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園内で見かけた昆虫



花を主体にした公園なので、いろいろな昆虫が見られるのではないかと期待していました。
しかし、手入れが行き届いているためか、それほど多くの昆虫は見られませんでした。
何種類かのホウジャクも飛び回っていたのですが、中の方を飛んでいたので撮れていません。
小さなハチやハエ、アブの類はちょくちょく見られたのですが、これらも追えなくて撮れていません。
花園の周辺部で花に止まったり、飛んでいるもののみとなってしまいました。

< トピック >
今回、新たに見かけた下記の昆虫を追加しました。
ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、オオフタオビドロバチ、
クロアナバチ、コマルハナバチ、イチモンジカメムシ



チョウ目・アゲハチョウ上科
シロチョウ科(モンシロチョウ)
タテハチョウ科(アカタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン)
ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科
スズメバチ科(オオフタオビドロバチ)
ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科
アナバチ科(クロアナバチ)
ミツバチ科(クマバチ、コマルハナバチ、ニホンミツバチ)
カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目
カメムシ科(イチモンジカメムシ)
園内で見かけた昆虫
和名インデックス


モンシロチョウ(Pieris rapae)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
シロチョウ科・シロチョウ亜科・シロチョウ族・モンシロチョウ属>
 
シロチョウ科モンシロチョウ属に分類されるチョウの一種で、在来種。
日本(全国)を含め、全世界の温帯、亜寒帯に広く分布する。
広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれている。
日本に分布するのは亜種「Pieris rapae crucivora」とされている。
幼虫の食草はキャベツ、アブラナなどのアブラナ科植物で、それらの栽培域の拡大に伴い分布を広げてきた。
日本のモンシロチョウは、奈良時代に大根の栽培と共に移入されたと考えられている。
成虫は3月〜11月頃まで長期間見られ、年に4〜5回ほど発生するが、時期や回数は地域によって異なる。
開長は45〜50mmで、前翅の基部半分ほどが灰白色なのがメスで、オスは翅の付け根のみ灰白色。
オスはメスを探して飛び回るので、長時間飛び回っている個体の多くはオスである。
オスはメスを見つけると交尾しようとするが、交尾済みのメスは翅を広げ、腹部を突き上げて拒否する。
幼虫は、孵化後、4回脱皮して終齢幼虫となり、その後蛹になる。越冬は蛹で行う。

2022/7/26
シロツメクサを訪花して、盛んに吸蜜しているモンシロチョウを見かけました。
飛翔している所を撮りたいと粘ったのですが、なかなかタイミングが合いません。
なんとか1枚だけ撮れましたが、急減速して止まるために翅を振り下ろしたところです。
もう0.0何秒か早ければ、もう少し翅を開いていた所が撮れたでしょうね。
その差は、人のタイムラグ(0.何秒)より1桁早いので、運しだいといったところでしょうか。

アカタテハ(Vanessa indica)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・アカタテハ属>
 
タテハチョウ科アカタテハ属のチョウで、日本では、ほぼ全国で普通に見られる。
海外では、インドから東南アジア、オーストラリア、日本まで広範囲に分布している。
前翅長は30〜35o、開張は60〜70oになる。
前翅の先端は黒地に白斑、前翅の中央部には橙色地に黒斑があり、ヒメアカタテハによく似ている。
しかし、後翅は外縁以外が黒褐色で、ヒメアカタテハが前翅同様に橙色地に黒斑がある点で異なる。
冬は、成虫で越冬するが、暖地では幼虫で越冬する事もある。
2021/10/11
ブルーサルビアの花をアカタテハが訪花していました。
成虫で越冬するため通年で見られるチョウですが、最近は数が減っているようです。

ヒメアカタテハ(Vanessa cardui)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・アカタテハ属・ヒメアカタテハ亜属>>
 
タテハチョウ科ヒメアカタテハ亜属に属する蝶で、在来種。
日本を含め、南極大陸以外の大陸に分布している。
日本でもほぼ全国でみられるが、数はあまり多くない。
冬は、暖地では成虫でも幼虫でも越冬する。
成虫の前翅長は25〜33mmで、開張は40〜55oになる。
前翅の先端は黒地に白斑、前翅の中央部には橙色地に黒斑があり、アカタテハによく似ている。
しかし、後翅は前翅同様に橙色地に黒斑があるのに対し、アカタテハは外縁以外が黒褐色と異なる。
移動性が高く、夏から秋にかけて、温暖地から寒冷地に向かってどんどん分布を広げる。
そのため、秋には個体数が増え、寒冷地でも見られるようになるが、寒さに弱いので越冬はできない。
幼虫の食草は、キク科のハハコグサ、ヨモギ、ゴボウなどで、成虫は各種の花を訪花して吸蜜する。
なお、アカタテハは花以外に樹液や腐果にも集まるが、本種は花以外には集まらない。
本種は、ヨーロッパでは大移動することが確認されている。
その距離、北は北極地方にほど近い所から南は熱帯の西アフリカまで実に15,000kmである。
北アメリカのオオカバマダラは渡りで有名であるが、その移動距離の倍近い距離になる。
夏の終わり頃、何百万匹という大集団になって渡りをするが、飛翔高度は500m以上と高空である。
また、渡りに都合の良い風を待ち、それに乗って平均時速45kmという高速で長旅をする。
そのため、大群であるにもかかわらず、渡りが人目に触れることはほとんどなかった。
また、この長旅は一往復を6世代に渡って行なわれるとされている。

