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綾部山(あやべやま)梅林[2024/3/14]



実家近くで行けそうな梅林を探していると、綾部山梅林が見つかりました。
比較的近くて、実家から車で1時間ほどで行けそうな場所です。
なお、綾部で検索すると、京都の方によく似た名前の「綾部市梅林公園」というのもあるようです。
こちらは、ちょっと遠くて車で行くと2時間ほどかかりそうな距離になります。
今回は、距離的に近いということで、綾部山梅林の方に出かけることにしました。


<左手に家島諸島、右手に小豆島が見えています>

綾部山梅林は、兵庫県の南西部、西播磨の最南端に位置する綾部山の斜面に広がるっ梅林です。
24ヘクタールの広さがあり、海の見える梅林としては西日本一と言われています。
植えられているのは、12品種約8千本だそうで、最も多いのは白梅の「玉英」だそうです。
梅林の上部からは、国立公園新舞子浜の海岸、瀬戸内の家島群島、小豆島、淡路島が見え、
天気が良ければ、遠くに対岸の四国までもが望めます。

ただ、行こうと思った矢先に風邪をひいてしまい、出かけられなくなってしまいました。
ようやく風邪が治って出かけたのですが、開花のピークは前週だったそうです。
そのためでしょうか、人出は少なく、花もそこそこ残っていたので良かったかもしれません。

梅林は、梅の実を採るためのものなので白梅がほとんどで、そこに紅梅が所々に混じっています。
古い樹が多いようで、所々に伐採された跡が見られます。
また、ミツバチの巣箱が何ヶ所かに置かれていて、蜜の採取とハチによる受粉が行われているようです。
養蜂家の方が巣箱の点検をされていたので、少しお話しすることができました。
まだ、蜜を採るより消費する方が多いようで、昨年残しておいた蜜は大半が無くなっているそうです。



綾部山梅林 インデックス


綾部山梅林の風景

さて、今日は天気は良いのですが、春霞が出ているため、遠くの方がぼ〜っとしています。
梅の花は、先週がピークだったそうなので、多くの落花が見られました。
梅林は、山の斜面を段々畑にして植えられており、各段で横1列に並んでいます。
梅林には、何ヶ所かで案山子が置かれていて、色どりを添えていました。
石碑やお地蔵さんなど、写真の素材になるものも、所々にありました。



正面入り口の手前で入園券(¥500)を購入し、入り口から上っていくと2股に分かれていました。
左の少し急な方を登ることにして、しばらく進むと視界が開けてきました。
左手の方に続く斜面に段々畑が見え、そこに横一列に梅の木が植えられているのが分かります。
さらに進むと遠くの町並みや、来るときに通った菜の花畑が見えてきました。



花のピークは過ぎているので、落花した花が下に点々と落ちています。
水辺にそれらが集まっている所があったので、咲いている花と落ちた花を撮ってみました。
残念ながら、花数が少ないので、落下した花はほとんど周りに埋もれて見えません。
右の写真は水辺の所を拡大したものですが、落花した花が点々と見えています。


 
2017/4/12
上記は幸手権現堂桜堤で撮影した桜で、これをイメージしていたのですが、梅の花では無理なようです。




さらに登っていくと視界が開けて、斜面を埋めている梅の木々が一望できるようになりました。
青空が見えていたので、それをバックにして撮影してみました。梅林の広さを感じますね。



坂を上りきった所で左右に分かれていますが、左手の南入口の方に向かいました。
少し行ったところに可愛らしいお地蔵さんが置かれていました。真っ赤な前掛けがよく似合っています。
その少し先の売店の手前に、立派な黒御影石の石碑が建っていました。島津久子女史の歌碑です。
「こそ乃春 友のさそい乃 梅が香に 引かれて来つる 綾部山さと」
さて、この先の売店で、入園券で梅ジュースが1本もらえるので、頂いてきました。
戻る途中に園内食道があり、昼時だったので「えきそば」を食べることにしました。
この時期だけまねき食品が出店していて、えきそばと名が付いていますが、中華麺が使われています。
関東の方が注文したら、出てきたものを見て蕎麦じゃないと言いそうですね。



