ホーム旅の見聞録>宮ヶ瀬ダム 観光放流

更新:2018/12/07

宮ヶ瀬ダム 観光放流
2018/11/25

宮ヶ瀬ダムは平成13年(2001年)3月に完成した、首都圏最大のダムです。
東京都心から約50km、横浜や川崎の市街地からも約40kmという近さです。
発電以外に、近年増えている豪雨時などの洪水調整機能、河川流量の調節機能、水道水の貯水機能も兼ねています。
重力式コンクリートダムで、提高156m、堤頂長約400m、堤体積は約2,000k立方mもあります。
湛水面積は4.6平方k、総貯水容量193,000k立方m、常時満水位は標高286mと、芦ノ湖並みの貯水量です。
取水量は最大130万立方m/日にのぼり、神奈川県下の21市町に水道水を供給し、神奈川県の水がめとなっています。
発電量は、ダム下流にある愛川第1発電所で最大出力24,200kWとなっています。
放流水は、直ぐ下流にある副ダム(石小屋ダム)に貯水され、第2発電所で最大出力1,200kWが発電されています。

この宮ヶ瀬ダムですが、4月〜11月の毎週水曜日、毎月第2日曜日、毎月第2、第4金曜日に観光放流が行われます。
11月も末になり、紅葉の頃だし、そろそろ観光放流も終わる時期ということで、見に行くことにしました。
放流は午前と午後に行われます。時間的に午前中に付くのは厳しいので、午後の方を見ることにしました。
駐車場はダムの上の方にもありますが、小さいので遅い時刻では無理と判断し、下の方を目指しました。
下の方は、神奈川県立あいかわ公園の駐車場(合計657台)で、途中までは順調でした。
が、後100m程という所で、ピタリと止まってしまいました。あきらめて引き返す車も後を絶ちません。
どうしようかと悩んでいると、前に進み始め、30分程で入ることができました。
後で気が付いたのですが、子供向けの遊具が多く、親子連れで訪れている方が多かったようです。
駐車場からダム下までは15分程。時間通りに放流が始まり、怒涛の如く落ちる水からの風圧を感じます。
放流時間は6分とのことでしたが、この時は完全に止まるまでには8分ほどかかっていました。
放流終了後、エレベータでダムの上に上がり、少し散歩した後、インクラインで景色を見ながら下に戻りました。
帰途、宮ケ瀬湖をぐるっと回り、宮ケ瀬湖畔園地を通りました。この日は、イルミネーションの点灯式です。
既に多くの駐車場は満車に近いようですが、まだ、若干は空きがあるようで、案内員が指示していました。
が、今日はゆっくりしていられないので、横目で見ながら宮ケ瀬虹の大橋を渡って、帰路に就きました。


宮ヶ瀬ダム インデックス
 
宮ヶ瀬ダムの下より
観光放流
ダム上部にて
インクラインより
あいかわ公園への帰り道にて


宮ヶ瀬ダムの下より

神奈川県立あいかわ公園より歩いて1km弱。放水口の正面にあるビューポイントに到着。
放水路に架かる橋の上から、放水を真正面から見ることができます。
少し早めに着いたので、正面やや左側に陣取り、ちょっと遅めのお昼です。
放流時刻が近づくと、三々五々、人が集まってきて、橋の上は大混雑。

 

あいかわ公園の中を突き切り、中津川に出ました。目の前が副ダムの石小屋ダムです。
川に沿ってダムの方に歩いていくと、新石小屋橋があり、そこからダムの全景を望むことができます。
渡って、少し進むとダム下に着きます。発電所の脇を曲がると、ビューポイントです。
放水路に架かる橋で、ここから見た下流方向の写真と上流方向に見えるダムの写真が上記です。

