ホーム旅の見聞録深大寺>深大寺周辺で見られた植物

更新:2018/11/10

深大寺周辺で見られた植物



深大寺の近くには神代植物公園があります。
残念ながら、深大寺に行った日は神代植物公園が閉園されており、中を見ることはできませんでした。
そのため、深大寺の境内やその周辺で見かけた、極わずかな植物の写真のみとなってしまいました。

いつか、機会があったら神代植物公園を散策したいと思っています。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キク目
キク科(ダンドボロギク、ヤブタバコ)
ムクロジ目
ムクロジ科(トチノキ、ムクロジ)
和名インデックス


ダンドボロギク(Erechtites hieracifolia)
<キク目・キク科・キク亜科・タケダグサ属>
 

   
キク科タケダグサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
1933年に、愛知県の段戸山で最初に発見されたため、「ダンド」が名に付いている。
現在では、北海道から本州、四国、九州と全国で確認されている。
草丈は1mを超え、茎は直立して無毛。葉は互生し、無柄。長さ15p前後の狭披針形で、粗い鋸歯がある。
花期は9月〜10月で、茎頂のまばらな円錐花序に、多数の頭花を上向きに付ける。
舌状花はなく、中心の両性花、その周りの雌性花は、共に筒状花で、長さは12mm強。
花冠は白色で、雌性花の花冠は狭い。総苞は無毛で、下部がやや膨らんだ円筒形。
総苞内片は1列にきれいに並び、外片は極短い。なお、花後、基部の膨らみが大きくなる。

2018/9/18
神代植物公園の駐車場近くで見かけたダンドボロギクです。
花は地味ですが、辺りに背の高い草がないので、一際目立っていました。。

ヤブタバコ(Carpesium abrotanoides)
<キク目・キク科・キク亜科・オグルマ連・ガンクビソウ属>
 

   

キク科ガンクビソウ属の越年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、琉球列島まで広範囲に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、ベトナム、インド、ネパール、ミャンマーに分布する。
草丈は50〜100cmで、茎は太く、軟毛があり、よく分枝する。枝は水平に近く、長く斜上する。
根生葉は花期にはなく、下部の茎葉は長さ20〜35cmの広楕円形で質は薄く、短毛が生える。
葉の基部は狭くなり、広い翼のある葉柄に流れる。葉先は尖り、縁に不規則な低い鋸歯がある。
上部の茎葉は長楕円形で、上のものほど小さくなり、無柄。
花期は8月〜10月で、葉腋に黄色いは頭花は下向きに1個ずつ多数付き、花柄はないか短い。
頭花の直径は1cm前後で、花柄は極短く、総苞は鐘状球形。極まれに基部に苞がある。
総苞片は3列に並び、外片は卵形で、短くて先が丸い。中片と内片は長楕円形。
頭花は筒状花だけからなり、中心部には両性の筒状花が、その周囲に雌性の筒状花がある。
果実は痩果で、長さ3mm前後の円柱形。臭気があり、先は細くなり、粘液を出して動物などに付く。

2018/9/18
神代植物公園の駐車場に向かっている途中、道路脇で見かけたヤブタバコです。
ほぼ満開の状態で、横に張り出した枝にたくさん花を付けていました。
ただ、若い株では横枝はほとんどなく、上段右のようにまっ直ぐ上に伸びる茎に花を付けていました。


ガンクビソウ属の花

       .
       .
<オオガンクビソウ>   <サジガンクビソウ>      <ヤブタバコ> 
八ヶ岳自然文化園の林内で見かけたオオガンクビソウの花です。
日本に自生するガンクビソウの中では、ずば抜けて大きな直径数cmの頭花を持っています。
サジガンクビソウの頭花は、大きさがオオガンクビソウの半分程度で、緑白色です。
神代植物公園の近くで見かけたヤブタバコです。葉腋毎に黄色い花を付けます。


