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ペンション周りで見た野草



乗鞍高原に着き、一休みした後、近くを散策した折に見かけた野草です。
ウドやオオハナウドなどが花を咲かせており、普段、見られない野草が見られました。



キク目
キキョウ科(シデシャジン、ソバナ、ハタザオキキョウ)
キク科(ゴマナ、サワヒヨドリ、ヒヨドリバナ)
キンポウゲ目
キンポウゲ科(クサボタン)
ケシ科(ナガミノツルケマン、アキカラマツ)
シソ目
シソ科(ウツボグサ)
セリ目
ウコギ科(ウド、オオハナウド)
ツツジ目
ツリフネソウ科(キツリフネ)
ナデシコ目
タデ科(イタドリ、ソバ)
ナデシコ科(フシグロセンノウ)
バラ目
イラクサ科(アカソ、クサコアカソ)
バラ科(ダイコンソウ、ワレモコウ)
フウロソウ目
フウロソウ科(ゲンノショウコ)
フトモモ目
アカバナ科(ヤナギラン)
ブナ目
カバノキ科(シラカンバ)
マツムシソウ目
レンプクソウ科(エゾニワトコ)
マメ目
マメ科(ベニバナインゲン)
ミズキ目
アジサイ科(ノリウツギ)
リンドウ目
キョウチクトウ科(イケマ)
ペンション周りで見た野草
和名インデックス


シデシャジン(Asyneuma japonicum)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・シデシャジン属>
   
キキョウ科シデシャジン属の多年草で、在来種。
日本では、本州、九州の山地に自生する。
国外では朝鮮半島から中国東北部、アムール、ウスリーに分布する。
草丈は50〜100cmになり、葉は互生する。下部の葉には葉柄があるが、上部は無柄となる。
花は、茎頂と上部の葉腋に付き、総状花序をなす。
花冠は青紫色で、基部まで5深裂し、平開して反り返る。
オシベは5本で極短い。メシベは花柱が長く、柱頭は3裂する。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
ツボミは、基部が少し太くなった鉾のような形をしています。
開花後は、長いメシベの花柱がだらりと垂れ下がり、だらしない感じになります。

ソバナ(Adenophora remotiflora)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ツリガネニンジン属>
   
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は50〜100cmになり、葉は互生する。
基部の葉には長い葉柄があり広卵形であるが、上部の葉は広披針形になる。葉には鋸歯がある。
花冠は、淡青紫色で、円錐に近い鐘型。萼片は披針計で全縁。
オシベは、花冠からは飛びださない。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
近くに咲いていたシデシャジンよりも、キキョウらしい花の形をしています。

ハタザオキキョウ(Campanula rapunculoides)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ホタルブクロ属>
   
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、ヨーロッパ原産の移入植物。
日本では関東地方以北に帰化している。
草丈は1m前後になり、葉は互生する。葉は長卵形で先が尖り、鋸歯がある。
直立した茎に総状花序を付け、青紫色の鐘型花冠の花を多数付ける。
花冠の先は5裂し、緑色の萼片も5枚、オシベも5本ある。萼片は大きく反り返る。
直立した茎に花が旗竿のように付くのが和名の由来。
学名のカンパニュラ・ラプンクロイデスで呼ばれることもある。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
先のシデシャジン、ソバナなどと共に咲いていましたが、草丈は飛び抜けていました。
花色は異なりますが、花の形はソバナとそっくりで、多少、細長くスリムです。

ゴマナ(ster glehni var. hondoensis)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>
   
キク科シオン属の多年草で、日本固有種。
日本では本州から四国、九州で見られる。北海道などで見られるエゾゴマナの変種。
草丈は1m以上になり、葉は互生。葉は15cm前後と大きく、先が尖り、鋸歯がある。
葉脈が深く、ゴマの葉に似ているため、それが和名の由来とされている。
茎先で多く枝分かれし、大きな散房花序になる。頭花は直径15mmほどで多数付く。
周辺の舌状花は雌性で多数あり、中心の筒状花は両性で黄色い。

2014/8/12
一回りしてペンション近くまで戻ってきたとき、道路脇で見かけました。
大きな群落になっており、大きな散房花序に多数の頭花を付けていました。
とはいっても、草丈の割に頭花が小さく、白い花なので、地味な印象を受けます。

サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum var. lindleyanum)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>
   
キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
草丈は80cm程になり、葉は無柄で対生し、鋸歯がある。
育ちの良い個体では、3深裂、3全裂し、6枚が輪生しているように見えるものもある。
良く似たヒヨドリバナとは、一回り小さく、葉が細く、葉柄がない点で区別できる。
上部に散房状に多数の頭花を付ける。頭花は、5個の両性の筒状花からなるものが多い。
筒状花は、花冠の先が浅く5裂し、メシベの花柱は花冠から飛び出して、先端は2裂する。
花冠の花色は、淡い紅紫色を帯びたものが多いが、色の濃いものから白色のものまで変異が大きい。

2014/8/12
ペンションを出て直ぐの川沿いの空き地で見かけました。
アブやチョウなどがたくさん訪れていました。
なお、川辺に生え、葉が細いことから本種としましたが、葉柄があるようにも見え、ヒヨドリバナかもしれません。

ヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>
   
キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
草丈は1mを超え、葉には短い葉柄があり対生する。葉は長楕円形で先が尖り、鋸歯がある。
良く似たサワヒヨドリより一回り大きく、葉幅があって、葉柄がある点で区別できる。
上部に散房状に多数の頭花を付ける。頭花は、5個の両性の筒状花からなるものが多い。
筒状花は、花冠の先が浅く5裂し、メシベの花柱は花冠から飛び出して、先端は2裂する。
花冠の花色は、白色のものが多いが、淡紅紫色を帯びるものもある。
和名は、ヒヨドリが鳴く頃に花を咲かせることに由来するとのこと。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
先のシデシャジン、ソバナなどと共に咲いていましたが、草丈は飛び抜けていました。
先に見たサワヒヨドリと比べると、直立した茎の先にたくさんの頭花を付け、色も白っぽいです。
葉幅も広く、短い葉柄があります。

クサボタン(Clematis stans)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・センニンソウ属>
   
2014/8/12
   
2014/8/13
キンポウゲ科センニンソウ属の半低木で、有毒植物。
茎は直立して1m程になり、冬には上部は枯れるが、木質化した基部は残る。
葉は対生し、1回3出複葉で、長い葉柄を持つ。小葉は3残裂し、不揃いな鋸歯がある。
茎の先や葉腋から集散状花序を付け、淡紫色の花を多数付ける。
淡紫色の細い鐘状のものは、花弁ではなく萼片で4枚ある。花弁はない。
萼片の基部は筒状で、先端から反り返って、巻き込むように徐々に開く。
基部まで開くと、オシベ、メシベが現れる。
ただ、両方の機能があるわけではなく、雄花と雌花に分化している。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
先のシデシャジン、ソバナなどと共に咲いていましたが、草丈はそれほどなく、50cm程でした。
花もそれほど多くないので、まだ、若い株なのかもしれません。

2014/8/13
一の瀬園地を過ぎてあざみ池に向かう途中の道端で見かけました。
昨日見かけたクサボタンよりもずいぶん大きく、草丈は1mを超えていました。
昨日は萼片が開きかけのものばかりでしたが、萼片が開き切ったものもありました。

アキカラマツ(Thalictrum minus var. hypoleucum)
<キンポウゲ目・ケシ科・カラマツソウ属>
   
キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。別名タカトウグサ(高遠草)。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は1m以上になり、茎頂に円錐花序を付ける。
花弁はなく、花弁に見えるのは萼片です。オシベが長く淡黄色の葯が目立ちます。
葉は、複数回3出複葉で、小葉は基部が丸く、先が浅く数個に割れる。

2014/8/12
散歩途中、駐車場近くの道端で、小さな花のようなものを見かけました。
後で、調べてもこのような形状の花はなかなか見つかりません。
ひょっとして花ではなく、花後の若い種子ではないかと調べ直し、本種と分かりました。
アキカラマツの花期は7月〜9月と長いのですが、この株は全て種子になっていました。
日当たりの良い場所ではなかったのですが、ずいぶん早く花が終わってしまったようです。

ナガミノツルケマン(Corydalis raddeana)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケマンソウ亜科・キケマン属>
   
