ホーム旅の見聞録等覚院のツツジ>等覚院で見た昆虫


等覚院で見た昆虫



等覚院のツツジ見に出かけた際、その境内で見かけた昆虫たちです。
ツツジを見るために移動している際、目についたもののみですので、3種類だけです。
ただ、その内の1つ、タケウチトゲアワフキはなかなか見られない珍しいもののようです。
偶然とはいえ、その珍しいタケウチトゲアワフキに会えたのは、ラッキーでした。



カメムシ目・カメムシ亜目
サシガメ科(アカシマサシガメ)
カメムシ目・ヨコバイ亜目
アワフキムシ科(タケウチトゲアワフキ)
コウチュウ目・カブトムシ亜目
ハムシ科(ニホンケブカサルハムシ)
等覚院で見た昆虫
和名インデックス


アカシマサシガメ(Haematoloecha nigrorufa)
<カメムシ目・カメムシ亜目・トコジラミ下目・サシガメ上科・
サシガメ科・ビロウドサシガメ亜科・アカシマサシガメ属>
 
サシガメ科アカシマサシガメ属に属するカメムシで、在来種。
日本では、本州から四国、九州、伊豆諸島、対馬、壱岐に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
体長は11〜13mmで、頭部は黒く、胸部は赤い地色に黒い十字型の陥没部がある。
小楯板は黒く、前翅は腹部背面をほぼ覆い、黒い前翅の前縁部と中央に赤い部分がある。
前翅からはみ出ている腹部側面は、赤と黒のブチ模様になっている。腹面はと黒い。
触角は黒く、歩脚は黒色で、関節の所が赤みを帯びる。歩脚の内、第1脚の腿節は特に太くなっている。
発生は年1回で、活動時期は4月〜11月。新成虫は7月〜8月に羽化し、成虫で越冬する。
幼虫、成虫とも地上性小型昆虫類(ヤスデ、ダンゴムシなど)を捕らえ、体液を吸う。

2019/5/4
等覚院の全景を上の方から見ようと、裏山に続く道を上っているときに見かけました。
赤と黒のツートンからのカメムシで、似たような配色のカメムシは見たことがあります。
地面近くにいたのは、餌が地上性小型昆虫類なので、餌探しをしていたのでしょう。
かなり目立つ配色なので、小さくても目に止まります。


赤黒模様のカメムシ

   
 <アカシマサシガメ>       <ヒメホシカメムシ>
   .
  <ジュウジナガカメムシ>        <ヒメマダラナガカメムシ>

似たような赤と黒のツートンの模様を持つ、カメムシたちです。
斑紋が異なるため間違えることはないと思いますが、パッと見てわかる人はかなりの通ですね。

ヒメホシカメムシ(Physopelta parviceps)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ナガカメムシ上科・オオホシカメムシ科>
アカメガシワ、シイ、クワなどの花や果実に集まり、それらを吸汁するカメムシです。

ジュウジナガカメムシ(Tropidothorax cruciger)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ナガカメムシ上科・ナガカメムシ科・マダラナガカメムシ亜科>
成虫、幼虫ともガガイモ、イケマなどのガガイモ科を吸汁する。
革質部の縁にある赤い十字が特徴で、前胸背の黒斑がヒメジュウジナガカメムシより細長い。

ヒメマダラナガカメムシ(Graptostethus servus)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ナガカメムシ上科・ナガカメムシ科・マダラナガカメムシ亜科>
海岸沿いのハマヒルガオなどに多く、ヒルガオ科の植物の汁を吸うカメムシです。
なお、翅の黒い斑紋には変異が多く、写真のようなものから黒い部分がなく真っ赤なものまで多様です。


タケウチトゲアワフキ(Machaerota takeuchii)
<カメムシ目・ヨコバイ亜目・アワフキムシ上科・アワフキムシ科・トゲアワフキムシ亜科>
 



アワフキムシ科トゲアワフキムシ亜科に属するトゲアワフキムシの1種で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
体長は5〜8mmで、その特徴は、何といっても背中にある長大な棘である。
体色は黒色で、小楯板が変化した大きな刺の基部などに黄褐色の斑紋がある。
翅はベッコウ色で、基部は黒色。翅脈が盛り上がっている。
発生時期は5月〜6月で、寄主はシナノキ科のシナノキ、オオボダイジュ、ヘラノキなど。
幼虫は、泡が固化して堅牢な筒状の巣になり、その中にいる。巣の口は、下向きに開口している。

2019/5/4
等覚院の山門から階段を上がって左側に、たぶん、ボダイジュと思われる樹があります。
その若い枝に、小さな黒い虫が点々と付いていました。
近づいてよく見ると、背中に立派な棘を持っていて、ツノゼミのような形をしています。
見たのは初めてでしたので、後で調べましたが、直ぐにタケウチトゲアワフキと分かりました。
局所的に発生する珍しいアワフキムシの仲間でした。
胸部背面は左右に角状に張り出し、後方に棘状に飛び出したものは小楯板が変化したものだそうです。
角状の基部などには淡黄褐色の模様があり、褐色の羽には翅脈が浮き出て、なかなかお洒落です。

ニホンケブカサルハムシ(Lypesthes japonicus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・
ハムシ科・サルハムシ亜科・ケブカサルハムシ属>
 
ハムシ科ケブカサルハムシ属の甲虫で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、対馬に分布している。
体長は6〜7mmで、背面に褐色の毛が密生しているが、抜け落ちてしまうことも多い。
出現時期は4月〜7月で、ヤブツバキ、ケヤキ、ソメイヨシノなどの葉を食べる。
見かけはクチブトゾウムシによく似ているが、触角の形状が異なる。

2019/5/4
等覚院の山門から階段を上がって左側に、たぶん、ボダイジュと思われる樹があります。
そこに点々と付いていたタケウチトゲアワフキを撮影していて、ゾウムシのようなものを見つけました。
取り合えず写真を撮って後で調べたのですが、クチブトゾウムシの仲間に似たものはいても一致しません。
その時、触角の先がゾウムシのような根棒状になっていないことに気が付きました。
葉を食べた後が見えたので、ひょっとしてと、ハムシの仲間を調べてみると、居ました、そっくりさんが。
ケブカサルハムシとニホンケブカサルハムシに似ていますが、食草が合いません。
ケブカサルハムシはタブノキ、ニホンケブカサルハムシはツバキとかケヤキなどが食草です。
他に候補がないので、頭部、胸部、歩脚の特徴からニホンケブカサルハムシとしました。
ただ、明瞭な識別点がはっきりしないので、ケブカサルハムシの可能性もあります。











inserted by FC2 system