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新規:2019/05/10

実相寺 山高神代桜

2019/4/4

実相寺の山高神代桜。日本三大桜(根尾谷薄墨桜、三春滝桜と山高神代桜)の1つです。
TVで日本の桜の名木として紹介されているのを見て、出かけることにしました。

三春滝桜は樹齢1,000年の紅しだれで、根尾谷薄墨桜は樹齢1,500年のエドヒガンです。
山高神代桜もエドヒガンですが、樹齢が2,000年と日本三大桜の中でも古い古木です。
山高神代桜は、実相寺(大津山実相寺/日蓮宗)の境内にあり、境内には他にも大きな桜が植えられています。
山門を入って直ぐの所に身延山しだれ桜の子孫、その奥に神代桜の宇宙桜(ISSに約8ヶ月)が見られます。
参道の反対側には、久保桜の子孫、淡墨桜の子孫、臥龍桜の子孫、滝桜の子孫と並んでいます。
山高神代桜は、さらにその奥の方にあり、根本で幹回り13.5mという巨木です。
ただ、1959年(昭和34年)の台風によって主幹が折れ、13.6mあった樹高は半分ほどになっています。
枝張りも、東西27m、南北30.6mあったものが、現在は東西17m、南北13mほどになっています。



被害を受けて樹勢の衰えが進み、枯れる心配が出て、2002年(平成14年)から樹勢回復工事が開始されました。
4年に亘って行われた再生工事で回復に向かい、現在は上の写真のように見事な花を見せてくれています。

実相寺の場所は、山梨県北杜市武川町山高2763。
中央自動車道の須玉ICを降りて、国道20号線の方に向かいます。
途中の「釜無川橋ポケットパーク」からは、釜無川越しに甲斐駒ヶ岳などが見え、なかなかのビューポイントでした。
さて、国道20号線を横切った先は、道端にある案内の登りに従って進みます。
公園の駐車場は満杯でしたので、少し離れた臨時の駐車場(¥500)に入りました。


インデックス
 
双葉SAにて
釜無川橋ポケットパーク
大津山実相寺
山高神代桜
臨時駐車場にて
スモモ果樹園


双葉SAにて

中央自動車道の双葉SAで、最後の休息を取りました。
ここには展望塔があり、天気が良いと富士山、甲斐駒ヶ岳などの南アルプス、八ヶ岳などが見えます。
この日は天気が良く、透明度も比較的良かったので、これらが良く見えていました。


展望塔から眺望で、左の方から順に拡大撮影したものを下記に示します。


雪を被った右側のピークが農鳥岳で、中央左寄りの雪を被ったピークが広河内岳です。


中央左側のなだらかなピークが辻山で、鉄塔横の雪を被ったピークは赤抜沢ノ頭です。
その左側、一段高い雪を被った右端側のピークが観音岳、その左側、中央寄りの雪を被ったピークは薬師岳です。


最初の写真で、鉄塔右側に見える雪を被っているピークが、上の写真の甲斐駒ヶ岳です。


最初の写真で、道路を挟んで右に見えているのが上の八ヶ岳で、特定の一峰の名前ではなく、複数の山々の総称です。
左端のピークが編笠山で、中央左のピークは権現岳です。中央の三角状ピークは阿弥陀岳になります。
その右側の大きなピークは赤岳で、その右側の低いピークは横岳です。


この日は、ここへの途中、大月辺りからは真っ白に雪を被ったように富士山が見えていました。
しかし、この双葉SAからはかなり雪解けが進んでいるように見えました。

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釜無川橋(かまなしがわばし)ポケットパーク

須玉ICで中央自動車道を下り、清里ラインから県道611号を国道20号方面に向かいます。
その途中、釜無川の手前に釜無川橋ポケットパークがありました。
いつもは逆に国号20号から入ってくるので気付かなかったのですが、なかなかのビューポイントです。
釜無川越しに、残雪を頂いた南アルプスの山々や甲斐駒ヶ岳などを望めました。


釜無川越しに左端の薬師岳から中央右の甲斐駒ヶ岳までの雪を頂いた山々が望めました。


上の写真の左側のアップで、中央の雪の少ないピークが地蔵岳で、その右下の白いピークは高嶺です。
左側の雪を被ったピークは観音岳で、そこから左に伸びる雪の尾根の先の小さなピークが薬師岳です。


最初の写真の中央付近のアップで、中央右側の雪を被ったピークは甲斐駒ヶ岳です。
その左側の雪のないピークは宮ノ頭、その左側の雪を被った小さなピークは栗沢山です。
そこから左に緩やかに上った先のピークはアサヨ峰、雲を挟んだ先のピークはミヨシノ頭です。