ページトップへ戻る



観光放流

毎年、4月〜11月の毎週水曜日、毎月第2日曜日、毎月第2、第4金曜日に観光放流が行われます。
今日は、通常の観光放流の最後から2番目。後は、明々後日に最後の観光放流があるだけです。
その後は、3月までに各月に臨時イベントの放流が各1回あるようです。
放流時刻が近づくと、三々五々、人が集まってきて、放流開始の放送が入りました。
静かに放流が始まりましたが、水面に達すると大きな音が響き、水しぶきが上がります。
水はダム面に沿って下向きに放流されるので、始めはそうでもないのですが、だんだんと激しくなってきます。
放水路は渦巻き、時間と共に風圧で巻き上げられた水が霧のように押し寄せてきます。
終了の放送と共に、8分程の放流ショウは終わり、ゲートが徐々に閉まると水の勢い弱まっていきます。
最後は、ダムの壁面を水の模様が弱まりながら落ちて行って終了となりました。



観光放流(予定は6分間)は、14:00〜14:08で、ゲートの開閉時間も含めた時間です。
ゲートの開閉は意外と早かったので、少し長めに放流されているようです。
上の写真は、放流開始間もなくから終了までを並べて合成したものです。





放流開始から川面に達するまで、約100mをわずかに30秒ほどで流下しました。
川面に達するまではあまり音はしなかったのですが、達した途端に音が大きくなりました。

 

左は、放流開始から1分程経った頃で、まだ、それ程激しくなく、ゲートが開き切っていないのでしょう。
右は、放流開始から3分程経った頃で、激しく水しぶきを上げ、川面は渦まいています。
さすがに、毎秒30立方mの水の落下で、大きな音と風圧で巻き上げられた水しぶきが押し寄せてきます。

 

ダムの放水口付近とダムの壁面の角度が変わる付近のアップ写真です。
上部では激しく水しぶきが上がっており、下部では泡立って白くなった水が純白のカーテンのようです。





放流終了の放送があり、水量が徐々に減って、観光放流は終了しました。
水量が減ると、ダムの壁面に水の模様が現れ、それが下に向かって流れ落ちて行きます。
約8分程の放流ショウでしたが、なかなか迫力がありました。

ページトップへ戻る



ダム上部にて

観光放流の終了後、ダム上部へ行くことにしました。
行く方法は、ダムの中を昇っていくエレベータか、横にあるインクラインか2通りあります。
行きは、比較的空いていそうなエレベータで、一気にダムの上まで行くことにしました。
さすがに、ダムの上は見晴らしが良くて、展望台からは遠くまで良く見えました。
振り返ると、逆光に湖面が光る宮ケ瀬湖が広がっていました。その中を遊覧船が出ていきます。
湖岸には「水とエネルギー館」があり、そこでダムカードを頂きました。
奥のレストランには、名物のダムカレーがありましたが、今回は遅くなったのでパス。
下りにはインクラインを使って、ダムと紅葉を楽しみながら降りて行きました。

 

左は展望台からの眺望です。空気が澄んでいれば、奥の方に横浜のランドマークタワー見えるようです。
残念ながら、この日は霞んでいて、遠方はほとんど見えませんでした。
手前に見えているのが放流時のビューポイントとなる橋で、奥のアーチ橋が新石小屋橋です。
右は、展望台を出て直ぐのダムの放流口の真上からの写真です。
放流された水の跡やみんなが放流を見ていた橋がすぐ後ろに見えています。
左手に見えている赤いものは、ロードトレイン「愛ちゃん号」で、あいかわ公園とダム下をつないでいます。
その上の屋上に丸いものが見えているのが、愛川第1発電所です。右下にはインクラインのレールが見えています。

 

左はダムの上から見た宮ケ瀬湖で、逆光で湖面が光って夕方の写真のようですが、時刻は3時前です。
湖面の中央付近に見えている黒い物は、出て行った遊覧船(たぶん最終便)のようです。
右は宮ケ瀬湖の湖岸からの写真で、左下に見えているのが遊覧船の船着き場です。
左の写真より右の方を向いているので、湖面の反射が抑えられ、青空が見えています。



上記よりさらに右の方を向いて撮ったのが上の写真で、湖面の色が何とか写っています。
何が原因か分かりませんが、きれいなエメラルドグリーンでした。

ページトップへ戻る



インクラインより

ダムの上を一回りした後、インクラインで下の降りることにしました。
インクラインは、ダム建設時に作られた、堤体コンクリートの打設のための設備です。
20トンのダンプトラックを運べる能力があったそうですが、現在は見学者の輸送用に使われています。
構造的にはケーブルカーと同じで、ワイヤーでつながれた2台の客車が、レール上を交互に上下するものです。
ダム上部よりゆっくりとレールの上を降りていくので、ダムと紅葉を楽しむことができます。