ケシ科キケマン属の1年草、越年草で、在来種。別名、ナガミノツルキケマン。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部、シベリア東部に分布する。
茎は良く分枝して、四方八方に広がり、枝先の花序は斜上する。
葉は互生し、2〜3回3出複葉で、小葉の多くは3深裂する。
葉腋から総状花序を出し、濃黄色の花を多く付ける。
花弁は4枚で、唇状に開き、反対側は少し湾曲した長い距となります。
良く似たツルケマン(ツルキケマン)は、花がまばらで、花色が淡黄色です。
種子を見れば一目瞭然で、本種は種子が1列、ツルケマンは2列です。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に咲いていました。
草丈は数十cm程しかなく、花数もそう多くはありません。
そのため、最初はツルケマンかと思いましたが、花色は濃黄色です。
そのため、本種と判断しました。
ツルケマンは極めて稀にしか見ることができない希少種なので、ちょっぴり残念でした。

ウツボグサ(Prunella vulgaris subsp. asiatica)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・ウツボグサ属>
   
シソ科ウツボグサ属の多年草で、東アジア温帯域に分布する。
日本でも、北海道から本州、四国、九州と広く分布する。
日当たりの良い草地に群生する事が多い。
数十cmの茎が立ち上がり花穂を付けるが、この茎は、断面が四角形をしている。
この花穂に、紫色の花を密集して付ける。
の花穂の形状が、弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ていることが和名の由来。

2014/8/12
散歩途中の駐車場脇で、ウツボグサを見かけました。
といっても、草陰に数本花穂を伸ばして、花を咲かせている程度でしたが。

ウド(Aralia cordata)
<セリ目・ウコギ科・タラノキ属>
 
ウコギ科タラノキ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は2m以上になり、茎は太い円柱型で、中空です。
葉は互生し、葉柄は長く2回羽状複葉で、小葉は長楕円形で先が尖り、細かい鋸歯がある。
夏、上部に大きな散形花序を付け、淡緑色の小花をたくさん付ける。
小花は、雌雄異花で両性花からなる花序と雄花序がある。

2014/8/12
散歩途中の道端で、ウドが花を咲かせていました。
私の背より高く、大きな散形花序にアブ、ハチ、チョウなどがたくさん集まっていました。
ウドは、大きくなると食用にも木材にも適さないことから、「ウドの大木」という事が言われます。
しかし、ウドは木ではなく草です。ただ、大きさから木と言いたくなる気持ちも分かります。
なお、芽吹いたばかりの若芽だけでなく、大きくなっても若葉やツボミは山菜となります。

オオハナウド(Heracleum lanatum)
<セリ目・ウコギ科・タラノキ属>
   
ウコギ科タラノキ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州近畿地方以北に分布する。
関東以西では、亜高山や高山に、東北地方や北海道では平地でも見られる。
海外では、ラスカ、アリューシャン、カムチャッカ、サハリンに分布する。
草丈は2m近くになり、茎は太くて中空で直立し、上部で枝分かれする。
葉は互生し、基部では葉柄は長く3出葉で、小葉は3〜5裂する。
夏、上部に大きな複散形花序を付け、白色の5花弁の小花をたくさん付ける。
中央と周辺では花弁の形が異なり、周辺部の花では、外側の1花弁が大きく、2深裂する。

2014/8/12
散歩途中の道端で、オオハナウドが花を咲かせていました。
見かけた株は、草丈は1m強しかない小型のものでしたが、それでも存在感はありました。
花序の一部しか開花していませんでしたが、周辺部の小花の特徴的な花弁は印象的です。
写真の通り、たくさんのアブが訪花していました。

キツリフネ(Impatiens noli-tangere)
<ツツジ目・ツリフネソウ科・ツリフネソウ属>
 
ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、海外ではユーラシア・北米大陸に広く分布する。
草丈は60cm程になり、葉は互生する。葉は長楕円形で鋸歯がある。
葉の上に花序を伸ばし、ツボミの成長と共に垂れ下って、葉の下で開花する。
花弁状の萼と黄色い唇型の花弁を持ち、長い距が後に伸びて、少し垂れ下る。

2014/8/12
散歩途中、駐車場近くの道端の草陰で咲く、本種を見つけました。
湿性の高い半日陰に生育するので、うす暗い中に黄色い花が目を引きます。

イタドリ(Fallopia japonica)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イタドリ属>
   
<雌花>         <雄花>                .
タデ科イタドリ属の多年草で、スカンポなどの別名を持つ。
北海道東部を除く日本全土、朝鮮半島から中国、台湾に分布する東アジア原産種。
世界の侵略外来種の選定種で、その旺盛な繁殖力ゆえに嫌われ者です。
茎は中空で多数の節があり、三角形の葉が互生する。
雌雄異株で、雄花はオシベが花弁の間から飛び出すように長く発達している。
雌花は、メシベよりも花弁の方が大きい。
秋に熟す種子には3枚の翼があり、風によって散布される。

