沢入登山口から3時間かけて登ってきた大阿原湿原。本州にある高層湿原の南限だそうです。
遠くで雷鳴が鳴り始めたので、150mほどある木道の端まで行って、戻ってきました。
途中、木道脇で苔の間から特徴のある葉を出しているモウセンゴケに合えました。
展望台では、散策を終えたのでしょうか、数人の女性がお昼を楽しんでいました。
その脇を抜け、その先の木道の所から見た大阿原湿原です。
湿原の中にちょっとした林が出来ており、乾燥化が進んで高層湿原としては老年期に入っています。
木道の左右で、湿原の植生が異なっており、見た印象もかなり異なります。
左側は瑞々しい黄緑色の葉を立ち上げたシダが覆い尽くし、右側はスゲの仲間が覆っています。
光の当たり方による違いもありますが、左側は明るく清々しい春のような印象です。
一方、右側はスゲの仲間が主なので、緑色の葉が覆っていて、何となく重苦しい印象を受けます。
このスゲの葉の間から、ウマノアシガタの黄色い花が所々で顔を出していました。
泥炭の堆積によってできた地下水面より高い土壌は、貧栄養・強酸性の土壌です。
そのため、このような土壌に適応できるミズゴケやモウセンゴケなどしか生育できないそうです。
木道脇のコケのなかからモウセンゴケが、その独特な葉を伸ばしていました。
八ヶ岳ビューポイント
大阿原湿原から入笠山の花畑に向かう途中に、八ヶ岳ビューポイントがあります。
天気が良ければ八ヶ岳が正面によく見えるのですが、あいにくの天気でかすかに見える程度。
遠くに聞こえていた雷鳴が近づいてきて、雨もポツリポツリと落ち始めました。
麓の富士見町越しに八ヶ岳連峰が薄っすらと見えていますが、その上には雷雲が見えます。
入笠山の方にも発達した雷雲が広がって来ていて、ゴロゴロとにぎやかです。
この後、雨がポツリポツリと落ちてきたので、急いで花畑の方へ向かいました。
入笠山の花畑
入笠山の御所平登山口、その直ぐ傍に広がるのが入笠山の花畑です。
そんなに広くはないですが、鹿害防止用の柵に囲まれていて、いろいろな花が見られます。
残念ながら、雷鳴が遠のいたり近づいたり、雨も降ったり止んだりとあいにくの天気です。
そのため、薄暗くなっていて、カメラで写真を撮ろうとしてもスローシャッターになってしまいます。
あまり使いたくはないのですが、止む無く、ストロボを使っての写真撮影となりました。
入笠湿原の方にも行きたかったのですが、カミナリが近づいてきているので諦めました。

花畑の下の方に広がっていたのはカラマツソウで、かなりの数が群生していました。
それを取り囲むように、シシウドがポツリポツリと見られました。

その上の方で見かけたのは、ちょっとしたシモツケソウの群落です。赤い花が目立っていました。

そのさらに上部には、シモツケソウに混じってゼンテイカ(ニッコウキスゲ)も咲いていました。
この花畑には、これら以外にもいろいろな山野草を見ることができました。
主なものは下記の花々ですが、詳細に関しては
こちらをご覧ください。

クガイソウ キリンソウ

ハクサンフウロ ヤナギラン
カミナリと雨がひどくなってきたので、撮影はあきらめて、八ヶ岳ビューポイントへ戻りました。
ここから星空を撮れたらと思っていたのですが、なかなか雨が止まず、うとうとしてしまいました。
気が付くと既に日は落ちて真っ暗になり、雨は止んでいたのですが、霧が辺りを包んでいました。
星空どころではありません。霧が晴れないか待っていましたが、どんどんひどくなる一方でした。
しばらくは霧が晴れることはないと、撮影はあきらめて、下山することとしました。
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