ムクロジ(Sapindus mukorossi)
<ムクロジ目・ムクロジ科・ムクロジ属>
 

 
ムクロジ科ムクロジ属の落葉高木で、在来種。
日本では、本州中部以西から四国、九州、沖縄に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東南アジアなどに分布する。
樹高は10〜20mで、日本では神社に植えられていることが多い樹種です。
幹は直立し、淡黄褐色で平滑。古くなると樹皮が薄くはがれる。
葉は互生し、長さが40p前後の偶数羽状複葉で、小葉は交互にずれて付く。
小葉は左右不揃いで、長さ10p前後の狭楕円形で全縁。
花期は6月で、雌雄同株。枝先に長さ数十pの円錐花序を出し、雄花と雌花が多数付く。
雄花、雌花とも直径は5o程で、花弁は5個、萼片も5個、オシベは8〜10個ある。
オシベは、花糸の下半分に毛があり、雄花では4o弱、雌花では3oほど。
雌花のメシベは、長さ3oほどで、心皮は3個あるが、成長するのはその内の1個だけである。
果実は、直径2cm強の球形で、橙黄色に熟す。乾くと皺ができて固くなり、透けてくる。
種子は、直径1cm強の球形で、黒色。羽付きの玉に使われる。油脂を多く含み、食用油が取れる。
また、外果皮はサポニンを多く含むため、泡立つので、昔は石鹸代わりに使われた。

2018/9/18
本堂の右横には大きなムクロジの木がありました。
枝には、その果実がたわわに実っています。きれいな黄緑色で、熟すのはもう少し先ですね。


ムクロジの果実

     .

これらは相模原北公園で拾ったムクロジの果実で、すっかり熟して落果していたものです。
果実の皮はシワシワになり、振るとカラカラと音がします。
球形の果実の基部に小さな塊が2個付いていますが、これは成長しなかった2個の心皮です。
ムクロジには3個の心皮がありますが、この内の1個のみが成長することが多いのです。
もちろん、全てがそうなるわけではないので、果実が2個や3個のものも見られます。
カラカラに乾いた果実を割ると、中から黒い種子が1個出てきます。


トチノキ(Aesculus turbinata)
<ムクロジ目・ムクロジ科・トチノキ属>
 
ムクロジ科トチノキ属の落葉高木で、日本固有種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
樹高は20〜30mになり、幹は黒褐色。古木では樹皮が大きく剥がれる。
葉は対生し、5〜9個の掌状複葉。小葉は中央が13〜30cmの倒卵形で最も大きく、先は急に尖る。
側脈は並行で、20〜30対ある。縁は波打って、不揃いな重鋸歯がある。葉柄は5〜25cm。
花期は5月〜6月で、雌雄同株。同じ花序に雄花と両性花が混在する。
花序は長さが15〜25cmあり、ほとんどが雄花で、両性花は花序の基部に付く。
白い花弁は4個で、基部には淡紅色の斑紋がある。オシベは7個で、花から長く突き出し、上向きに曲がる。
メシベは1個で、雄花では退化して短い。萼片は5個ある。
刮ハは直径3〜5cmで、表面にいぼ状突起がある倒卵状球形である。
熟すと3裂して、直径3〜5cmの種子が出てくる。種子は暗褐色で、下半分は大きなへそになる。
種子は、果皮から出たばかりの時は暗褐色であるが、乾燥するにつれて褐色になる。

2018/9/18
深大寺を後にして、脇道を上っていると道端に栃の実が落ちていました。
まだ、分厚い果皮が一部付いたままでしたので、上から落ちてきたばかりのようです。
種子のみを拾ったのですが、暗褐色でよく見る栃の実とは色合いが異なります。
後で調べると、乾燥するにつれて色が明るい褐色に変わっていくそうです。
それにしても、大きくて立派な栃の実(種子)でした。
写真は自宅で撮ったので、乾燥が進み、少し褐色味が強くなっています。
拾った直後はもっと黒っぽい色でしたし、今は乾燥しても少し明るい褐色です。


ベニバナトチノキの花

       .

あしかがフラワーパークで見かけたベニバナトチノキの花です。
ベニバナトチノキは、セイヨウトチノキとアメリカベニバナトチノキの交配種です。
セイヨウトチノキは、マロニエといった方が分かりやすいかもしれませんね。
花は房咲きで、やや黄みを帯びた紅色(濃いものから薄いものまで変異あり)をしています。
花は4弁花で、花序の大半は雄花が占め、花序の基部に両性花が少し付きます。
オシベは7個で、花の外に大きく突き出し、上向きに曲がっています。

トチノキの花も色が白い点を除き、花の構造や付き方などは同じです。
なお、トチノキの花弁の基部には淡紅色の斑紋があります。










inserted by FC2 system