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大津山実相寺(おおつざんじっそうじ)

大津山実相寺は、永和元年(1375年)創建の日蓮宗お寺で、境内に神代桜がある事で有名です。
日応上人が真言宗の寺院を譲り受け、日蓮宗に改宗したのが始まりと伝えられています。
御本尊は「十界勧請大曼荼羅」で、迷いと悟り、その全ての境地を十種に分類したものが十界です。
武田信玄の祈願所として庇護され、川中島の合戦の際にも武運長久が祈願されました。
境内の樹齢2000年といわれる山高神代桜は、1922年(大正11年)に国指定天然記念物に指定されています。
また、1990年(平成2年)には、「 新日本名木百選」に選定されています。
境内には、他にも下記のような有名な桜の子孫が植えられており、神代桜の宇宙桜(ISSで約8ヶ月保管)もあります。
・岐阜県 根尾の淡墨桜(樹齢約1500年のエドヒガン)の子孫
・山形県 伊佐沢の久保桜(樹齢約1200年のエドヒガン)の子孫
・岐阜県 飛騨高山の臥龍桜(樹齢1100年のエドヒガン)の子孫
・福島県 三春の滝桜(樹齢約1000年のベニシダレザクラ)の子孫
・山梨県 身延山久遠寺のしだれ桜(樹齢約400年)の子孫

また、境内には広い水仙の畑があり、白や黄色のラッパスイセン越しに桜を楽しめます。


実相寺の山門までは長く塀が続いています。その塀に多くの人が取り付いていました。
何だろうと覗いてみると、上の写真のような景色が飛び込んできました。
なんとも見事なスイセン畑に白と黄色のラッパスイセンが咲き乱れ、その奥に桜が咲き誇っていました。
そのバックには、左手に観音岳から地蔵岳、右手には甲斐駒ヶ岳がその姿を見せていました。
これを見て、多くの人が塀に取り付き、写真を撮りまくっていた理由が分かりました。

   
上の写真のアップになりますが、左端の写真で右の雪の少ないピークは地蔵岳になります。
中央の雪を頂いたピークは観音岳、そこから緩やかに下がった先のピークが薬師岳です。
その下に見える雪のないずんぐりとしたピークは、燕頭山(つばくらあたまやま)です。
中央の写真で、右端の雲と見分けがつきにくいピークが栗沢山です。
そこから緩やかに上った先の平らなピークがアサヨ峰、その左、少し低くなった先のピークがミヨシノ頭です。
左側で白く見えているのは雲で、その下部に早川尾根ノ頭があるのですが、桜の花に隠れてしまっています。
右端の写真で、最も高い雪を被ったピークが甲斐駒ヶ岳で、その少し左の雪を被ったピークは摩利支天です。
そこから一段低くなった雪のないピークは、宮ノ頭になります。

 
塀に沿って歩くと山門があり、境内の桜が見えてきます。山門の右側には石碑があります。
左右の大津山と実相寺、中央の最後の法界塔は読めますが、その上には何と書いてあるのか読めませんでした。

 
山門は入ると、参道の右側には桜並木が、左側のスイセン畑には白と黄色のラッパスイセンが咲き誇っていました。
その参道にある2本の石柱、その先で最初に迎えてくれたのが身延山久遠寺のしだれ桜の子孫です。
子孫といっても、植えられてから40年以上になっているのでかなりの大木で、参道を覆っていました。

この参道の先が本堂で、本堂にお参りしてから左手の庫裡で御朱印をいただきました。
庫裡の先には、ISS(国際宇宙ステーション)で8ヶ月ほど過ごした神代桜の子孫(宇宙桜)が見られます。
本堂に戻り、その先にある山高神代桜に向かいますが、左手には前述のいろいろな桜の子孫が植えられています。
ただ、近すぎて全体を見ることができませんでした。反対側から見たのが下記の写真です。


左端の黒い屋根は祖師堂で、右側に見えている建屋はトイレです。その間に梵鐘がありますが、見えていません。
祖師堂の左、背が低目で色の淡い桜が「山高神代桜」で、祖師堂の屋根の下に見える背の低い桜が「滝桜」の子孫です。
その右隣、バックの桜と重なって分かりづらいですが、同じくらいの背の桜が「臥龍桜」の子孫です。
トイレの左に見える白っぽい桜が「淡墨桜」で、右側の色が少し濃い桜が「久保桜」の子孫です。
滝桜はベニシダレザクラなので枝が垂れていますが、神代桜も含めて他の桜は全てエドヒガンです。
同じエドヒガンなのですが、花色は淡紅色から白と変異が大きく、名前の通り淡墨桜は白っぽいですね。

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山高神代桜(やまたかじんだいざくら)

