和名インデックス
|
ヒマワリ(Helianthus annuus)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ属> キク科ヒマワリ属の1年草で、北アメリカが原産地。 草丈は1〜3mで、茎は直立し、剛毛があるものが多い。 葉は互生し、葉身は長さ10〜40cmの卵形で、基部は楔型〜心形。 縁には鋸歯があり、普通、葉裏には剛毛がある。葉柄は2〜20cm。 花期は7月〜9月で、頭花は長花柄上に単生するか、またはまばらな散形花序を形成する。 頭花の直径は10〜40cmと大きく、ロシアヒマワリでは60cmに達するものもある。 花序柄は長さ2〜20cmで、総苞は半円形〜平皿状で、直径2〜20cm、総苞片は数十ある。 総苞片は、長さ15〜30mmの卵形〜狭卵形で、先は急に窄まって長く尖る。 周辺小花(舌状花)は数十個あり、小舌の長さ25〜50mmで鮮黄色。 中心小花(筒状花)は数百個あり、花冠の長さは5〜8oで、裂片は帯赤色。 葯は褐色〜黒色で、付属体は黄色か暗色。花柱の枝は黄色。 開花は、最初に最外周の周辺小花(舌状花)が開き、中心小花(筒状花)が内側に向かって咲いていく。 中心小花は咲くと、中なら筒状のオシベが現れ、その中にメシベが包み込まれている。 オシベが成熟して葯から花粉が出ると、中のメシベの花柱が伸び出し、柱頭が2裂して開く。 花後、たくさんの種子(痩果)がでるが、その並び方はフィボナッチ数列になっている。 つまり、種子の並びに見える時計回りと反時計回りの螺旋の数が21-34、34-55などになる。 この数列がフィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233....)になっているそう。 頭花の円の中に種子を最大限詰め込むと、おのずとこの数列になる並び方になるそうです。 この数値の比は黄金比(1.161803〜)になるそうで、何というか、自然は偉大というか、素晴らしい。
2005/7/30
明野サンフェスの会場で見たヒマワリです。一面を黄色いヒマワリの花が埋め尽くしていました 中央2枚の写真のように花色が異なるものが見られますので、ここでは2品種以上が使われていたようです。 また、下段はヒマワリの花の咲き進んでいく様子が分かるように並べたもので、左端が咲き始めです。 最左端では外周部の筒状花のみが咲いていますが、それが中心付近まで咲き進んだのが3枚目の写真です。 右端では、咲き終わって舌状花が落ち、外周部の種子がかなり大きくなってきたものです。 上記は、筒状花の変化が分かるように、前述の写真の一部を拡大したものです。 左と中央の写真で、中心付近の黄緑色〜黄色の部分は、ツボミの筒状花です。 その外側で、暗褐色に見える棒状の物は、開花した筒状花からオシベが伸び出したものです。 オシベの先に付く葯は暗褐色で、成熟すると黄色い花粉が出て、先端が黄色くなっています。 その外周側で、中央から白っぽい棒状のものが伸び出しているのが、メシベの柱頭です。 受粉が完了すると、柱頭が落ちて中央写真の最外周のような、5裂した花冠が見えるようになります。 種子が成熟してくると、右側写真のように黄色い花冠も落ち、種子の頭が見えるようになります。 ヒマワリの花托には苞(パレア/paleae)があり、種子はその中にあるので、最初は右写真のように白っぽいです。 この種子の並びを見ると、時計回りと反時計回りの螺旋に沿って並んでいるのが分かると思います。 この各々の螺旋の数がフィボナッチ数列の隣り合う数値(ex.時計回り34、反時計回り55)になるそうです。 私には、いくつものヒマワリで、その数を数える根気はありません。それを数えた方には脱帽です。 |
ヤナギラン(Chamerion angustifolium)
<フトモモ目・アカバナ科・ヤナギラン属> アカバナ科ヤナギラン属の多年草で、在来種。 日本では、北海道、本州の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に分布する。 海外では、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの北半球の冷温帯に広く分布する。 草丈は1m以上になり、ほとんど分枝しない。葉は互生する。 枝先に総状花序を付け、紅紫色の花が咲き上っていく。 花弁、萼片とも4枚で、オシベは8本、メシベの柱頭は4裂する。 山火事の跡地や、伐採跡地に群落を作るパイオニア植物で、英名の「Fireweed」もそのことを示しています。
2005/7/30
富士見高原ゆりの里で見かけたヤナギランです。 ゲレンデのほとんどの部分をユリの花が埋め尽くしている中で、この一角にだけヤナギランが見られました。 ゲレンデを作るために木々を伐採した際、その跡地に侵入してきたものが除草されずに残されているようです。 比較的大きなピンクの目立つ花なので、黄色いユリの花とお互いが引き立てあうからでしょうか。 |
オリエンタル・ハイブリッド(Lilium Oriental Hybrids)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属> ユリ科ユリ属の多年草で、日本が原産地の園芸品種群。 ヤマユリやカノコユリ、タモトユリなど、森林に咲くユリを交配して作られた品種群である。 そのため日陰を好み、香りのある優雅で華麗な花が魅力で、「カサブランカ」が有名である。 草丈は60〜240cmと大型で、葉は互生し、長さ10〜20cmの披針形である。 花期は6月〜7月で、椀形〜扁平形の大輪花で、花被片が反曲するものもある。 普通、強い芳香があり、花を横向きに咲かせるものが多いが、稀に上向きのものもある。 カサブランカは純白であるが、ピンクや赤色の品種もある。
2005/7/30
富士見高原ゆりの里で見かけたオリエンタル・ハイブリッドです。 大輪で花被片が反り返っていて、横向きに咲き、強い芳香があります。 以下は、オリエンタル・ハイブリッドと思われる花ですが、名板がなかったので確証はありません。 |
スカシユリ(Lilium maculatum Thunb.)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属> ユリ科ユリ属の多年草で、日本固有種。 海岸の砂礫地や崖などに生え、太平洋岸と日本海岸に隔絶分布している。 中部地方以北の太平洋岸に分布する個体群は、イワトユリと呼ばれることもある。 この個体群から分化した変種が、山地生のミヤマスカシユリである。 北陸地方以北の日本海岸に分布する個体群は、イワユリと呼ばれることがある。 この個体群から分化した変種が、山地生のヤマスカシユリである。 地下に卵形で肉質、白色の鱗茎を持ち、茎は直立して稜角がある。 草丈は20〜60cmで、茎の下部には乳頭状突起があり、若い茎には白い綿毛が見られる。 葉は互生し、長さ4〜10cmの披針形で、全縁。葉柄はなく、葉の表面には光沢がある。 花期は6月〜8月で、茎頂に総状花序を付け、1〜数個の花を上向きに咲かせる。 花は直径10cm前後、長さ7〜10cmの杯状。花弁は橙赤色で、内面に赤褐色の斑点がある。 花被片内側の中央脈に沿って密に毛があり、花被片の間には隙間があり、これ和名の由来。 オシベはメシベより短く、花粉は赤褐色である。果実は長さ4〜5cmの倒卵状楕円形の刮ハ。 スカシユリは、古くより栽培、育種の対象となり、交配の母種として使われることが多い。
2005/7/30 富士見高原ゆりの里で見かけたスカシユリの園芸品種です。 茎頂に上向きに花を咲かせ、花被片の間に隙間が見られるのが特徴です。 以下は、スカシユリと思われる花ですが、名板がなかったので確証はありません。 |