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網引(あびき)湿原



実家でWebを見ていた時、比較的近くに県内有数の湿原があることに気が付きました。
加西市網引町にある滲水湿原で、奥池を挟んで2700uの広さがある網引湿原です。
貴重なサギソウやムラサキミミカグサ等の植物やヒメヒカゲやヒメタイコウチが生息しています。
そのため、2020年(令和2年)3月13日に天然記念物として県指定文化財に指定されています。
奥池などの周辺環境も含めた361,828uが指定範囲となっています。


<網引湿原への入口にある看板群で、この右手が駐車スペース>



< トピック >

今回、トキソウが見たくて2023/5/4に下見、5/18に本番と2回網引湿原に行ってきました。
下見の時にはキンランやツクバネウツギ、コツクバネウツギを見ることができ、
成熟初期の真っ黒なハラビロトンボや大きなコンボウケンヒメバチに驚かされました。
本番では、駐車場近くでカエルになっても間もないニホンアカガエルの幼体が出迎えてくれました。
林内では咲き始めたばかりのシライトソウ群生し、湿原では多くのトキソウを見ることができました。
また、思いもよらずトウカイコモウセンゴケのピンクの花も見ることができましたし、
下見では見かけなかったハッチョウトンボが飛び交い始めていました。
また、ヒゲナガハナノミを始めて見ることができましたが、メスの同定には手間取りました。

網引湿原 インデックス


…… ハッチョウトンボが飛び交ってます ……
[2022/6/18]

気が付くのが遅くて、既にトキソウは終盤になっていて、見られるかどうか分かりません。
しかし、うだうだ言っても始まりませんので、出かけてみることにしました。
ただ、地図を見ても近くに駐車場が見当たらず、少々歩くことになりそうです。
ところが、出かけた方々のブログなどを見ていると、近くに数台程度止まれることが分かりました。
土曜日なので満車の可能性が高いですが、意を決して出かけました。
9時前に実家を出て、駐車場に着いたのは10:20でした。やはり満車となっていました。
少し離れた公会堂に駐車できるそうなので、行ってみると先客が2台ありましたが、スペースは十分。
空いている所に留めさせていただいて、長靴に履き替えて湿原の入口に戻りました。
入口から農道を歩いて最初の獣害防止ゲートに到着したのは10:50でした。
10分ほどで靴底の洗い場到着。余計なものを持ち込まないよう長靴の底を、しっかり洗浄。


<ハッチョウトンボ♂> <ハッチョウトンボ♀>  <オオシオカラトンボ>  <ハラビロトンボ> .

湿原にはノハナショウブやカキランが咲き、ハッチョウトンボが飛び交っていました。
かなり傷んでいましたが、トキソウが1輪だけ残っていました。ラッキー
ヒメタイコウチの幼虫も見ることができ、湿原を後にしたのが12:45です。
オオシオカラトンボやハラビロトンボが飛び交っていたので、それらを撮影。
途中のバイオトイレで用を足して、入り口の駐車場に戻ったのが13:30でした。
そこから公会堂に戻ろうとしたところで、田んぼを覗き込んでいる方々を見かけました。
何を見ているのか聞くと、緑色で尻尾がオレンジのホウネンエビとの事。


    <ホウネンエビ>           <謎の生物(謎解きはこちらで)>

そこを通りかかった地元の湿原を管理されている方に、ホウネンエビを見せていただきました。
今日は、短い時間でしたが色々なものを見ることができ、満足して帰途に着きました。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… サギソウにはちょっと早かった ……
[2022/8/9]

8月に入って、そろそろサギソウが咲き始めているのではないかと、行ってみることにしました。
平日でもあり、すんなりと到着し、入り口の駐車場に駐車することができました。
平日ですが、先客が1台。この日は、この車の持ち主と、他に2名の方と出会っただけでした。

第1湿原には、花らしきものが見当たらないのでパスして第2湿原へ。
第2湿原に着くと、先客の方が1名、写真撮影をされていました。
聞くとハッチョウトンボの撮影に来られたとか。
前回たくさんいた所を見てみましたが、とんと見当たりませんでした。
サギソウも見当たりません。まだ、開花には早かったようです。


<ミカヅキグサ>   <ホザキノミミカキグサ>  <サワヒヨドリ>      <キキョウ> .

代わりという訳ではありませんが、ミカヅキグサやホザキノミミカキグサなどが見られました。
ぐるっと1周している途中、マユタテアカネに会い、戻った所でハッチョウトンボに会えました。
真っ赤なオスがちょこんと止まっていたので、先客の方にいることをお知らせしました。
もどるときに第1湿原にもよったのですが、ここでもハッチョウトンボのオスに会えました。
前回来たときには、第1湿原では全く見かけなかったので、第1湿原での初見となりました。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… やっとサギソウに会えました ……
[2022/8/16]

サギソウに会いたいと、1週間後に再訪しました。
すんなりと入口の駐車場に到着しましたが、今日は先客が4台。
端の方にスペースがあったので、落ちないように気を付けながら駐車。
先客がいるということはと、期待しながら湿原に急ぎました。