 

左は、インクラインの上の駅から見たインクラインのレールです。
左側にダムの壁面と、その上に展望台が見え、正面の山肌にその影が写っています。
右は、ほぼ降り切った辺りから見上げたダムの壁面で、白っぽい建物はダム管理用の建屋のようです。
ダムに沿って上に伸びているのは長〜い階段で、インクライン側にもあります。
ダム管理用のフーチング階段というそうで、510段あるとか。解放されるときもあるようです。



バランスを取るためにワイヤーでつながっている反対側の客車です。
ケーブルカーは、中間のみ複線になっていますが、インクラインは全て複線です。
そのため、ケーブルカーと異なり、ロープウェイと同じように常に自身専用の軌道上を動きます。

ページトップへ戻る



あいかわ公園への帰り道にて

インクラインを降りて、元来た道をもどり、あいかわ公園へ戻りました。
途中、中津川に架かる新石小屋橋からはダムの全景が良く見えました。
また、新石小屋橋の上や渡った先からは、こじんまりとした大沢の滝を見ることができます。
その先には、行きには見ている余裕がなかったのですが、きれいに紅葉したモミジなどが見られました。

 

左は、新石小屋橋から見た宮ケ瀬ダムの全景です。中津川も宮ケ瀬湖と同じきれいなコバルトグリーンでした。
右は、新石小屋橋から下流側を見たものです。左側の岸壁の裏側に石古屋ダムがあります。

 

左は、新石小屋橋越しの宮ヶ瀬ダムです。ちょうど、橋の真ん中にロードトレイン「愛ちゃん号」が写っています。
右は、左の写真を撮った所で、振り返ると見られた見事に紅葉したカエデです。
下の方で紅葉しているのは、ドウダンツツジだと思います。

 

新石小屋橋を渡った所に、大沢の滝の案内看板がありました。
時間がなかったので、手前の公園から眺めただけですが、数段になって流れ落ちています。
説明によると「屏風沢」と「夕日の沢」を源とし、目の前の岩山を流れ落ちる落差40mほどの滝とのこと。

 

あいかわ公園への登り口まで来た時、その右手に見えるのが石古屋ダムのダム湖(左の写真)です。
日陰になっているので、きれいに発色していませんが、湖面のコバルトグリーンと紅葉がきれいでした。
山の中腹、右手中央の少し上に見えている陸橋は、宮ケ瀬ダムの上部に通じる道路です。
右の写真は、左の写真の左側を撮ったもので、紅葉はほとんどなく、黄葉した木々が多いです。

 

駐車場との間にある風の子橋、その真横に大きなイイギリの木があり、赤い果実をたくさん付けていました。
ただでさえ赤い果実は目につくのに、それがたくさんぶら下がっているので、否応なしに目に飛び込んできます。
これほどたくさんついているのは、初めて目にしました。

この後、あいかわ公園の駐車場に戻り、先ほど見た道路を通ってダム上部に向かいました。
「水とエネルギー館」脇の小さな駐車場は満車でしたので、そのまま宮ケ瀬湖畔園地に向かいます。
今日は、イルミネーションの点灯式があるので、駐車場は大賑わい。案内人が車に指示していました。
一般の駐車場も、この時とばかりに呼び込みに精を出しています。
残念ながら、今日は時間がないので、横目で見ながら宮ケ瀬虹の大橋を渡って、帰路に就きました。

ページトップへ戻る
旅の見聞録へ戻る
ホームへ戻る




掲載している画像は、全てオリジナル画像です。したがって、その著作権は、kazに帰属します。
画像の使用については、非公開で個人使用の範囲においてのみ、その使用を許可いたします。
また、当サイトのリンクについてはフリーです。
ただし、サイト内のページ構成は予告なく変更する場合がありますので、トップページへのリンクをお願いします。

お問い合わせはこちらからお願いします。









inserted by FC2 system