分岐に戻って、さらに右手の方に上っていくと、来るときに通った菜の花畑が見えてきました。
それを梅の花越しに撮ったのが上記の写真です。菜の花畑がもっと広いとインパクトがあるのですが。


 
2017/4/12
上記は幸手権現堂桜堤で撮影した桜と菜の花畑です。これくらい広いとインパクトがありますね。




菜の花畑の右手の方を見ると、干拓地や工業地帯が瀬戸内海の方へ帯びているのが見えました。
梅の花で良く見えませんが、その手前には国立公園新舞子浜の海岸が広がっているはずです。



上りきって下りに入ったとき、左手に石碑がありました。
恒藤滋生の句碑で、「天井へ 満山梅乃 香を放つ」と彫られていました。
その少し先に進むと、右手に案山子が5体置かれていました。
作業着姿をしていますので、梅林の手入れ作業の合間に休憩しているのを表しているのでしょうか。
梅林の下草はきれいに刈られ、良く手入れされています。実際にこのように作業されているのでしょう。
この梅林内には、あちらこちらに石碑や古墳があり、案山子も見かけます。



この辺りでは、右手の斜面の梅の花越しに、左手に家島諸島、右手に小豆島が見えました。
その右手の方にも、斜面に沿って多くの梅の樹が植えられ、梅林の広さが感じられます。



話は変わりますが、梅林の何ヶ所かに、セイヨウミツバチの巣箱が3個ずつ置かれていました。
出入り口には何匹かのミツバチが居て、出たり入ったりしています。
ただ、巣箱の中に居るミツバチの数は、この時期はあまり多くないのでしょう。
周りに1匹もいなくなる時があり、また、一斉に戻ってくることもあります。



養蜂家の方が巣箱のチェックに来られていたので、少しお話しすることができました。
冬越しのために、昨年集めた蜜を残してあったそうですが、ほとんど無くなっているとの事。
右の写真は、取り出した巣枠で、1/4ほどの部分にセイヨウミツバチが集まっています。
その他の部分にも巣礎が見られますが、冬越しのために蜜は食べられて空っぽです。
蜜を求めて飛び回っていますが、蜜を集めつつ、梅の花の受粉をさせるのが目的でしょうか。



さらに下っていくと最初の分岐点まで戻ってきました。
ここで、行くときに撮らなかった菜の花畑と梅の花のアップを撮りに、また、少し上りました。
レンズを望遠にしてバックの菜の花畑のボケを大きくして、梅の花を撮ってみました。

この撮影を最後にして、綾部山梅林を後にしました。
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綾部山梅林で見かけた野草など

梅林は良く手入れされていて、下草はきれいに刈り取られていました。
とはいえ、雑草もしぶといですから、いろいろな草本が花を付けていました。

※ 下記の植物の詳細に関しては、こちらに掲載しました。



<ウメ>
野草ではありませんが、まずはこの梅林で見られた紅梅と白梅です。
大半が上段左の白梅「玉英」だそうですが、それ以外で見分けられたのは上段右の品種でした。
若い茎は緑色をしていて、萼片が緑色です。品種名は分かりません。
紅梅で見かけたのは濃いピンクと赤紫色の2品種ですが、これも品種名は分かりません。
12品種見られるそうですが、よく似たものが多いので素人では識別不能です。


 <ノゲシ>                 <ノボロギク>
どちらもヨーロッパ原産の帰化植物で、ノゲシはタンポポ亜科、ノボロギクはキク亜科の植物です。


<アレチノギク>
南アメリカ原産の帰化植物で、最近はオオアレチノギクに押されて減少傾向だそうです。
おそらく除草された後、茎を伸ばして頭花を付けたのでしょう。
頭花と葉の形状や花の咲く時期から本種と判断しました。