<サギソウ>
第1湿原には人影はなかったのですが、ちらほらと白い花が見えています。
焦る気持ちを押さえながら、獣害防止ゲートを開けて中に入るとありました。サギソウが…
湿原のあちらこちらで白い翼を広げたようなサギソウが迎えてくれました。
後で聞いた話では、例年に比べて今年はサギソウの数が少ないそうです。
例年なら、第1湿原ではサギソウがもっと咲いていて、白く見えるほどとか。


  <ニホンアカガエル>    <ワキグロサツマノミダマシ>
第2湿原に入った所で、先客の女性が何かを熱心に撮っていました。
何を撮っているのか聞くと、アカガエルではないかとの事。私も見るのは初めてです。
第1湿原ほどではありませんが、こちらでもサギソウを所々で見ることができました。
第2湿原入口にもどる途中、通路脇で綺麗な緑色のクモ、ワキグロサツマノミダマシを見つけました。

今回は、一度は見てみたいと思っていたサギソウに会えたので、大満足でした。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… いろいろなキノコに会えました ……
[2022/8/27]

ちょっと時間が取れましたので、サギソウにもう一度会いたいと再訪しました。
土曜日でしたが、網引湿原の駐車場には先客は1台だけでした。

サギソウはと第1湿原に入ると、数は減っていましたが、まだ、そこここで見ることができました。
第2湿原でも通路脇などで、若干のサギソウを見ることができました。
戻りは第1湿原の外を周って、以前見かけたヤブタバコらしきものを確認することにしました。


 <ガンクビソウ>                 <サジガンクビソウ>
以前、ヤブタバコではと思っていたものですが、ガンクビソウでした。
花は似ていても草姿が異なり、ヤブタバコの花茎は極短いのに、ガンクビソウは長い花茎があります。
ガンクビソウの直ぐ側には、サジガンクビソウも花を付けていました。


<ツノホコリ>
ガンクビソウと通路を挟んで、倒木に点々と白いキノコ状のものが付いていました。
よく見ると細いひげ状のものがより集まっているようでした。
調べてみると、原生粘菌の一部に近縁な原生変形菌で、モゾモゾと移動するそうです。
純白に近いものが、かなりの数、点々と付いているのでかなり目立ちます。


<ボタンイボタケ>    <マンネンタケ>      <ノウタケ>      <不明種>  .
その先の林内では、見かけないキノコたちがあちこちで顔を出していました。
上記はその一部ですが、マンネンタケ以外は初めて見たキノコでした。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… リンドウの咲く頃 ……
[2022/10/11]

しばらく行っていなかったので、秋の網引湿原を訪れることにしました。
平日ということもあり、網引湿原の駐車場に止まっている車はなく、訪問者もいませんでした。


<ホソバリンドウ>

<キセルアザミ>
奥池から第2湿原、第3湿原と歩いていると、そこここでホソバリンドウが花を付けていました。
第2湿原や第3湿原にかけては、多くのキセルアザミが咲いていて、これらが目を楽しませてくれました。



また、実りの秋ということで、いろいろな樹や野草が熟した果実を付けていました。
上段左からウメモドキ、イソノキ、サルトリイバラ、アオツヅラフジで、
下段左からクサギ、コバノガマズミ、イヌザンショウ、テリハノイバラの果実です。
サルトリイバラとテリハノイバラの果実は、もっと真っ赤に熟します。
また、いろいろなキノコが見られるかもと期待していたのですが、こちらは期待外れ。
いくつかのキノコが見られただけでした。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… 真っ黒なトンボが飛び交ってます ……
[2023/5/4]

昨年、時機を逸して見損ねたトキソウ。その下見を兼ねて網引湿原を訪れることにしました。
ゴールデンウィークの最中ですが、時期的には早いので、大丈夫だろうと出かけました。
すんなりと到着し、駐車場を見ると先客が2台止まっていました。


<ユウゲショウ白花>    <キンラン>       <ヒメハギ>    <ショウジョウバカマ>

  <モチツツジ>     <ヤマツツジ>     <ツクバネウツギ>   <コツクバネウツギ>
第1獣害防止ゲートの手前でユウゲショウの白花に出会ったのを皮切りに、いろいろな花に出会えました。
ここで初めて出会ったのは、ツクバネウツギやコツクバネウツギです。


<ハラビロトンボ♂>  <ハラビロトンボ♀>   <シオヤトンボ♂>    <シオヤトンボ♀>

<フタスジサナエ♂>   <フタスジサナエ♀>   <タベサナエ♀> .
最も驚いたのは、駐車場に戻る際に目の前を横切って飛んで行った真っ黒なトンボです。
後にも先にも、これほど真っ黒なトンボには出会ったことがありません。
目の前を横切ったとき、本当に真っ黒に見え、思わず、えっと言ってしまいました。
それとサナエトンボも多くて、後で調べてフタスジサナエと分かりました。
写真を確認していて、1匹だけ胸部側面の黒条が異なるものが見つかり、タベサナエと分かりました。


