ホーム旅の見聞録網引湿原>いろいろなキノコに会えました


網引(あびき)湿原
…… いろいろなキノコに会えました ……
[2022/8/27]



実家の比較的近い場所に、県内有数の湿原があることに気が付きました。
加西市網引町にある滲水湿原で、奥池を挟んで2700uの広さがある網引湿原です。
貴重なサギソウやムラサキミミカグサ等の植物やヒメヒカゲやヒメタイコウチが生息しています。
そのため、2020年(令和2年)3月13日に天然記念物として県指定文化財に指定されています。
奥池などの周辺環境も含めた361,828uが指定範囲となっています。

ちょっと時間が取れましたので、サギソウにもう一度会いたいと再訪しました。


<網引湿原への入口にある看板群で、この右手が駐車スペース>

土曜日でしたが、網引湿原の駐車場には先客は1台だけでした。
あまり時間は経っていないのですが、前回来た時と見られるものに違いが見られました。
特に、キノコ関係の種類が思いのほか増えていて、見たことがないキノコに会えました。



土曜日でしたが、9:30に実家を出て、10:00にすんなりと網引湿原の駐車場に到着。
サギソウも終わりに近いからでしょうか、先客は1台だけでした。
急ぎ、長靴に履き替えて出発。ただ、第1獣害防止ゲートまでの間で、あちこちで臨時停車。


<イヌザンショウ/雄花とキンケハラナガツチバチ♂>     <イヌザンショウ/果実>      .
イヌザンショウの雄花に、キンケハラナガツチバチが何匹も訪花していて、飛び回っていました。
そのイヌザンショウですが、前回、雌花が咲いていたのが、すっかり果実に変わっていました。


 <ノブドウ>                <アカメガシワ>
その直ぐ横では、ノブドウが花を付け、未熟な果実が大きくなっていました。
今後、虫えいにより紫色や碧色等に発色し、カラフルな果実を見せてくれるものと思います。
また、アカメガシワの雌株では、やはり、未熟な果実が大きくなり始めていました。


<ヤマハギ>
また、ヤマハギが長い茎を伸ばして花序を出し、ピンクの花を咲かせ始めていました。
ハギは秋の七草の1つですが、開花が始まるのは暑い盛りからになります。


<ヒロハフウリンホオズキ>
通路の反対側の法面では、ヒロハフウリンホオズキが枝を広げて、多くの花とホオズキを付けていました。
以前、名神高速道路から中国自動車道へ乗り換える辺り、その中央分離帯で見かけて以来です。
ホオズキは直立した茎の葉腋に1つずつが付きますが、ヒロハフウリンホオズキはたくさん付きます。
ホオズキは、熟すと萼が赤くなりますが、ヒロハフウリンホオズキは熟すと紫褐色になるそうです。


 <コバネイナゴ>       <コバネイナゴ>       <ハネナガイナゴ>
足元からは、足を踏み出すたびにイナゴが飛び立っていき、かなり数が増えたように思います。
そのイナゴをよく見ると、前回は見かけなかったコバネイナゴだと気が付きました。
周りにいたイナゴを観察すると、その多くがコバネイナゴで、ハネナガイナゴは極少数派でした。
いつからか、多数派がハネナガイナゴからコバネイナゴに変わっていたようです。
これらの写真を撮っていたため、獣害防止ゲートまでにかなり時間を取ってしまいました。


<サギソウ>
10:30に第1湿原に到着。サギソウはと中に入ると数は減っていましたが、まだ、見ることができました。
サギソウの写真を撮りながら湿原を横切り、第2湿原へ。


<ツブイボタケ>           <オニテングタケ>
その第1湿原の出口手前にあったツブイボタケですが、まだ、一部は健在でした。
一方、第2湿原の手前にあったオニテングタケですが、こちらは柄の一部が残っているだけでした。


<キセルアザミ>
10:45に第2湿原到着。入り口付近に生えているキセルアザミは、開花間近の状態でした。
よく見ると、最外周の筒状花の中には、開花してオシベが伸び出しているものがありました。