2014/8/12
ペンションを出て直ぐの川沿いの空き地で、サワヒヨドリに交じって見かけました。
雄株と雌株があり、各々の雄花と雌花の形の違いが良く分かると思います。
なお、雄花の左下の黒い糸状のものは、トンボエダシャクの触角で、給蜜中の口吻も見えています。

ソバ(Fagopyrum esculentum)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・ソバ属>
   
タデ科ソバ属の一年草で、中国原産の帰化植物。
日本では、主に穀類として栽培されるが、イネ科ではないため、擬穀類とよばれる。
草丈は50〜100cm程になり、茎の先端に総状花序を付け、多数の花を付ける。
花色は、白、淡紅色、赤色、茎の色は緑、淡紅色、濃紅色がある。
栽培種のソバは、自分自身の花粉では結実できない異型花型の自家不和合成を持つ。
そのため、長花柱花と短花柱花を混在して栽培し、相互受粉させる必要がある。

2014/8/12
散歩からの帰路、ソバ畑がありました。
大きく育ち、ちょうど総状花序のツボミが大きくなり始めたところでした。
もう少しすると、ソバの花が一斉に咲き始めるのでしょうね。見たかったのですが、ちょっぴり残念。

フシグロセンノウ(Lychnis miqueliana Rohrb)
<ナデシコ目・ナデシコ科・センノウ属>
 
ナデシコ科センノウ属の多年草で、在来種。
日本では、本州、四国、九州の山林に自生するが、地域によっては絶滅危惧種に指定されている。
野草には珍しい朱色の花弁で、直径3cmほどになる。
茎の節が黒褐色になることが、和名の由来。

2014/8/12
散歩からの帰路、駐車場近くで見かけました。
比較的大きな花で、花色が朱色なので遠くからでも目に付きます。

アカソ(Boehmeria silvestrii)
<バラ目・イラクサ科・カラムシ連・カラムシ属>
   
イラクサ科カラムシ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
草丈は50cm以上になり、茎は根際から多数立ち上がり、あまり分枝はしない。
葉は、広卵形で葉先が3裂し、裂片は尾状に伸びる。基部は広いくさび型で鋸歯がある。
雌雄同株で、雄花序は茎の下方に付き、雌花序は茎の上方に付く。
雌花序では雌花が集まって赤みを帯びた球形になり、花軸に並んで付く。
雄花には4花被片と4本のオシベがあり、雌花は2個の花被片が合着して筒状になる。

2014/8/12
散歩からの帰路、道路脇で本種を見かけました。
赤っぽい雌花序を道路に突き出すように垂れ下っていたので、目に付きます。

カラムシ属の仲間で、茎や花序の軸が赤味を帯びるのは、アカソ、クサコアカソ、コアカソの3種のみ。
アカソは葉先が3裂し、クサコアカソは3裂しない。コアカソは小低木で、茎が木質化する。

クサコアカソ(Boehmeria tricuspis var. unicuspis)
<バラ目・イラクサ科・カラムシ連・カラムシ属>
   
<雌花>           <雌花序>                 .
   
<雄花>           <雄花序>             <葉> .
イラクサ科カラムシ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。海外では、中国に自生する。
草丈は1mほどになり、茎や葉柄は赤みを帯びる。葉は、楕円形で鋸歯があり、葉先が3裂しない。
雌雄同株で、雄花序は茎の下方に付き、雌花序は茎の上方に付く。
雌花序では雌花が集まって赤みを帯びた球形になり、花軸に並んで付く。
雄花序は、黄白色の雄花を花軸に不揃いに多数付く。

2014/8/12
散歩からの帰路、アカソから少し離れた道路脇で本種を見かけました。
見た時、アカソかと思ったのですが、葉先が3裂していないので、本種と分かりました。
茎の下方に雄花序も確認できました。

ダイコンソウ(Geum japonicum Thunb.)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・ダイコンソウ属>
 
バラ科ダイコンソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布している。
海外では朝鮮半島から中国に分布している。
根生葉は羽状複葉で、頂小葉が特に大きく、側小葉は大きさが不揃い。
茎葉は3裂して、縁には鋸歯があるが、上部の茎葉は単葉になる。
花は黄色で、直径は20mm程。オシベとメシベは多数付く。