 <ヤマキマダラヒカゲ> <ヒメウラナミジャノメ>   <ツチイナゴ>   <ヤマトフキバッタの幼虫>

  <ニワハンミョウ>   <ジョウカイボン> <ダイミョウキマダラハナバチ><コンボウケンヒメバチ>
トンボ以外にもいろいろな昆虫に会うことができました。
ツチイナゴは、昨年の晩秋に成虫になり、春になって活動を始めた越冬成虫です。
ダイミョウキマダラハナバチは、スズメバチ科のような見た目ですが、ミツバチ上科のハチです。
コンボウケンヒメバチは、ここで初めて出会った大型の寄生バチです。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



…… トキソウとトウカイコモウセンゴケに会えました ……
[2023/5/18]

昨年、時機を逸して見損ねたトキソウ。下見から2週間経ち、そろそろだろうと訪れることにしました。
平日でしたので、すんなりと到着。駐車場を見ると先客が1台止まっていました。


<ニホンアカガエルの幼体>
バイオトイレ近くで、出迎えてくれたのがニホンアカガエルの幼体でした。
トイレを出て歩き始めると、足元でピョンピョン跳ねて右往左往。
2週間前に成体に出会いましたが、3月頃にいったん冬眠から覚めて産卵します。
その後、親は再び冬眠に入り、その間に卵がオタマジャクシになります。
親ガエルは4月〜5月に再度冬眠から覚めるのですが、その頃にオタマジャクシがカエルになるようです。


<シライトソウ>
第1獣害防止ゲートの先にある林内では、かなりの数のシライトソウが白い花序を伸ばし始めていました。
2週間前に来たときには、やっと花茎が10cmほどに延びた所だったので、成長が早いですね。


<トキソウ>
第1湿原に入ると、たくさんの白っぽい点々が目に入ってきました。
遠目で草陰に点々と見える白い物ですが、近づくと朱鷺色がはっきりして、トキソウだと分かりました。
時期的には少し早かったのですが、今年は暑いからか、かなりの数が咲いていました。


<トウカイコモウセンゴケ>
奥池に差し掛かった所で、遊歩道脇で赤っぽい葉のトウカイコモウセンゴケに気が付きました。
まだ、花茎を伸ばし始めたばかりで、花は咲いていませんでした(左の2枚)。
第2湿原からの戻りに、この直ぐ先の所でトウカイコモウセンゴケの花に出会いました(右2枚)。
他も似たような物だろうと、あまり注意して見ていなかったので、見落としていたようです。


  <スイカズラ>   <白花のユウゲショウ>  <ショウジョウバカマ> <ショウジョウバカマ>
スイカズラは、駐車場ちかくの通路脇で見かけました。咲いていたのはこの花序だけでした。
白花のユウゲショウは2週間前に見つけたものですが、紅紫色の普通のものも咲き始めていました。
奥池の畔で見かけたショウジョウバカマの果実は、弾けて種子が飛び、花弁のように見えました。
直ぐ近くには、裂開して種子が見えているものもあり、弾け方が分かりますね。


 <ハラビロトンボ>    <ハラビロトンボ>  <ハッチョウトンボ♂> <ハッチョウトンボ♀>
左端は2週間前に見たハラビロトンボで、飛んでいるときには真っ黒に見え、驚いたものです。
その右側が今回見たもので、腹部に白い粉が吹いて、昨年見かけたものに似てきました。
左の2枚は第2湿原で見かけたハッチョウトンボで、左が成熟したオスで、右がメスです。


 <ウバタマコメツキ>     <ヒゲナガハナノミ♂>     <ヒゲナガハナノミ♀>
第1湿原の獣害防止ゲートの手前で、目の前に何か甲虫が飛んできたので、思わず手で払い落しました。
落ちたものを見るとかなり大きなコメツキムシで、後で調べて、ウバタマコメツキと分かりました。
第1湿原の中で見かけたのが右端の黒い甲虫で、最初、ゴミムシの仲間かと思ったのですが、違いました。
しばらく、正体不明だったのですが、中央の第3湿原で見かけたヒゲナガハナノミを調べていて分かりました。
ヒゲナガハナノミのメスだったんです。雌雄で体色などが異なり、同一種に見えませんね。

※ 上記は、主なものを抜粋したものです。詳細は、こちらをご覧ください。



網引湿原で見かけた野草
更新:2023/5/24

   トキソウ         カキラン         サギソウ     ホザキノミミカキグサ

和名インデックス

更新:2023/5/24

   モチツツジ       シライトソウ       シュロソウ     トウカイコモウセンゴケ

和名インデックス



網引湿原で見かけた昆虫
更新:2023/5/25

ヤホシホソマダラ     ハッチョウトンボ     ハラビロトンボ      ヒメアカネ  .

和名インデックス

更新:2023/5/25

ヨツボシモンシデムシ      スズバチ       ヒゲナガハナノミ      コバネイナゴ   .

和名インデックス



網引湿原近くで見かけた野鳥
更新:2022/9/13

カイツブリ

和名インデックス



網引湿原で見かけたその他の生物
更新:2023/5/25

ホウネンエビ        謎の生物 .
※ 謎の生物の正体に関しては、本文をご覧ください。

和名インデックス








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