2022/7/26
天空の花壇に植えられていたノゲイトウ、この花にはいろいろな昆虫が訪花していました。
その1種がヒメアカタテハで、昨秋にアカタテハにも会いましたので、2種と会えたことになります。

ツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・ドクチョウ亜科・ヒョウモンチョウ族・ツマグロヒョウモン属>>
 
タテハチョウ科ツマグロヒョウモン属のチョウで、在来種。
日本を含め、中国、朝鮮半島、オーストラリア、インドと熱帯・温帯に広く分布している。
日本では本州南西部から四国、九州等に生息しているが、近年、関東甲信越、北陸地方の平野部に進出している。
冬は幼虫や蛹で越冬し、年に数回発生する。
メスの前翅先端部が黒色で、その中に斜めの白帯を持つ。この特徴が名前の由来。
なお、オスには黒色部や白帯は無く、典型的なヒョウモンチョウの模様になる。
ただ、後翅の外縁部が、メスと同じように黒に白い模様が入っていることで区別可能。
ツマグロヒョウモンの終齢幼虫は、体長30mm前後で、黒色の背中に赤い筋模様が1本ある。
各節に刺状突起が各々6個あり、頭部側は真っ黒で、腹部側は基部が赤くて、先が黒い。
見るからに毒々しい警戒色をしているが、刺には毒はなく、刺すこともない。

2022/7/26
天空の花壇に植えられていたノゲイトウ、この花にはいろいろな昆虫が訪花していました。
その1種がツマグロヒョウモンのオスで、ここを縄張りにしているようです。
そのため、別のオスが入ってきたり、キアゲハが入ってきても、猛然とアタックしていきます。
そのためなのでしょう。このオスの翅はかなり傷んでいました。
別の花に来ていたオスは生まれて間もないのか、翅は全く傷みが見られませんでした。

オオフタオビドロバチ(Anterhynchium flavomarginatum micado)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科・フタオビドロバチ属>
 
スズメバチ科ドロバチ亜科のハチで、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州、南西諸島とほぼ全国に分布する。
体長は10〜21mmで、体色は黒色で、腹部に2本の黄色帯、頭部、前胸部背板などに黄色班がある。
巣は、竹筒やカミキリムシの脱出孔に泥で仕切りを作って営巣する。
その泥で仕切った育室に、ガの幼虫を狩って、餌として貯食する。
そのため、ハマキガやメイガなどの重要な天敵となる。
成虫の活動期間は5月〜10月で、餌は花蜜である。幼虫で越冬する。

2022/7/26
天空の花壇に植えられていたノゲイトウ、この花にはいろいろな昆虫が訪花していました。
その1種がオオフタオビドロバチで、吸蜜するために訪花してきたようです。

クロアナバチ(Sphex argetatus fumosus)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・アナバチ科・アナバチ亜科・オオアナバチ属>
 
アナバチ科オオアナバチ属のハチで、在来種。光沢のある真っ黒な大型のアナバチである。
日本では、北海道から、本州、四国、九州とほぼ全国に分布している。
出現時期は6月〜8月で、体長はメスで25〜30mm、オスはメスより小型である。
頭部や胸部に白色の毛があり、暗褐色の不透明な翅を持つ。
成虫は花の蜜を食料とするが、幼虫は親の狩ったキリギリスの仲間を餌とする。

2022/7/26
天空の花壇に植えられていたノゲイトウ、この花にはいろいろな昆虫が訪花していました。
その1種がクロアナバチで、何匹かが飛び回っていましたが、大きくて黒いので目立ちます。
オオフタオビドロバチ同様、吸蜜するために訪花してきたようです。

クマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・クマバチ亜科・クマバチ族・クマバチ属>
 
日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。
日本は、北海道南部から屋久島にかけて生息している。
体長は2cmで、ずんぐりとした体形で、全身が黒色。胸部に黄色い細毛が多数生える。
胸部以外の毛は黒色で、体長の割に小さめの翅を持ち、翅の色も黒い。
成虫の寿命は、数年といわれ、同じ巣穴を何年も使い続ける。
オスは、縄張りを持ち、春先に近づく物に接近する習性がある。
縄張りに入った他のオスを追い払ったり、交尾のためメスか確認するためである。
人にも近寄って来ることがあるが、オスは毒針を持たないので、慌てずに無視すれば良い。
なお、オスは、頭部中央に白っぽいおむすび状のものがあるので判断できる。
メスは、オスより目が小さく離れていて、全面真っ黒である。
毒針を持つが、手を出さなければ刺されることはないので、慌てて手で払ったりしないことが重要。
口永良部島から南では、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチが生息している。
小笠原諸島には、オガサワラクマバチが生息している。
2021/10/11
サルビアの花を次々と訪花しながら、あちらこちらを飛び回っていました。
花が豊富に咲いているため、かなりの数のクマバチが見られました。
ちなみに、この個体は頭部に白いおにぎりを付けていないのでメスです。