2014/8/12
ペンションから出た道路脇で、シラカンバの林縁に一株だけ咲いていました。
草丈は数十cmと低く、以前見たものと比較して、がっしりとした印象を受けました。

ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・ワレモコウ連・ワレモコウ属>
   
バラ科ワレモコウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布する。
海外では、朝鮮半島、中国、シベリアに分布し、アラスカにも帰化している。
草丈は1m程になり、茎は上部で枝分かれして、その先端に穂状の花序を付ける。
葉は、根際か茎の下部に付き、奇数羽状複葉で、小葉は5〜13枚。
枝分かれした茎の先に赤紫色の花穂を付ける。花は、花穂の上から下に咲いていく。
花には花弁はなく、4枚の萼片がある。萼片は咲き始めは紅紫色で、咲き終わると暗紫色になる。

2014/8/12
散歩からの帰路、道路脇で見かけました。
ちょうど咲き始めの花穂がありましたので、咲き始めと咲き終わった花穂を並べてみました。
左端の写真を見れば、頂部から下に向かって咲き進む様子が分かります。
また、中央の写真と見比べれば、萼片の色の変化が分かると思います。

ゲンノショウコ(Geranium thunbergii)
<フウロソウ目・フウロソウ科・フウロソウ属>
   
2014/8/12
 
2014/8/13
フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾にも分布する。
草丈は、30〜40cm程度で、葉は互生する。
葉は掌状に3〜5裂し、長い葉柄の付け根に1対の托葉がある。
花期は5月〜8月で、花は葉腋から花柄を伸ばし2個付く。
花径は15mmくらいで、花弁と萼片は5個、オシベは10本、メシベの花柱は5裂する。
花弁の色は、西日本では紅紫色が多く、東日本では白色に近いものが多い。

2014/8/12
散歩からの帰路、道路脇で紅紫色の本種がポツリと一株だけ咲いているのを見かけました。
今まで淡青色の本種しか見たことがなかったので、かなり強い印象を受けました。
さらに少し歩いた所で、大きな本種の株を見つけました。先ほどより色は淡いですが、紅紫色です。

2014/8/13
一の瀬園地を過ぎてあざみ池に向かう途中の道端で、紅紫色と淡青色の本種を見かけました。
ここでは、両方の花色の本種が、混在して花を付けていました。
ヤナギラン(Chamerion angustifolium)
<フトモモ目・アカバナ科・ヤナギラン属>
   
アカバナ科ヤナギラン属の多年草で、在来種。
日本では、北海道、本州の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に分布する。
海外では、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの北半球の冷温帯に広く分布する。
草丈は1m以上になり、ほとんど分枝しない。葉は互生する。
枝先に総状花序を付け、紅紫色の花が咲き上っていく。
花弁、萼片とも4枚で、オシベは8本、メシベの柱頭は4裂する。
山火事の跡地や、伐採跡地に群落を作るパイオニア植物で、英名の「Fireweed」もそのことを示しています。

2014/8/12
散歩からの帰路、駐車場近くで見かけました。
見たのが久しぶりだったのと、群生しているイメージしかなかったので、名前が思い出せませんでした。
後で調べて本種分かりましたが、単独で咲いていると、かなりイメージが異なります。

シラカンバ(Betula platyphylla var. japonica)
<ブナ目・カバノキ科・カバノキ亜科・カバノキ属>
 
カバノキ科カバノキ属の落葉樹で、在来種。別名のシラカバの方がなじみがあるかもしれません。
樹皮が白いことが名前の由来であるが、樹皮がはげた後は黒くなる。
温帯から亜寒帯に多い樹種で、基変種はコウアンシラカンバ。日本産はその変種である。
日本産変種は、北海道から本州中部(福井県、静岡県)以北の落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布する。
基亜種やその近縁のオウシュウシラカンバは、アジア北東部、シベリア、ヨーロッパの広範囲に分布する。
5月頃に雄花の花穂が垂れ下がり、大量の花粉を飛ばすため、花粉症の要因になる。

