかと思いました。
しかし、似たような特徴のコケがいろいろあって、特定には至りませんでした。

ナガサルオガセ(Usnea longissima)
<チャシブゴケ目・サルオガセ科・サルオガセ属>
   
サルオガセ科サルオガセ属に属する樹状地衣類で、在来種。
日本では北海道、本州の中部地方以北に、海外では北半球の冷温帯に広く分布する。
亜高山帯〜高山帯の針葉樹林帯やブナ帯で、樹皮上に着生して数mの長さに垂れ下がる。
基本的な構造は円筒形で、直径は1〜2o。根元で二股に分かれ、その先では分枝しない。
皮層を欠き、灰緑色で主軸に直角に長さ1〜2cmの小枝をたくさん出す。
小器は直径2〜4mmの皿形で、稀に小枝上にに生じる。
樹皮に着生はするが、子嚢菌が空気中の水分を吸収し、藍藻が光合成を行って成長する。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、所々で斜面に生える樹の枝から垂れ下がっていました。
いろいろな長さのものが見られましたが、長いものでは数mは垂れ下がっていました。

ヤマヒコノリ(Evernia esorediosa)
<チャシブゴケ目・サルオガセ科・ヤマヒコノリ属>
 
サルオガセ科ヤマヒコノリ属に属する樹状地衣類で、在来種。
日本では北海道から本州にかけて分布し、海外では朝鮮半島に分布している。
針葉樹林帯の樹皮上に着生して、不規則に樹枝状に分枝する。
太さは3mm前後でやや扁平になり、深い皺がある。背腹性はなく、全体に帯緑黄色。
高さは5〜8cmになり、枝先に淡褐色で皿状の子器を生じる。
子嚢菌とシアノバクテリアが安定して共生し、子嚢菌が水や無機物を藍藻に与え、
藍藻がそれらを基に光合成で炭水化物を合成し、子嚢菌に与えて成長する。
国内には、ヤマヒコノリ属は3種知られているが、下記の違いがある。
・ヤマヒコノリは、背腹性はなく、裂芽も粉芽もない
・コフキヤマヒコノリは、背腹性はなく、粉芽がある
・ツノマタゴは、背腹性がある(北海道のみに分布)

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、側溝の中の枯れ枝の先に付いていました。
まだ、小さな株ですが、きれいな灰緑色で、分枝した枝は扁平で、背腹性はありませんでした。
また、粉を吹いたようにも見えないので粉芽はないと思われ、これらの点からヤマヒコノリとしました。

ハナゴケ(Cladonia rangiferina)
<チャシブゴケ目・ハナゴケ科・ハナゴケ属>
   
ハナゴケ科ハナゴケ属に属する樹枝状地衣類で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、北半球に広く分布し、南アメリカにも分布する。
日当たりのよい場所を好み、低地ではアカマツ林などの地上に群生することが多い。
北極圏には多く、地表一面が覆われていることもあり、トナカイの餌として重要になっている。
基本葉体は顆粒状の痂状で皮層がなく、子柄(しへい)が大きくなるころには消失する。
子柄は中空で直立して細い円柱状で、高さ50〜120mmになり、分枝の股に小さい穴がある。
子柄の表面は滑らかで、灰白色。不同長に繰り返し分枝し、先端は褐色で一方に傾く。
子器は子柄の枝の頂端に稀に付き、小さく、レキデア型で果殻は炭化しない。

日本で知られているのは7種ほどであるが、本種や下記が主な種である。
(1)ワラハナゴケ(C. arbuscula (Wallr.) Rabh. var. beringiana Ahti)
 ハナゴケによく似ているが、子柄が黄色を帯びて、低地から高山にかけて生育する。
 日本では北海道から四国にやや普通にみられ、北アメリカ、シベリアにも分布する。
(2)ミヤマハナゴケ(C. stellaris (Opiz) Pouzar et Vzda)
 高山帯に多く生育する。子柄の分枝が著しく、子柄全体、特に先端部は黄色を帯びる。
 枝がほぼ同長で放射状に分枝するため、全体に丸みをもった形となる。
 日本では北海道から本州中部にかけてみられ、アジア北東部、北アメリカにも分布する。
(3)ホソハナゴケ(C. tenuiformis Ahti)
 ハナゴケによく似た種類であるが、子柄が暗緑灰色で、枝の長さはやや不同。
 日本では本州北部にみられ、ロシアのウスリー川周辺、朝鮮半島、台湾にも分布する。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、石垣の上で他のコケと混生するように生えていました。
コケと名はついても樹枝状地衣類で、コケの仲間ではありません。
よく分枝し、分枝の股に穴が見られ、先端が褐色を帯びます。その褐色部のグラデーションがきれいです。

ウスツメゴケ(Peltigera dilacerata)
<ツメゴケ目・ツメゴケ亜科・ツメゴケ科・ツメゴケ属>
   
ツメゴケ科ツメゴケ属に属する地衣類で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、中国、台湾、ユーラシア、オーストラリア、ニュージーランド、北米に分布する。
地衣体は、湿った状態では背面は暗緑色を帯びた灰褐色で、乾燥すると緑褐色〜赤褐色になる。
腹面は、湿った状態では白色〜淡褐色で、白色脈による網目模様がある。
地衣体は直径が3〜7cmで、不規則に分裂し、裂片は平坦〜凹面でほぼ全縁である。
腹面の偽根は単生か叢生し、淡褐色〜褐色で、太くて長さは15mm以下。
地衣体裂片の先端が更に伸び、茶褐色の爪形の子器が付き、少し内に巻いて幅は3〜5mm。
緑藻(シアノバクテリア)と共生関係を持ち、安定した植物体を造る。
菌類は地衣体の中で安定した生活の場と水や無機物を藻類に与え、藻類が光合成を行う。

2019/8/1
沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇、石垣の上で他のコケを押し退けるように生えていました。
最初に見かけたとき、茶色い子器は、先が丸まって枯れているように見えました。
しかし、近くでよく見ると、枯れているのではなく、先端に茶色い子器が付いているのだと分かりました。
後で調べると、似たものがあったのですが、裂片の形状や子器の形状などからウスツメゴケとしました。









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