<アカメガシワ>             <イヌザンショウ>
第3湿原の奥の方で、以前から気になっていたシラヤマギクが生えていた所、
アカメガシワやイヌザンショウなどが生え、この辺りは乾燥化が進み湿原というより草原になっています。
11:05に第2湿原を後にし、奥池の方へ向かいました。


<ギンヤンマの産卵>
11:10に奥池到着。湖面を飛ぶ連結したギンヤンマがいました。
写真を撮ろうとカメラを準備してる間に、縁近くに止まり、メスが腹部を水中に入れていました。
飛んでいるところは撮れませんでしたが、産卵している所を撮ることができました。


<ガンクビソウ>                 <サジガンクビソウ>
11:15に第1湿原に到着。中に入らず、以前、見かけたヤブタバコらしいものを見に行きました。
ヤブタバコではないかと思っていたものですが、花がよく似たガンクビソウでした。
花は似ていても草姿が異なり、ヤブタバコの花茎は極短いのに、ガンクビソウは長い花茎があります。
ガンクビソウの直ぐ側には、サジガンクビソウも花を付けていました。


<ツノホコリ>
ガンクビソウと通路を挟んだ反対側で、倒木に点々と白いキノコ状のものが付いていました。
よく見ると細いひげ状のものがより集まっているようでした。
調べてみると、原生粘菌の一部に近縁な原生変形菌で、モゾモゾと移動するそうです。
かなりの数の純白に近いものが、点々と付いているのでかなり目立ちます。


<ボタンイボタケ>    <マンネンタケ>      <ノウタケ>      <不明種>  .

<不明種>      <不明種>      <不明種>
11:20に靴底の洗い場を通過し、第1獣害防止ゲートへ向かう林内へ。
林内を注意深く見まわしていると、いろいろなキノコが顔を出していました。
上記はその一部ですが、名前の分からないキノコが多いです。


<スズバチ>
11:45に第1獣害防止ゲート到着。
と、耳元でブーンという大きな羽音がして、思わず首をすくめました。
以前、聞いたオオスズメバチのような大きな羽音だったので、足も止まってしまいました。
辺りを見回すと、数匹のスズバチが地面近くを飛び交っていました。
スズバチは、ドロバチ亜科日本最大種であり、キイロスズメバチと大差ない大きさです。
こちらから手を出さない限り刺されることはないですが、羽音を聞くとドキッとします。


<ショウリョウバッタ>
駐車場への戻り道、足元から飛び立ったのはイナゴとショウリョウバッタでした。
ショウリョウバッタのオスですが、なかなか写真が撮れる場所に降りてくれなかったのです。
それが、このとき近くに降りたので、何とか撮影できました。メスも同様です。
なお、写真では同じうような大きさになっていますが、実際の大きさには倍くらいの差があります。


<ヤマトシジミの横恋慕>
通路脇では、なぜかヤマトシジミがやたらと飛び回っていました。よく見ると、ほとんどがオスです。
近くに交尾中のカップルがいたのですが、そこに次々とオスがやって来て、割り込もうとしていました。
カップルのオスは、メスを取られまいと必死に撥ね退けていました。


<カイツブリ>
駐車場脇の新池まで戻ってきたとき、以前見かけたカイツブリはいないかと見回しました。
以前見た場所にはいませんでしたが、遠くのガマの群生地近くで3羽泳いでいました。
中央の1羽は親鳥で、その左右にいる2羽は今年生まれた幼鳥です。

12:10に駐車場到着し、網引湿原を後にしました。


<ナツズイセン>
駐車場を後にして直ぐの所で、道路脇にナツズイセンが1列に並んで咲いていました。
このような咲き方をしているヒガンバナはたまに見かけますが、ナツズイセンでは初めてです。
自然にこのような咲き方はしないと思いますので、どなたかが植えられたのでしょう。

ページトップへ戻る
網引湿原へ戻る
旅の見聞録へ戻る
ホームへ戻る








inserted by FC2 system