2014/8/12
ペンション近くにちょっとしたシラカンバの林がありました。
日本の高原を代表する樹種の1つで、この乗鞍高原にも多い樹種です。

エゾニワトコ(Sambucus racemosa ssp.kamtschatica)
<マツムシソウ目・レンプクソウ科・ニワトコ属>
   
レンプクソウ科・ニワトコ属の落葉低木で、ニワトコの亜種。
日本では、北海道から本州の関東地方北部以北に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部、樺太、カムチャツカに分布する。
樹高は3〜5m程になり、葉は対生する奇数羽状複葉で、小葉は5枚か7枚。鋸歯がある。
母種のニワトコより小葉が大きくて丸みがあり、鋸歯が粗く、花が1.5倍ほどあることで区別する。
若芽の天ぷらや赤く熟した果実の果実酒など、山菜として食用となります。
しかし、母種のニワトコと異なり、果実にアルカロイドを含むため、大量の摂取は要注意。

2014/8/12
散歩からの帰路、駐車場の近くで真っ赤な果実をみかけました。
名前が分からず、後でいろいろと調べ、ニワトコかエゾニワトコの果実と分かりました。
若芽(ニワトコは褐色を帯びエゾニワトコは緑)や花(エゾニワトコの方が大きい)で判別可能ですが、
果実と葉しか判別材料がありません。結果として、葉幅があるので本種としました。
しかし、葉幅だけでは明確な判断材料とはなりませんので、間違っている可能性は大いにあります。

ベニバナインゲン(Phaseolus coccineus)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲンマメ属>
   
マメ科インゲンマメ属の多年草(日本では1年草)で、花豆の方が一般的。
寒冷な気候を好むため、北海道、東北地方、長野県等で栽培されている。
原産地は、メキシコなど中南米の高原で、江戸末期に観賞用に移入された。
花色は、名前の通り赤色で、種子(紫花豆)は紫の地に黒い虎斑模様がある。
白花の変種もあり、シロバナインゲンと呼ぶ。種子も真白(白花豆)である。
しかし、前者から白花が、後者から赤花が現れるので、遺伝子は固定化されていないと思われる。
本種の種子には、有毒なレクチンが含まれており、生食すると嘔吐、下痢などを発症する。
そのため、十分な加熱処理が必要で、煮豆や甘納豆などに加工される。

2014/8/12
散歩からの帰路、畑にベニバナインゲンが植えられていました。
しかし、良く見ると花の旗弁は赤いのですが、2枚の翼弁や竜骨弁が白いのです。
後で、調べてみましたが、このような2色の花の記載は見当たりませんでした。
葉や花の形、その付き方、莢の形などから本種で間違いはないのではと思うのですが。

ノリウツギ(Hydrangea paniculata)
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ属>
   
2014/8/12
 
2014/8/13
アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに自生する。
樹高は5m程までになり、つる植物のように他の木に寄り掛かったりすることもある。
葉は対生し、楕円形で先が尖り、葉柄がある。また、葉の縁には鋸歯がある。
枝先に白色の両性花が多数付き、その中に大きな萼片を4枚持つ装飾花が混じる。
両性花の花弁は5枚で、オシベは10本。装飾花ではオシベやメシベは退化している。
花はよく目立ち、ハナカミキリなどの訪花性の昆虫がたくさん集まる。
和名は、樹液が和紙をすく際の糊に使用されたことによる。
ただ、ウツギ(空木)のように茎は中空ではなく、髄が詰まっている。

2014/8/12
散歩途中、道路脇の林縁で本種が花を咲かせていました。
日蔭の中に、白い装飾花の萼片が妙に目立ちます。
まだ、咲き始めたばかりようで、半分ほどがツボミでした。

2014/8/13
善五郎の滝からの帰路、通路脇でノリウツギを見かけました。
昨日のものとは異なり、日当たりが良いためか、ほぼ咲き終わっていました。
装飾花が半分ほど裏返しになっています(アジサイの装飾花は花が終わると裏返ります)。
イケマ(Cynanchum caudatum)
<リンドウ目・キョウチクトウ科・ガガイモ亜科・イケマ属>
   
キョウチクトウ科イケマ属のつる性多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と広く分布する。
日本以外では、サハリンに分布する。
葉は長い柄があって対生し、葉腋から長い柄を出し、小さな花を多数つける。
黄緑色の花冠は深く5裂して反り返り、白い副花冠が花冠のように見える。
ガガイモ科特有の袋果を付け、秋には割れて長い種髭(白毛)を付けた種子が風で運ばれる。

2014/8/12
散歩からの帰り道、道路脇で花を付けている本種を見つけました。
花には、物騒なキイロスズメバチが訪れていました。









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