山高神代桜は境内の外れにあり、天然記念物としての名称は「山高神代ザクラ」となっています。
天然記念物に指定された当時は、高さ13.6m、枝張りは東西27m、南北30.6mあったそうです。
ただ、1959年(昭和34年)の台風によって主幹が折れ、現在は半分ほどの高さしかありません。

山高神代桜は、日本武尊が東征の際に植えたと言われており、それが神代桜の名前の由来となっています。
また、13世紀の鎌倉時代に、樹勢の衰えを見た日蓮聖人が、回復を祈願したところ再生したとの伝承もあります。
そのため、神代桜には「妙法桜」の異名もあります。
ただ、天然記念物に指定された1922年(大正11年)当時にも、樹勢は衰えを見せていたそうです。
1948年(昭和23年)には、あと3年で枯れるとまで言われ、3年後には南側の太枝が枯死しています。
1959年(昭和34年)の台風によって主幹が折れ、樹勢の衰えはさらに進んで、小さくなっています。
そこで、2002年(平成14年)から樹勢回復のための調査が行われ、盛り土などによる根の劣化が原因と判明。
2003年から樹勢回復工事が行われ、2006年には樹勢の回復が見られ、保護用の屋根も撤去されています。

それ以降も毎年、見事な花を咲かせ続けているそうです。


祖師堂の前から見上げた神代桜です。幹の太さに圧倒され、そこから伸びる枝が迫ってきます。
距離がなく、大きすぎて写野に収まり切らなかったので、3枚の写真をつないでいます。

   

左端の写真は幹ですが、主幹が折れたりして上部がありません。根本で幹回りは13.5mあったそうです。
主幹が折れずにあったらと想像すると、残念でなりません。きっと、今の何倍もの迫力があったと思います。
中央は、少し境内から出た所にある畔の上から撮ったもので、ほぼ全体が写っています。
おそらく、上部の青空が見えている辺りに、主幹が枝を広げていたのではないでしょうか。
右端の写真は、祖師堂の反対側から見たもので、手前側に大きな枝が張り出しています。

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臨時駐車場にて

実相寺を後にし、駐車場の横を通り、畑の細い畔を通って臨時駐車場に戻りました。
その畔で振り返ると、行くときには気が付かなかった八ヶ岳が、畑の向こうに見えていました。
その反対側には、実相寺で桜越しに見えていた山々も良く見えていました。


八ヶ岳は、特定の一峰の名前ではなく、複数の山々の総称です。
左端のピークが編笠山で、中央左のピークは権現岳です。
右端のピークは赤岳で、権現岳と赤岳の中央手前の大きなピークは三ツ頭です。


八ヶ岳の反対側には、実相寺で桜越しに見えていた山々が良く見えていました。

 
上の写真の右側をアップで撮ったものです。
左の写真は栗沢山からアサヨ峰、ミヨシノ頭、右の写真は甲斐駒ヶ岳から摩利支天、宮ノ頭です。
甲斐駒ヶ岳は2,967m、アサヨ峰は2,799mなのですが、甲斐駒ヶ岳の方が雪は少なく見えます。
甲斐駒ヶ岳は切り立った岩峰で、雪が付きにくいのでしょうか。

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スモモ果樹園

臨時駐車場に戻った時、直ぐ横に果樹園があり、白い花は咲き始めで、ピンクの花は満開でした。
花の形からバラ科だと分かりましたが、駐車場を管理している方に聞き、スモモと分かりました。
白い花の方が果樹用の木で、ピンクの花は受粉樹。スモモは自家不和合性なので受粉樹は必須だそうです。

スモモ(Prunus salicina) <バラ目・バラ科・スモモ亜科・スモモ属>
バラ科スモモ属の落葉小高木で、原産地は中国。
樹高は4〜10mで、葉は互生し、長さ3〜7cmの長楕円形で、先が尖り、縁には鋸歯がある。
花期は3月〜4月で、直径2cm前後の白い5弁花。オシベは多数ある。
自家不和合性のため受粉樹を必要とし、同じサクラ属の梅、杏、桃の花粉で人工授粉できる。
なお、長果枝は開花しても結実しにくいので、中短果枝や花束状短果枝を出させる剪定を冬季に行う。
果実は6月下旬〜8月下旬に熟し、収穫可能となる。

 
スモモの花は開花が始まったばかりで、まだ、1〜2分咲きといった所。
良く手入れされており、ほとんどが花束状短果枝になっていました。

 
スモモの脇で、数本の受粉樹がピンクの花を満開にしていました。
花がピンクなので、受粉樹に適したハリウッドという品種と思われます。葉は出ていませんが、葉も紅色とのこと。

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