コマルハナバチ(Bombus ardens ardens)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・マルハナバチ族・マルハナバチ属>
 
ミツバチ科マルハナバチ属のハチの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
出現時期は3月〜10月で、越冬した女王バチが春先から活動を開始する。
他のマルハナバチ同様、林床の地中に営巣する社会性のハナバチだが、6月頃にはコロニーが解散してしまう。
そのため、6月頃にオスが見られるようになり、同時に新しい女王バチも巣立っていく。
オスの体長は15o前後で、淡黄褐色の毛で覆われ腹端がオレンジ色をしている。短命で、寿命は1ヶ月程度。
メスは、黒色の毛で覆われ腹端がオレンジ色をしており、女王バチも働きバチ(メス)も同様である。
なお、女王バチは体長20o前後、働きバチは15o前後で、オスと同じような大きさである。

コマルハナバチとクロマルハナバチのメスは酷似しているが、下記の点で区別可能である。
・クロマルハナバチの毛並みは、刈り揃えられたように上面が揃った長さで平らに見える
 コマルハナバチの毛並みは、長さがバラバラで、ボサボサしてみえる
・後脚の基附節の形が異なり、瘤状の湾曲があればクロマルハナバチ、湾曲がなければコマルハナバチ
・クロマルハナバチの翅の外縁は黒く曇るが、コマルハナバチの翅は先端が暗色を帯びる程度

2022/7/26
天空の花壇に植えられていたノゲイトウ、この花にはいろいろな昆虫が訪花していました。
その1種がコマルハナバチで、吸蜜するために訪花してきたようです。
ブルーサルビアの所でも見かけましたが、この時期にはコロニーは解散しているはずです。
よく見かけたコマルハナバチ(働きバチ)より一回り大きいので、新女王バチと思われます。

ニホンミツバチ(Apis cerana japonica Radoszkowski)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・ミツバチ族・ミツバチ属>
 
日本の固有種で、トウヨウミツバチの亜種。韓国に生息するトウヨウミツバチの近縁種になる。
セイヨウミツバチと比べると、腹部が黒っぽく、セイヨウミツバチのようにオレンジ色にはならない。
天敵のオオスズメバチに対して、蜂球を作って内部温度をオオスズメバチの致死温度48℃にする必殺技を持つ。
セイヨウミツバチと比較すると、蜜の収集能力は劣る。
体長は、働きバチで10〜13mm、雄バチで12〜13mm、女王バチでは13〜17oある。
腹部の黒い帯模様はほぼ等幅で、全体に黒っぽく、セイヨウミツバチのような黄褐色部はない。
働きバチが、卵から成虫になるのに要する期間は19日で、女王バチは15日である。
女王バチは1週間ほどで成熟し、交尾飛行に出て、交尾後巣に戻る。
巣に戻るとと、元の女王は半数の働きバチを連れて出て行って蜂球を作り、分蜂が起こる。
働きバチが偵察に出て、新しい巣が見つかると一斉にその場所に移動して分蜂完了となる。
2022/3/15
菜の花を訪花しているものには、いろいろなアブやハチが見られました。
その中で、何とか撮影できたのはこのニホンミツバチのみでした。
オオハナアブなどのアブも飛び回っていたのですが、時間が取れなくて撮影できていません。
子供が触ったりするのでしょう。ハチには触らないようにアナウンスが流れていました。
ただ、ミツバチとハナアブが区別できる人はそう多くないような気がします。
多くのアブが飛び回っていましたので、この放送で花に触る人は減る効果はあるかもしれません。

イチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・カメムシ亜科>

カメムシ科カメムシ亜科のカムムシで、在来種。
日本では、本州から四国、九州、西南諸島に分布する。
出現時期は5月〜10月で、体長が9〜11mmの淡黄緑色で、前胸背に横帯がある。
この前胸背の横帯は、オスでは淡紅色であるが、メスでは白〜淡緑色になる。
横からは腹部各節にある黒い気門が目立つ。
前翅も後翅も極めて透明感が高く、腹部背板は透明感のある緑色をしている。
幼虫、成虫ともマメ科植物に寄生し、ダイズ、インゲンなどマメ科作物の害虫である。
年1〜2回(九州など南方では3〜4回)発生し、成虫で越冬する。

2022/7/26
天空の小径の下に続く斜面でモモイロツメクサを撮影していたときに見かけました。
近づくと葉裏にそそくさと隠れます。最初、小さく見えたので幼虫かと思いました。
写真が撮れないので、葉を揺らすとブーンと飛んで、近くの葉に移動しました。
それで、成虫だと分かったのですが、直ぐに隠れるので、追いかけっこになりました。
なんとか、見える位置で撮影できたのですが、葉が邪魔で上面からは撮れませんでした。
後で調べて、イチモンジカメムシと分かりましたが、横帯が淡紅色なのでオスですね。









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