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五色沼で見かけた昆虫



磐梯山の麓に広がる五色沼湖沼群。国立公園の特別保護地区にあるため自然が広く残っている所です。
ただ、ここの沼には磐梯山の火口付近にある強酸性の銅沼に端を発する地下水を水源とするものがあり、
酸性の強い沼から、檜原湖などから流れ込む水で酸性の弱い沼まで、沼によって水質は多様です。
そのため、さまざまな水生植物や底生動物が研究者によって確認されています。
ただ、一般の人が自由に観察できるのは自然探勝路のみなので、確認できるのはそう多くはありません。
今回の訪問で確認できた昆虫は、下記の1種のみでした。



トンボ目
カワトンボ科(ニホンカワトンボ)
五色沼で見かけた昆虫
和名インデックス


ニホンカワトンボ(Mnais costalis)
<トンボ目・イトトンボ亜目・カワトンボ上科・カワトンボ科・カワトンボ亜科・カワトンボ属>
 
カワトンボ科カワトンボ属の中型のトンボの一種。
日本では北海道から本州、四国、九州と広く分布する。海外では、千島列島にも分布する。
以前は、いろいろな名前で呼ばれていたが、DNA解析によって2種に分類、統合された。
オオカワトンボ→ニホンカワトンボ
ヒガシカワトンボ→オオカワトンボ→ニホンカワトンボ
ニシカワトンボ→カワトンボ→アサヒナカワトンボ
体長は50〜60oほどあり、オスの翅の色には3タイプ(橙色、淡橙色、無色)がある。
メスの翅の色は2タイプ(淡橙色、無色)になる。
なお、橙色型の成熟したオスでは、翅の前縁部分に半透明な斑がある。
縁紋は、オスでは成熟すると白色から赤褐色に変わり、メスは白色のまま変わらない。
アサヒナカワトンボと良く似ているが、縁紋が本種の方が長くなる。

2008/6/28
弁天沼に近い沢で、岩の上に止まるニホンカワトンボを見かけました。
胸部や腹部が白く粉を吹いたようになっていますので、成熟したオスの個体です。
オスの翅の色には3タイプありますが、これは橙色翅型で、縁紋も赤褐色に変わっています。


ニホンカワトンボの雌雄、翅の色の違い

     .
<橙色翅型の成熟したオス>             <透明翅型のメス>  .
ニホンカワトンボの雌雄差で、未熟、成熟にかかわらず明確なのは尾端の形状です。
これは、ニホンカワトンボに限った話ではありませんが、メスの場合産卵管があるので、尾端が膨らみます。
オスの尾端には雌の後頭部をはさむ上付属器と下付属器がありますが、少し太くなる程度です。
上の写真では分かりにくいかもしれませんが、尾端の形状がメスの方が太くなっているのが分かるでしょうか。
左のオスは成熟していて、ほぼ全身に白い粉が吹き、翅の縁紋も白から赤褐色に変わっています。
一方メスは、成熟しても全身に白い粉が吹くことはなく、縁紋も白いままなので成熟度合が分かりずらいです。
上の右の写真では、尾端が若干白く粉を吹いているように見えますので、成熟しているのかもしれません。










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