  <ナズナ>              <ミチタネツケバナ>
どちらもアブラナ科なので花の形はよく似ていますが、果実の形状が異なります。
ナズナの果実は上部が凹んだハート形で、ミチタネツケバナの果実は長角果で線形です。
なお、ナズナは在来種ですが、ミチタネツケバナはヨーロッパ原産の帰化植物です。
なお、水田の畔などで見られる似た花のタネツケバナは、在来種です。


<オオイヌノフグリ>            <オランダミミナグサ>
どこででも良く見かけるオオバコ科のオオイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
同じく良く見かけるナデシコ科のオランダミミナグサも、ヨーロッパ原産の帰化植物です。


 <コハコベ>               <マメカミツレ>
どこででも良く見かけるナデシコ科のコハコベは在来種で、春の七草の1つです。
コハコベの茎は紫色を帯びますが、茎が緑色のものはミドリハコベになります。
最近、よく見かけるようになったキク科のマメカミツレは、オーストラリア原産の帰化植物です。


 <ホトケノザ>              <ノハラムラサキ>
ホトケノザはシソ科の花で、在来種。なお、春の七草の「ほとけのざ」別種のコオニタビラコです。
ノハラムラサキはムラサキ科の花で、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
なお、良く似た花のキュウリグサは在来種で、ゼンマイのように巻いた花序が特徴です。


<ヒサカキ(雄花)>             <ヒサカキ(雌花)>
野草ではありませんが、梅林内ではあちらこちらでヒサカキが花をたくさん付けていました。
雌雄異株とされ、雄花を付けた雄株と雌花を付けた雌株が確認できました。
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高御座山で見かけた昆虫

梅林は良く手入れされていて、下草はきれいに刈り取られています。
そのためでしょうか、チョウなどの昆虫はとんと見かけません。
唯一、梅の受粉のためと思われるセイヨウミツバチの巣箱が、所々に置かれていました。

※ 下記の昆虫の詳細に関しては、こちらに掲載しました。


<セイヨウミツバチ>             <ヨトウガの幼虫>
セイヨウミツバチは、養蜂家の方が所々に巣箱を置いておられました。
その方が、巣箱の確認に回っておられ、お会いすることができたので少し話ができました。
巣箱の中には、冬越しのため昨年集めた蜜を残してあったそうですが、ほぼ無くなっているそうです。
梅の花から蜜を集めることはできるのでしょうが、まだ、集めるより消費の方が多いようです。
ヨトウガの幼虫は、野草の写真を撮っていて、石をどけたら、その下にいました。
ヨトウガは土中で蛹化して、サナギで越冬するはずですが、この個体は幼虫で越冬したようです。
大きさから終齢幼虫と思われますが、蛹化せずに石の下に潜り込んで越冬したようです。
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高御座山で見かけた野鳥

梅林は花のピークは過ぎたとは言っても、多くの花が咲いています。
その花の蜜を求めて、メジロが群れを成して飛び回っていました。
ただ、なかなか近づけさせてくれず、近づくと直ぐに移動してしまい、写真は撮れずじまいでした。

※ 下記の野鳥の詳細に関しては、こちらに掲載しました。


<メジロ>                 <エナガ>
メジロの写真は撮れなかったので、実家の庭のソシンロウバイに来たメジロで代用しています。
ハナスイの別名があるように、梅や桜などの花に蜜を求めて良くやってきます。
エナガは、自宅のある神奈川県や東京都の町田市では見ますが、こちらで見たのは初めてです。
風景の写真を撮っているとき、ガサッと音がしたので、その方を見るとエナガがいました。
数mの距離だったのでそっと撮りましたが、アングルを変えようとしたら逃げられました。
あまり人を怖がらないのでしょうか、相手の方から飛んできてくれたのでラッキーでした。
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